「必ず逆転できると…」広島、ガンバ戦でビハインドもベン・カリファ&満田は勝利を確信。何が選手たちを信じさせたのか
偉業を成し遂げられる者は、それを信じていた者である。
G大阪戦でハットトリックをやってのけた広島のナッシム・ベン・カリファは確信していた。
「1−2で負けているなかでも、僕自身はずっと勝てると思っていた。すごくチームの流れも良かったし、モリシ(森島司)の得点がオフサイドになってしまったこともあったけど、必ず逆転できると確信していたよ」
「自分の中の感覚的なものですけど、追い付いて絶対に逆転できるなと思っていた」
何が彼らを信じさせたのか。それはやはり、これまで自分たちが積み上げてきた結果だ。
広島は1週間前の第25節・柏戦で3−2の逆転勝利を収めたが、それ以前から成功体験を重ねてきた。第17節・C大阪戦(2−1)、ルヴァンカップのグループステージ第4節の名古屋戦(2−1)も逆転勝ちだった。
また逆転ではなくても、試合終盤に得点を奪って勝利した試合も多い。第24節の鹿島戦(2−0)は、エゼキエウが90+5分にネットを揺らして勝利を決定付け、第18節の福岡戦(3−1)では、86分にドウグラス・ヴィエイラがリードを2点に広げるチームの3点目をゲット。第8節の福岡戦(1−0)では、90+4分に柴粼晃誠が決勝点を挙げて勝っている。
もう1つ“信じられる”裏付けとなる興味深いデータがある。広島は後半の得点が圧倒的に多い。リーグ戦で奪った全40得点(26試合終了時点)のうち、後半に決めたゴールが30得点を占めており、しかも時間が経過するごとにゴール数が増えている。46〜60分の間が6得点で、61〜75分が11得点。そして、76分〜試合終了までが13得点である。
これだけ後半に点を重ねて勝利を収められている要因は、選手たちのあくなき向上心と選手層にあるとミヒャエル・スキッベ監督は言う。
「いまでもチームは成長していこうっていう気持ちが強い。ゲームの中で90分間以上速いテンポのなかで良いサッカーをしていこうっていうことを目ざしている。さらに、自分たちはメンバーにも恵まれていて、交代選手たちがさらに新鮮な空気を流し込んでくれている」
今節は70分に途中出場したD・ヴィエイラとエゼキエウが躍動してチームを逆転勝利に導いている。具体的にどういう現象がピッチで起こったのか。満田が、76分のベン・カリファの逆転ゴールを例に挙げて解説してくれた。
「2列目、3列目の選手がしっかりと裏に走ることで、相手のブロックを崩していける。ナッシムの3点目は、エゼがしっかりと走ってくれたおかげで相手のディフェンスが崩れて、自分が中に進入することができた。エゼは直接、得点に関わっていないかもしれないですけど、そういった細かい動きを一人ひとりが後半になってもできていることが得点が生まれている要因だと思います」
15日に加入したばかりでさっそく初先発となったピエロス・ソティリウは、本領を発揮することができなかった。しかし、スキッベ監督が活躍を確信している実力者である。これからその力を発揮していけば、広島はさらに強さを増していくことだろう。
積み上げてきたものへの自信はどんどん膨らみ、豊富なタレントがいる前線にはさらなる上積みもある。自分たちを信じて最後まで勝利を追い求める広島は、いったい何を成し遂げるのか。シーズンの最後まで目が離せない。
取材・文●寺田弘幸(フリーライター)
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