鶴見線の末端部「浜川崎〜扇町」が開業した日 臨港″枝分かれ路線″黎明期 -1928.8.18
94年前の8月18日、現在の鶴見線の浜川崎〜扇町間が開業しました。
臨海工業地帯とともに誕生
JR鶴見線の扇町駅(乗りものニュース編集部撮影)。
今から94年前の1928(昭和3)年8月18日。現在のJR鶴見線の浜川崎〜扇町間1.3kmが開業しました。
当時は鶴見臨港鉄道による建設・運営で、開業当初は貨物営業のみでした。旅客営業が始まるのは2年後になります。
ここ一帯では、浅野総一郎の創立した浅野財閥が東京湾を埋め立てていき、工業開発を進めていました。その輸送手段として生まれたのが鶴見臨港鉄道です。川崎駅から浜川崎駅まで国鉄の短い貨物支線があり、そこから連絡する路線として、大川、浜安善(のちに廃止)、弁天橋、鶴見川口(のちに廃止)方面へ順次枝分かれして伸びていきました。扇町支線はその中で4番目のルートとして開業したのです。
当時、途中には若尾と昭和という二つの途中駅がありました。若尾駅は戦中に廃止され、途中駅は現在昭和駅のみとなっています。昭和駅の由来は、沿線に昭和3年に誕生した「昭和肥料」という会社名から採られたもので、終着駅の「扇町」は、浅野家の家紋が扇をあしらったものであることから採られました。
工場勤務者用の路線であることから、昼間は2時間間隔となっており、閑散としています。一方で川崎市営バスが川崎駅へ直接むすぶ系統を1時間に2本運行しており、こちらも多くの人々が利用しています。