第101回全国高校サッカー選手権の応援リーダーに決まった横浜FCのMF中村俊輔【写真:(C) NTV】

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桐光学園高時代に高校選手権で準優勝、J2横浜FCのMF中村俊輔が大会応援リーダーに

 2022年の冬に行われる第101回全国高校サッカー選手権の応援リーダーは、日本代表としてワールドカップ(W杯)2大会に出場したJ2横浜FCのMF中村俊輔に決定した。

 第101回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕し、2023年1月9日に決勝が行われる予定。前回大会に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮し、開催準備が進められる。

 中村は神奈川・桐光学園高校で、2年次に第74回大会で初めて全国大会に出場すると、第75回大会では背番号10を付け、決勝で市立船橋(千葉)に敗れたものの準優勝。高校卒業後は、横浜マリノス(現・横浜F・マリノス)に加入し、02年にはイタリアのレッジーナに移籍。セルティック(スコットランド)では、06-07シーズンにスコットランドリーグで9ゴール12アシストを記録し、欧州主要リーグではアジア人初となるMVPに輝いた。

 その後、エスパニョール(スペイン)、横浜FM、ジュビロ磐田を経て、現在は横浜FCでプレーしている。今年3月の水戸ホーリーホック戦では終盤に途中出場すると、直後のコーナーキックで高校の後輩でもあるFW小川航基のゴールをアシストして逆転勝利に貢献するなど、44歳を迎えた今季もJ2の舞台で勝負強さを発揮している。

 日本代表としては、04年のアジアカップでは優勝に貢献しMVPに選ばれると、06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会とW杯2大会に出場。日本代表不動の「10番」として国際Aマッチ98試合出場、24得点の記録を残している。

 そんな中村が第101回全国高校サッカー選手権の顔になる応援リーダーに決定した。

応援リーダー就任は「嬉しかった」

【中村俊輔/応援リーダー就任にあたっての一問一答】

――応援リーダー就任依頼の話を聞いて。

「応援リーダーのことは知っていました。純粋に嬉しかったです。すぐに『やらせていただきたい』という返事をしました」

――今の高校サッカーは見ている? 印象は?

「前回大会は15、16試合くらい観ました。優勝した青森山田高校は、ハイボールで競ってセカンドボールを拾って、サイドで1対1を作ってクロスを上げて、といった得意な形を作ってやっているように感じました。全体的に自分たちの強み、ストロングポイントを高校サッカーでぶつけ合っている、という印象を受けました。見ていて面白いし、逆に自分も考えさせられましたし、初心に帰れた感じがして、すごく良かったです」

――桐光学園高校に進んだ時の心境、高校時代について。

「最初は、ほかの部活とグラウンドを分けたり、ボールを使った練習があまりできなかったり、戸惑いはありました。でも、そういった限られた環境の中で考えたり、工夫したり、行動に移したりすることで、高校時代に一番成長できたんじゃないかと思います。練習後の自主練習の大切さを知ったのも高校時代で、今も自分の一番大事な部分になっています。今の基盤になっているのは高校の3年間だと思います」

――中村選手にとって高校サッカーとは?

「練習をすれば絶対に伸びる、という感覚を持てたのが高校時代でした。『自分の宝物』みたいなものを作れたんだと思います。高校3年間は本当に大きかったと思います。高校サッカーを経て、プロになれて、海外にも行けて、日本代表でもプレーできましたし、今考えると、高校サッカー、高校生活は、そうなるためのしっかりした土台、しかも揺るがない頑丈な土台ができた場所ですね」

――高校生に向けてのメッセージ。

「今後も必ず、上手くいっている時もあれば、上手くいっていない時もあると思います。上手くいっている時ほど自分の足元を見つめて初心に帰る、上手くいっていない時ほどその壁にぶち当たって乗り越えようとしている時が一番成長する、そのメンタリティーで頑張ってほしいと思います」

【一覧】高校サッカー選手権「歴代応援リーダー」

第81回大会 小野伸二(北海道コンサドーレ札幌/当時・フェイエノールト)
第82回大会 小野伸二(北海道コンサドーレ札幌/当時・フェイエノールト)
第83回大会 平山相太(当時・ヘラクレス)
第84回大会 大久保嘉人(当時・マジョルカ)
第85回大会 中山雅史(当時・ジュビロ磐田)
第86回大会 中澤佑二(当時・横浜F・マリノス)
第87回大会 小笠原満男(当時 鹿島アントラーズ)
第88回大会 長谷部誠(フランクフルト/当時・ヴォルフスブルク)
第89回大会 田中マルクス闘莉王(当時・名古屋グランパス)
第90回大会 内田篤人(当時・シャルケ)
第91回大会 遠藤保仁(ジュビロ磐田/当時・ガンバ大阪)
第92回大会 三浦知良(鈴鹿ポイントゲッターズ/当時・横浜FC)
第93回大会 川島永嗣(ストラスブール/当時・スタンダール・リエージュ)
第94回大会 柴崎 岳(レガネス/当時・鹿島アントラーズ)
第95回大会 岡崎慎司(カルタヘナ/当時・レスター・シティ)
第96回大会 大迫勇也(ヴィッセル神戸/当時・ケルン)
第97回大会 乾 貴士(清水エスパルス/当時・ベティス)
第98回大会 長友佑都(FC東京/当時・ガラタサライ)
第99回大会 内田篤人
第100回大会 林大地(シント=トロイデン)、前田大然(セルティック)、旗手怜央(セルティック)、上田綺世(セルクル・ブルージュ/当時・鹿島アントラーズ)
第101回大会 中村俊輔(横浜FC)

※クラブ名は2021-2022シーズンあるいは2022シーズンのもの。「当時」は応援リーダー就任時の所属クラブ(FOOTBALL ZONE編集部)