大阪土産名物「粟おこし」で有名、老舗菓子メーカーの戎大黒本舗が破産へ
(株)戎大黒本舗(TDB企業コード:580110275、資本金1000万円、大阪府守口市大枝東町2−19、登記面=守口市西郷通2−18−15、代表植村甚氏氏)と、グループ会社の(株)京都ぽてとの塔(TDB企業コード:714011892、資本金100万円、同所、登記面=京都府京都市伏見区深草稲荷中之町32、同代表)の2社は、7月20日に事業を停止し、事後処理を南昌作弁護士(大阪府大阪市北区西天満2−6−8堂島ビルヂング715号、リーガル・ソリューション法律事務所、電話06−6210−3920)と佐々木真一郎弁護士(京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町8京都三井ビル8階、佐々木総合法律事務所、電話075−211−7110)に一任、自己破産申請の準備に入った。
(株)戎大黒本舗は1927年(昭和2年)に創業し、物資統制令や戦争の影響による一時休業を経て50年(昭和25年)12月に大阪市北区天神橋で法人改組した老舗の和洋菓子製造業者。主力の「粟おこし」は、大阪・難波の名物として伝えられてきた商品で大阪土産の定番品として相応の知名度を誇り、土産物取り扱い業者を通じてJR・私鉄の主要駅売店や空港売店、専門店などで販売。2010年には「岩おこし」「浪速おこし」「粟おこし板箱」などと並んで大阪の特産品と認められる「大阪産(もん)名品」に選ばれていた。
他方、85年にはプロ野球・阪神タイガースとライセンス契約を締結してオフィシャル商品の販売をスタート。近時はスウィートポテトやバウムクーヘンなどの洋菓子製造にも注力し、タイガースオフィシャル商品のラインアップも拡充。2013年に5代目となる現代表が就任して以降はオンラインショップも開設し、消費者への直販も行っていた。
天神橋の旧本店を2016年に売却し、大阪府吹田市内へ本店を移転。さらに、2020年に現所へ移転していたところ、新型コロナウイルスの感染が拡大。海外からの入国制限によりインバウンド需要が消失するなど土産物の需要減退により売り上げが急減し、業務を大幅に縮小。2021年5月期の年売上高は約3億円と、コロナ禍以前の10分の1程度にとどまり、金融債務について返済猶予を受けていた。
2022年に入り行動制限が解除され需要こそ盛り返していたが、原材料や運送費などのコスト高を販売価格に転嫁できず、多額の有利子負債の返済見通しも立たないことから、事業継続を断念した。
(株)京都ぽてとの塔は、2014年(平成26年)2月に設立した菓子販売店。さつまいもを使用したスイーツ専門店「京都ぽてとの塔」を百貨店内で展開していたが、(株)戎大黒本舗に連鎖する形となった。
負債は(株)戎大黒本舗が約2億5000万円、(株)京都ぽてとの塔が約6000万円、2社合計で約3億1000万円の見込み。
他方、85年にはプロ野球・阪神タイガースとライセンス契約を締結してオフィシャル商品の販売をスタート。近時はスウィートポテトやバウムクーヘンなどの洋菓子製造にも注力し、タイガースオフィシャル商品のラインアップも拡充。2013年に5代目となる現代表が就任して以降はオンラインショップも開設し、消費者への直販も行っていた。
天神橋の旧本店を2016年に売却し、大阪府吹田市内へ本店を移転。さらに、2020年に現所へ移転していたところ、新型コロナウイルスの感染が拡大。海外からの入国制限によりインバウンド需要が消失するなど土産物の需要減退により売り上げが急減し、業務を大幅に縮小。2021年5月期の年売上高は約3億円と、コロナ禍以前の10分の1程度にとどまり、金融債務について返済猶予を受けていた。
2022年に入り行動制限が解除され需要こそ盛り返していたが、原材料や運送費などのコスト高を販売価格に転嫁できず、多額の有利子負債の返済見通しも立たないことから、事業継続を断念した。
(株)京都ぽてとの塔は、2014年(平成26年)2月に設立した菓子販売店。さつまいもを使用したスイーツ専門店「京都ぽてとの塔」を百貨店内で展開していたが、(株)戎大黒本舗に連鎖する形となった。
負債は(株)戎大黒本舗が約2億5000万円、(株)京都ぽてとの塔が約6000万円、2社合計で約3億1000万円の見込み。