簡易再生手続きでスピード認可

 マレリホールディングス(株)(TDB企業コード:886019459、資本金1億円、埼玉県さいたま市北区日進町2-1917、代表デイヴィッド・ジョン・スランプ氏ほか1名)は、7月19日に東京地裁より再生計画認可決定を受けた。

 本計画に基づく資本再編の主な内容は、マレリの株主であるKKRによる新規出資および既存金融債務の削減になる。 

 当社は、2016年(平成28年)10月に設立。マレリ(株)(TDB企業コード:985682005、資本金4億円、同所、代表藤井司氏、従業員 4700名)などグループ企業を傘下に収める持ち株会社としてグループの戦略機能を担いつつ、金融機関の借入窓口となっていた。
2020年12月期の年売上高は連結ベースで約1兆2665億4000万円を計上していたが、日産自動車の販売不振や新型コロナ感染拡大の影響もあり、約1442億8200万円の最終赤字となっていた。経営統合に要した借入金負担も重く、今年3月1日にグループ会社5社で事業再生ADR手続きを申請していた。
 その後、6月24日開催の債権者会議では再生計画について全26行からの同意を得られなかったことで、反対債権者によってADR不成立となった際の再生スキームに則り、同日付で当社のみが東京地裁へ民事再生法の適用を申請、再生手続き開始決定を受けていた。こうしたなか、再生計画について債権額ベースで5分の3以上の同意が得られたことから、7月7日に簡易再生を申請・開始決定を受けた。
 
 負債額は約1兆1856億2600万円(2020年12月末時点)。エアバッグ大手のタカタ(株)(2017年6月民事再生、負債1兆823億8400万円)を上回り、製造業では過去最大の負債額。なお、債権カットの対象は金融機関のみで、一般債権(商取引債権)は全額保護される見通し。
 
 なお、タカタの場合、民事再生手続きの申請から再生計画案の認可決定まで331日を要したのに対し、マレリホールディングスは簡易再生手続きを取ったことでわずか25日での計画認可となった。