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 『映画ドラえもん』42作目のタイトルが『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』に決定し、2023年3月に公開されることが明らかになった。舞台は、空に浮かぶ、誰もが幸せに暮らせて何もかもが完璧な世界“理想郷(ユートピア)”。監督を、テレビアニメ「ドラえもん」の演出を多く手がけてきた堂山卓見、脚本を「コンフィデンスマンJP」シリーズや2023年大河ドラマ「どうする家康」などの古沢良太が務める。併せて公開された特報には、ドラえもんたちがオリジナルのひみつ道具でタイムワープ機能付きの飛行船“タイムツェッペリン”に乗り込む様子が収められている。

 第1作目が公開された1980年から42作目を迎える『映画ドラえもん』シリーズ。今年3月に公開された『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりおよそ1年越しの公開となったが、初日から3日間で興収4億4,000万円を突破する好スタートを切った。新作では、ドラえもんたちが大昔から多くの冒険家たちが夢見たアトランティスや竜宮城といった夢のようなユートピアを探し求めて、空をかける大冒険へと飛び立つ。

 堂山はテレビアニメ「ドラえもん」で絵コンテ、演出を担当した経験を持つが、映画版の監督を務めるのは初。オファーを受けた時の心境を「映画ドラえもん第一作『のび太の恐竜』が公開されたのは、僕が生まれた1980年のことでした。そんな歴史ある作品に関われるだけでも光栄なことなのに、いきなり監督のお話をいただき、喜びや感激を感じる前にびっくりしたというのが正直なところです」とコメント。

 脚本の古沢も『映画ドラえもん』シリーズ初参加となり、「最初に脚本のお話を頂いたとき、あまりに恐れ多いことでお断りするつもりだった」というが、「藤子・F・不二雄先生は間違いなく、僕に創作者へのあこがれを最初に抱かせてくれた方です。ドラえもんは不世出の天才が遺した偉大な宝であり、それを守り継いできた数多の素晴らしいクリエイターたちの末席に加われるのならこんなに名誉なことはありません」と原作者、作品へのリスペクトを語っている。

 堂山監督、脚本・古沢のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)

監督:堂山卓見

 映画ドラえもん第一作「のび太の恐竜」が公開されたのは、僕が生まれた1980年のことでした。そんな歴史ある作品に関われるだけでも光栄なことなのに、いきなり監督のお話をいただき、喜びや感激を感じる前にびっくりしたというのが正直なところです。今回のお話の舞台は大空です。いつの時代も人は空に憧れを抱いてきました。ドラえもんにはたくさんの「空を自由に」飛べる未来のひみつ道具が出てきますが、いろんな乗り物で世界中の空を飛べるようになった現代でも、一つ一つのひみつ道具に詰まった大きな夢はとても魅力的です。そんなひみつ道具の力も借りながら、数多くの作品で人々を魅了する脚本を書かれている古沢良太さんとともに、映画を観終わった皆様が幸せな気持ちで空を見上げられるような、素敵な作品を作りたいと思います。

脚本:古沢良太

 近所の友達と自転車に乗って、方角を決めてひたすら進み、知らない街で日が沈み、心細くなって迷いながら帰る。そんな遊びをよくしていた。たしか「冒険」と呼んでいたっけ。最初に脚本のお話を頂いたとき、あまりに恐れ多いことでお断りするつもりでしたが、脳裏によみがえって仕方なかったのが、そんな少年の風景の数々でした。それらは、大魔境、海底鬼岩城、魔界大冒険といった名作の数々にわくわくどきどきし、のび太たちの冒険への羨望から来たものだったに違いありません。藤子・F・不二雄先生は間違いなく、僕に創作者へのあこがれを最初に抱かせてくれた方です。ドラえもんは不世出の天才が遺した偉大な宝であり、それを守り継いできた数多の素晴らしいクリエイターたちの末席に加われるのならこんなに名誉なことはありません。また冒険に出ようと決め、あの頃の僕らと、今の子供たちのために一生懸命書きました。皆さんものび太やドラえもんたちと一緒に、大空の大冒険に出て、わくわくどきどきしてもらえたらうれしいです。