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つみたてNISAとは、積立投資による資産形成を目指す人のための制度だ。つみたてNISA口座での取引は、運用益にかかる所得税や住民税が非課税になる。少額から始められるため、投資初心者でも取り組みやすい。
とはいえ、具体的にいくら積み立てれば良いかわからないということもあるだろう。そこで今回は、積立額を検討する際のポイントや考え方について解説していこう。積立額に悩んでいる人は参考にしてほしい。

つみたてNISAの積立額のルール

つみたてNISAの積立額には、2つの制限がある。ひとつが、証券会社ごとのルールだ。1日100円や月1,000円など、証券会社によって積立できる最低額が決まっている。まずは、NISA口座を開設している証券会社の規定を確認してみよう。

もうひとつは、つみたてNISA全体に共通するルールだ。どこの証券会社で積み立てたとしても、上限は年間40万円(1ヵ月あたり3万3,333円)となっている。これを超えて積み立てることはできない。
つまり、つみたてNISAの1ヵ月あたりの積立額は、証券会社ごとの最低額~3万3,333円のあいだということになる。

積立額を決める4つのポイント

つみたてNISAの積立額を考える上で、意識しておきたいポイントが4つある。それぞれのポイントについて、現状や自分の考え方をあらためて見つめ直してみよう。そうすれば、自然と適切な積立額が見えてくるはずだ。

1 いくら貯めたいか
つみたてNISAは、資産形成のための制度だ。目標額がはっきりしているのであれば、その目標を叶えるのに必要な金額を積み立てていけば良い。

つみたてNISAでは、最長20年まで積立をすることができる。20年後にいくら貯めたいかを考えてみよう。金融庁のウェブサイトで、「資産運用シミュレーション」ができるので、目標の金額を貯めるための積立額を算出してみよう。

<つみたてNISAの資産運用シミュレーション例>
20年後までに、1,000万円貯めたい。
この場合、年利5%で運用できると仮定すると、月々の積立額は「2万4,329円」となる。月々2万5,000円程度の積立を検討してみよう。

2 余裕資金の額
つみたてNISAは、あくまでも余裕資金で行うのが基本だ。日々の生活を切り詰めて無理に高額の積立をする必要はない。
そもそも、つみたてNISAは、長期・積立・分散をすべて満たす投資を想定して作られている。短期的な売買に利用するには適していないといえるだろう。「お金が足りない」というときに気軽に取り崩していては、メリットを十分に得られないどころか、損をしてしまう可能性もある。

例えば、現在の手取りが25万円程度で、月々の生活費が20万~27万円程度という人の場合で考えてみよう。生活費が20万円だった月は5万円の余裕があるが、生活費が27万円になった月は毎月の手取りだけでは赤字になってしまう。これでは、毎月5万の余裕があるとはいえず、赤字になってしまうときのための貯蓄も検討する必要がある。普段の生活費や臨時出費の内訳を確認して、余裕資金の額を考えてみよう。

3 投資と貯蓄のバランス
つみたてNISAは投資であるから、元本は保証されない。自分自身がどのくらいリスクを取れるのかを考えた上で積立額を決める必要があるだろう。

例えば、月々の余裕資金が3万円ある人がいたとする。「リスクを極力取りたくなく、投資よりも元本保証の預貯金のほうが安心」というのであれば、つみたてNISAに回す資金は少な目にしておいたほうがいい。1,000円や5,000円など、価値が目減りしてもそれほどダメージを被らない金額を検討しよう。
一方、「積極的に運用したい」というのであれば、3万円すべてをつみたてNISAで運用することもできる。ただし、現在貯蓄がほとんどないという人は、全額をつみたてNISAに回すのは控えよう。

4 現在の貯蓄額
つみたてNISAは、急な家電の故障や旅行といった大型支出や病気などに対応できるだけの貯蓄を確保した上で行おう。
つみたてNISAで購入できる投資信託やETFは、金融情勢に応じて価値が変動する。そのため、お金が必要になったときに慌てて換金しようとすると損をする可能性があるのだ。また、つみたてNISAは、現金化までに数日程度時間がかかる。その場で即現金化することはできないため、急ぎの支出には対応できない。

「貯蓄額が少ないが、すぐにでもつみたてNISAを始めたい」というときは、まずは少額から始めて、ある程度貯蓄ができてからの増額をおすすめする。

 

積立額を決められないときは?

自分に合った積立額が決められないときは、「無理なく出せる金額」を重視して考えてみよう。
例えば、毎朝コンビニで100円のコーヒーを買っている人が家からコーヒーを持っていくようにすれば、1日100円、無理なく浮かせることができるだろう。証券会社の中には、毎日100円ずつつみたてNISAでの積立ができるところもある。土日祝日やファンドの休日には積立が行われないため、平日のコーヒー代とほぼ同額を投資に回せるというわけだ。

「毎日100円は厳しい」というのであれば、1ヵ月1,000円や500円ではどうだろうか。そのくらいなら、気軽な気持ちで積み立てられるという人が多いだろう。まずは不安なく出せる金額から始めて、様子を見ながら増やしていくのもひとつの方法だ。

反対に、余裕資金が豊富にあるという人は、非課税メリットを最大限受けられる上限までの積立を検討しよう。ボーナス払いを併用したり、積立額を細かく調整したりすれば、年に40万円の枠を満額使い切ることができる。
特に、現在NISA口座以外の特定口座や一般口座で運用を行っている人が非課税枠を使わないのは、非常にもったいない。せっかく非課税で運用できる制度があるのだから、積極的に活用しよう。

 

積立額は何度でも変えられる

つみたてNISAの積立額は、何度でも制限なく変更が可能だ。また、積立自体をストップすることもできる。

積立投資は、あまり頻繁に積立額や商品を変えずに長期的に継続するのが基本だが、生活環境や経済状況が変わったときは見直しが必要になるだろう。つみたてNISAは、いくらから積立をスタートしたとしても、金額や投資先は何度でも変更できる。積立額について、それほど深刻に悩む必要はないため、まずは積立をスタートさせてみるのがいいだろう。

 

つみたてNISAで気軽な投資を始めよう

つみたてNISAの積立額は、状況に応じて見直しができる。口座維持手数料などもかからないため、気軽に始めやすいといえるだろう。
積立投資での資産形成は、早く始めるほど複利効果を得やすく、メリットが大きい。無理のない範囲で、将来のための資産形成を始めてみてはいかがだろうか。

 

※この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています。