【東京狭山茶】の中でも最高級品「手もみ茶」飲んでみた!ほぼ無色なのに旨味がすごくて、まるで濃厚出汁⁉
日本三大銘茶のひとつ、狭山茶。埼玉県はもちろん東京都の多摩地区にかけても広く栽培されています。そんな狭山茶の中でも、出回る量がごくわずかで、全国的にみても希少価値の高いお茶「手もみ茶」をご存じですか?職人が6時間立ちっぱなしで手揉みして、ようやく出来上がるその味は、出汁に匹敵する旨味とか。お茶農家で、幻の高級茶をいただきつつ、おいしいお茶の淹れ方も教わってきましたよ~!
【堂上蜂屋柿】1個2,000円の超高級干し柿食べてみた!感無量の”和スイーツ”体験レポ!
今回教えてくれたのは、東京都西多摩郡瑞穂町で狭山茶の製造販売をしている森藤園の森田藤紀さん。狭山茶と言えば、埼玉県産だと思っていましたが、東京都でも狭山茶が栽培されているんです!
「狭山茶は、埼玉県西部から瑞穂町を筆頭とした東京都多摩地区を含む”狭山丘陵地域”で栽培されるお茶を指します。東京都産のものは東京狭山茶とも呼ばれていますよ」(森田さん)
『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』と唄われる茶摘み歌にあるように、狭山茶の特徴は何といってもその深い味わい。山際で寒さが激しく、内陸にあるため乾燥した風が吹き込みますが、そのおかげで厚みのある柔らかい葉が育ちます。
「狭山茶の収穫は、5月初旬と6月中旬で、一番茶、二番茶と、摘み取る時期で味わいが変わります。冬を越して最初に出てきた芽を摘んだ一番茶、いわゆる『新茶』は若葉のみずみずしい風味が特徴で、中でも限られた茶葉で作る手もみ茶は絶品です!」(森田さん)
茶製造の原点「手もみ茶」
収穫したらそのまま出荷できる野菜などとは異なり、茶葉は収穫次第すぐに加工が必要です。そのため、農家ごとに製茶用の機械を所有することが多く、森田さんも収穫した茶葉を自分たちで加工します。
「煎茶は、新鮮さが求められるため時間との勝負。収穫後、すぐに蒸して、揉んで、乾燥させて製茶します。それぞれの作業が機械化され、収穫した数時間後には、1次製品の荒茶になるんですよ。ただし、『手もみ茶』は例外で、摘み取りから乾燥まで、機械をいっさい使わずに造ります」と森田さん。
荒茶とは、仕上げ加工前の茎や粉などが入り混じった状態のお茶のこと。生葉を荒茶に加工することで一時保存が可能になります。
手もみ茶は機械が誕生する何百年も前から伝わる方法で作られた煎茶のこと。すべて手作業で造られる高級茶です。
「手もみ茶は、若葉を手摘みして蒸したあと、ホイロと呼ばれる和紙張りの作業台の上で手を使い、ひたすら揉み続けます。6時間くらい立ちっぱなしの作業になりますが、機械製茶とは違い、手で揉むことでお茶本来の香りを残すことができ、格別な香味を持った最高級のお茶に仕上がるんです」(森田さん)
手もみ茶の茶葉を見てみると、大きくしっかりしていて立派。見た目でも一般的な煎茶と違うのがわかりますが、気になるのがその味です。
「手もみ茶は、ゴクゴクと大量に飲むものではありません。と言うよりも、旨味が強すぎて、大量に飲めないと思います。丁寧に淹れて、少しずつ味わって飲むのがおすすめですよ」(森田さん)
最高級なものだと3gで5000円するという手もみ茶。今回は、森田さんが造った手もみ茶を淹れてもらいました!
お茶なのにお茶じゃないみたい…「手もみ茶」の淹れ方
用意するもの(2人分)
しぼり出し急須(なければ一般的な急須でOK)
小さめの湯飲み3つ
お湯…60ml
茶葉…6g
※使用するお湯は軟水のミネラルウォーターが理想。水道水を使用する場合は、よく沸騰させてカルキ抜きしましょう。
淹れ方
1. 使用する2つの湯飲みの8分目まで湯を注ぎ、湯量を計り、残った茶碗を使って、湯を移し替える。
湯飲みが変わるごとに、約5℃~10℃下がるので、適温の50~60℃になるまで繰り返し行います。
「この手順には、湯の温度調整と湯の計量のほかに、茶器を温めるという意味もあります」(森田さん)
2.急須に茶葉を入れ、冷ましたお湯をゆっくりと注ぐ。
3.急須にフタをして90秒待つ。
4.2つの茶碗へ交互にゆっくりと注ぎ入れ、最後の一滴まで絞り出せば完成。
「手もみ茶はまず低温で淹れ、徐々にお湯の温度を上げていくと味わいに変化が出てきて煎を重ねて楽しめます。わずかな茶葉ですが魅力たっぷりですよ!」(森田さん)
色は薄く、これがお茶?と思うような見た目ですが…ひと口飲むとその味に驚き、スゴイ! と思わず声をあげてしまいました。手もみ茶はお茶を超えた、別の飲み物のようにも感じます。
ゴクゴクと飲んでしまうにはあまりにもったいない! 少しずつチビチビとその旨味を楽しむのがよさそうです。
淹れ終わった茶葉にも注目! お湯によって息を吹き返したかのような、大きな茶葉です。
「出汁みたいな味ですよね(笑)。手もみ茶の味は、大量の風を送れて力任せにも揉むことができる機械製茶では残しづらく、五感を活用して人が揉むことで残せる香味でもあります」(森田さん)
森田さんが作る手もみ茶は、数量限定で販売されます。
毎年楽しみにしている方も多いという手もみ茶。お茶の世界が広がる深い味わいをぜひ堪能してくださいね。
お茶豆知識:緑茶、紅茶、ウーロン茶は実は同じ葉から造られている!
実は緑茶も紅茶も、そしてウーロン茶までもが、「チャノキ」というツバキ科の植物の葉から作られるのだそう。でもその見た目や味わい、香りもすべて違うのはなぜでしょうか?
「チャノキの品種の違いもありますが、大きな理由は酸化の度合いです。茶葉は摘んだあとそのままにしておくと酸化(発酵)が始まります。緑茶は収穫してすぐに蒸すことで酸化が止まり、鮮やかな緑色が保たれるんです」(森田さん)
左から緑茶、ほうじ茶、紅茶の茶葉。すべて同じチャノキから収穫した茶葉で作っています。
ウーロン茶は茶葉の酸化途中に加熱し酸化を止めることで、紅茶は茶葉をしっかりと酸化させることで、黒色の茶葉になります。ほうじ茶は、緑茶と同じ過程で作られますが、高温で焙煎するので、茶色なんだそう。
「収穫してからの過程によって、同じ木から収穫した茶葉でも風味が全く異なります。お茶っておもしろいですよね」(森田さん)
何百年、何千年も前から親しまれているお茶。その奥深~い世界を知ることが出来ました!
【堂上蜂屋柿】1個2,000円の超高級干し柿食べてみた!感無量の”和スイーツ”体験レポ!
今回教えてくれたのは、東京都西多摩郡瑞穂町で狭山茶の製造販売をしている森藤園の森田藤紀さん。狭山茶と言えば、埼玉県産だと思っていましたが、東京都でも狭山茶が栽培されているんです!
「狭山茶は、埼玉県西部から瑞穂町を筆頭とした東京都多摩地区を含む”狭山丘陵地域”で栽培されるお茶を指します。東京都産のものは東京狭山茶とも呼ばれていますよ」(森田さん)
『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』と唄われる茶摘み歌にあるように、狭山茶の特徴は何といってもその深い味わい。山際で寒さが激しく、内陸にあるため乾燥した風が吹き込みますが、そのおかげで厚みのある柔らかい葉が育ちます。
「狭山茶の収穫は、5月初旬と6月中旬で、一番茶、二番茶と、摘み取る時期で味わいが変わります。冬を越して最初に出てきた芽を摘んだ一番茶、いわゆる『新茶』は若葉のみずみずしい風味が特徴で、中でも限られた茶葉で作る手もみ茶は絶品です!」(森田さん)
茶製造の原点「手もみ茶」
収穫したらそのまま出荷できる野菜などとは異なり、茶葉は収穫次第すぐに加工が必要です。そのため、農家ごとに製茶用の機械を所有することが多く、森田さんも収穫した茶葉を自分たちで加工します。
「煎茶は、新鮮さが求められるため時間との勝負。収穫後、すぐに蒸して、揉んで、乾燥させて製茶します。それぞれの作業が機械化され、収穫した数時間後には、1次製品の荒茶になるんですよ。ただし、『手もみ茶』は例外で、摘み取りから乾燥まで、機械をいっさい使わずに造ります」と森田さん。
荒茶とは、仕上げ加工前の茎や粉などが入り混じった状態のお茶のこと。生葉を荒茶に加工することで一時保存が可能になります。
手もみ茶は機械が誕生する何百年も前から伝わる方法で作られた煎茶のこと。すべて手作業で造られる高級茶です。
「手もみ茶は、若葉を手摘みして蒸したあと、ホイロと呼ばれる和紙張りの作業台の上で手を使い、ひたすら揉み続けます。6時間くらい立ちっぱなしの作業になりますが、機械製茶とは違い、手で揉むことでお茶本来の香りを残すことができ、格別な香味を持った最高級のお茶に仕上がるんです」(森田さん)
手もみ茶の茶葉を見てみると、大きくしっかりしていて立派。見た目でも一般的な煎茶と違うのがわかりますが、気になるのがその味です。
「手もみ茶は、ゴクゴクと大量に飲むものではありません。と言うよりも、旨味が強すぎて、大量に飲めないと思います。丁寧に淹れて、少しずつ味わって飲むのがおすすめですよ」(森田さん)
最高級なものだと3gで5000円するという手もみ茶。今回は、森田さんが造った手もみ茶を淹れてもらいました!
お茶なのにお茶じゃないみたい…「手もみ茶」の淹れ方
用意するもの(2人分)
しぼり出し急須(なければ一般的な急須でOK)
小さめの湯飲み3つ
お湯…60ml
茶葉…6g
※使用するお湯は軟水のミネラルウォーターが理想。水道水を使用する場合は、よく沸騰させてカルキ抜きしましょう。
淹れ方
1. 使用する2つの湯飲みの8分目まで湯を注ぎ、湯量を計り、残った茶碗を使って、湯を移し替える。
湯飲みが変わるごとに、約5℃~10℃下がるので、適温の50~60℃になるまで繰り返し行います。
「この手順には、湯の温度調整と湯の計量のほかに、茶器を温めるという意味もあります」(森田さん)
2.急須に茶葉を入れ、冷ましたお湯をゆっくりと注ぐ。
3.急須にフタをして90秒待つ。
4.2つの茶碗へ交互にゆっくりと注ぎ入れ、最後の一滴まで絞り出せば完成。
「手もみ茶はまず低温で淹れ、徐々にお湯の温度を上げていくと味わいに変化が出てきて煎を重ねて楽しめます。わずかな茶葉ですが魅力たっぷりですよ!」(森田さん)
色は薄く、これがお茶?と思うような見た目ですが…ひと口飲むとその味に驚き、スゴイ! と思わず声をあげてしまいました。手もみ茶はお茶を超えた、別の飲み物のようにも感じます。
ゴクゴクと飲んでしまうにはあまりにもったいない! 少しずつチビチビとその旨味を楽しむのがよさそうです。
淹れ終わった茶葉にも注目! お湯によって息を吹き返したかのような、大きな茶葉です。
「出汁みたいな味ですよね(笑)。手もみ茶の味は、大量の風を送れて力任せにも揉むことができる機械製茶では残しづらく、五感を活用して人が揉むことで残せる香味でもあります」(森田さん)
森田さんが作る手もみ茶は、数量限定で販売されます。
毎年楽しみにしている方も多いという手もみ茶。お茶の世界が広がる深い味わいをぜひ堪能してくださいね。
お茶豆知識:緑茶、紅茶、ウーロン茶は実は同じ葉から造られている!
実は緑茶も紅茶も、そしてウーロン茶までもが、「チャノキ」というツバキ科の植物の葉から作られるのだそう。でもその見た目や味わい、香りもすべて違うのはなぜでしょうか?
「チャノキの品種の違いもありますが、大きな理由は酸化の度合いです。茶葉は摘んだあとそのままにしておくと酸化(発酵)が始まります。緑茶は収穫してすぐに蒸すことで酸化が止まり、鮮やかな緑色が保たれるんです」(森田さん)
左から緑茶、ほうじ茶、紅茶の茶葉。すべて同じチャノキから収穫した茶葉で作っています。
ウーロン茶は茶葉の酸化途中に加熱し酸化を止めることで、紅茶は茶葉をしっかりと酸化させることで、黒色の茶葉になります。ほうじ茶は、緑茶と同じ過程で作られますが、高温で焙煎するので、茶色なんだそう。
「収穫してからの過程によって、同じ木から収穫した茶葉でも風味が全く異なります。お茶っておもしろいですよね」(森田さん)
何百年、何千年も前から親しまれているお茶。その奥深~い世界を知ることが出来ました!
森藤園
森田藤紀さん
静岡県で2年間茶生産の基本を学び、東京都西多摩郡瑞穂町で両親とともに日本三大銘茶のひとつ「狭山茶」の製造直売をしている。栽培品種は「やぶ北」「きらり31」「さえあかり」など全11品種。森藤園のお茶は敷地内にある販売所のほか、オンラインショップでも購入できる。
森藤園ホームページ:https://morifujien-mizuho.tokyo/
森藤園オンラインショップ:https://morifujien.theshop.jp/