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福島・栃木・群馬・新潟の4県にまたがる自然豊かな尾瀬国立公園内で、NHKの撮影スタッフと思われる人物が「只今NHKの番組の撮影中です。10分少々お待ちください」などと書かれたボードを持って、ハイキングしている人々を足止めしていたとする画像がツイッターで投稿され、話題となっている。

投稿によると、尾瀬ヶ原の木道をハイキング中、先を歩いていた人たちが足止めされ渋滞している状況に遭遇。その理由について、「この先でロケ中だからしばらく待ってくれと」と記している。

投稿画像では、「只今NHKの番組の撮影中です。10分少々お待ちください。お騒がせして申し訳ありませんがご協力の程宜しくお願い致します」と書かれたボードを持って木道の中央に立つ人物が、ハイキングをしている人々にこの先に今は進まないようお願いしているらしき様子が写されている。

尾瀬の木道は、人による湿原への踏み込みを防ぎ、自然を守るために整備されている。木道の中央で進路を塞がれた状態だと、木道から外れずに先に進むことが難しくなる。渋滞している状況になったのもそのためだと思われる。

投稿者は、別のツイートで、「先頭の方々は撮影班に問い詰めてるし、後ろからは、「私たちバスの時間があるんです。早く通してくださいと怒声」と投稿。現場は騒然とした状況になっていたようだ。

●通行止めして撮影か?管理者側「事前の連絡なかった」

尾瀬国立公園の管理者は、今回の撮影およびその方法について承知していたのか。

同公園を管理する関東地方環境事務所は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「NHKから事前に6月8日の撮影に関する連絡はあった」と回答。

撮影時の一般的な注意点のほか、「ドローンの撮影がメイン」と聞いたため、ドローンを飛ばす際の注意点などは指導していたが、木道を通行止めにするような態様での撮影については「まったく把握していなかった」という。

同事務所としては、撮影は「一般の通行の妨げにならないもの」であることが前提だったとしており、もし木道を通行止めにするような態様での撮影を予定している場合には「事前に伝えていただきたい」と話した。なお、今回の件に起因するトラブルなどは把握していないという。

NHKの見解

NHK広報局は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「6月19日(日)BSプレミアムで放送予定の初夏の尾瀬をテーマにした番組に向けた撮影で、必要な許可を得て行っていました。ただ、スペースに限りがあることから、安全などに配慮し、訪れた方々にご協力を求めることがありました。不快に思われた方々の声を受け止め、今後の番組づくりにいかして参ります」と回答した。

(6月10日20時05分、NHKの回答を追記しました)