総理指名で「枝野氏へ投票を」立民が野党各党に要請 国民党は拒否 - BLOGOS編集部

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※この記事は2021年09月30日にBLOGOSで公開されたものです

29日に行われた自民党総裁選挙で岸田文雄氏が勝利し、次期首相が実質決まったことを受けて、野党各党の動きが活発になっている。

翌30日には野党第一党の立憲民主党の呼びかけで午前中には立民党とそれぞれ国民党、社民党の間で、午後には立民党とそれぞれ共産党、れいわ新選組との間で党首会談が行われるなど、今後の連携について話し合いが行われた。

「枝野氏に投票」共産・社民・れいわが応じ、国民は拒否

会談では立民党・枝野幸男代表側から、来月4日に臨時国会で行われる首班指名選挙(国会で内閣総理大臣を指名するための選挙)において枝野氏に投票をするよう各党へ要請があった。共産党、社民党、れいわ新選組はこれに応じる考えを示したが、国民党は拒否し、野党結集の難しさが浮き彫りになった。

共産・志位和夫委員長は30日、枝野氏との党首会談後に会見を開き、次期総選挙で自公政権打倒を目指した候補者一本化などの協力や、政権獲得時の連携について確認。政権内で共産党は、「合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする」ことなどで合意した。また、立民党側から臨時国会での首班指名において枝野氏に投票するよう要請されたことを受けて、「こういう方向になった以上、当然枝野代表に投票すると答えた」と明かした。

れいわ・山本太郎代表も「消費税5%に減税するには、野党側のトップが総理大臣になる必要がある」として、枝野氏に投票する考えを示した。

社民・福島みずほ党首も枝野氏への投票に同意したが、同じく午前中に会談の席に着いた国民・玉木雄一郎代表は拒否する意向を伝えた。

玉木氏は前日の29日、首班指名について「立民とは会派が別」「衆院選を前に党としてアピールする必要がある」と語っていた。岸田新総裁に対しては、コロナ対策やそれに伴う経済対策については選挙の前にも法案や補正予算の編成を進めるべきだとし、「我々も協力しますから、必要だと思うことを速やかに実行に移していただきたい」と呼びかけた。

一方、維新・松井一郎代表は取材陣に対し、新政府に対するスタンスについて、「政権に対して何でも反対の野党ではない」とする一方、「度量の狭いことがあれば、それは表でどんどん言う」として、是々非々で対応すると語った。

岸田新総裁誕生への各党党首のコメント

立憲民主党・枝野幸男代表
「自民党は変わらない、変われないというふうに受け止めていますが、そうでないんだとしたら、何をどう安倍菅政権と違うのか、変わるのか。抽象的な言葉はおっしゃっていますが、具体的に何をするのか私の知る限り総裁選でお示しになってこられていません」

共産党・志位和夫委員長
「岸田文雄氏は9年間に及ぶ、安倍・菅政権において重要閣僚としてまた党の中枢であってこの政権を支えてきました。特に2015年の安倍政権による集団的自衛権行使を可能にする憲法違反の安保法制強行の際には外務大臣として、立憲主義の破壊に重大な責任を負っています」

国民民主党・玉木雄一郎代表
「非常に派閥の力学が反映された結果だったのかな、もっと言うと、安倍元総理の影響が強く表れた選挙だったのではないかなと思います」

日本維新の会・松井一郎代表
「河野さんは永田町では人気ないってことだよね。あの結果を見れば。ただ永田町の常識は世間の非常識ですから、結局党内の権力争いの中で旧態依然とした体質をさらけ出したということなんじゃないかなと思います。党員のみなさんの方が世間の考えと近かったのかなと思いますけどね」

社民党・福島みずほ党首
「命を大事にしない自民党政治は変わらない。ジェンダー平等を進めない自民党は変わらない。人の声を聞かない自民党は変わらない。疑惑について説明しない自民党は変わらない」