※この記事は2011年03月01日にBLOGOSで公開されたものです


革新都政をつくる会から、無所属で都知事選に出馬を表明した、共産党前参院議員小池晃氏の記者会見が、自由報道協会の主催で原宿・ニコニコ本社にて開催された。

小池氏は「３期１２年続いた石原都政を変えて行きたい」とし、石原都政で福祉や教育予算を削った事を批判、"新しい福祉都市"を目指すと語った。具体的には、都営住宅を年間２０００戸建設、特別養護老人ホームの定員拡大、保育所の充実や、中小企業支援強化などに２５００億を投じる考えだ。

新銀行東京については破たん処理をし、撤退。築地市場の豊洲移転には白紙撤回を表明した。


―都の管理教育についてどう考えているか

日の丸、君が代の強制は東京は行き過ぎている。内心の自由は教師にも生徒にも保障されるのが憲法の精神。今までの管理統制体制は全部見直す必要がある。

―ハウジングプア（住まいの貧困層）対策は？

石原都政は新規の都営住宅の建設をストップした。これによって都営住宅住民が高齢化し、限界集落化してしまっている。都民住宅の新設と家賃補助制度の２本柱で、東京に住み続けられるようにしたい。

―東京都青少年健全育成条例改正についての考え方は？

表現の自由の点で、非常に問題があると思っている。創作活動を萎縮させる。"過大に誇張し賛美する"というが、マンガというのはある意味、誇張するのが特性でもあるので、あいまいな恣意的解釈が可能な条文で規制していくのは問題。業界団体の自主規制もあり、改正前の条例もあるので、その範囲内で（規制は）十分だと考えている。都知事として、改正案は廃止する。

―都庁記者クラブ、そして記者会見のありかたについて

記者クラブ制度については廃止すべきだと思っている。諸手続きもあるので、すぐにとはいかないが、私が都知事になったら、全ての会見はオープンにします。

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―東京マラソン、オリンピック招致について

東京マラソンは継続していきたい。評価できる取り組み。オリンピック誘致は反対。今、オリンピック準備積立金が４０００億円ある。財政の優先順位として、雇用・福祉・暮らしに使って行きたい。

―大阪、愛知との連携を考えているか？

国にものを言うというところは同じだが、主張している中身が違う。石原方式での行政・巨大開発をやっている。住民向けサービスも後退している。名古屋の減税も、一律定率減税なので、庶民より大企業が恩恵を得る。私とは全く方向が違う。

―記者クラブ制度の廃止というのは、新聞・TVから敵視されると思いますが、
そうした中、ネットメディアをどう活用していくのか？

新聞・テレビにとってもいいこと。マスメディアを凌駕して、ネットメディアが広がっている。情報もネットのほうが早い。心あるマスメディアの人はネットを取り込まないと潰れて行くと気づいていると思うし、それぞれの長所を生かすべきだと思う。いろんな抵抗があると思うが、乗り越えて行かねばならない。


共産党きっての論客と言われる小池氏、２期１２年の国政経験もあり、明確で芯の通った質疑応答だった。今日は神奈川県知事の松沢成文氏も都知事選への出馬を表明し、ワタミグループ創業者の渡邉美樹氏と３名が都知事に名乗りを上げている。

一般会計６兆円を超える日本の首都・東京の新しいリーダーを決める都知事選の投開票日は４月１０日。各候補の動きから目が離せない。