※この記事は2011年01月14日にBLOGOSで公開されたものです

14日夕、首相官邸で記者会見を開いた菅首相は今後の課題として、
「安心できる社会保障を持続可能にする財源をいかにしていくかの議論を国民的議論に高めたい」と語った。そのために「安心社会実現会議」の中心メンバーだった、与謝野氏を閣僚に招いたと説明。

前回の選挙で唐突に消費税増税を口にして、大混乱を招いた菅首相、その反省なのか、「消費税」という単語を極力避ける答弁をする。
「消費税の増税を議論する」→「持続可能な財源のあり方を議論する」と言い換えた。春に地方選を控えており、民主党の劣勢、地方の苦戦は昨日の党大会でも沢山報告されているのもあって、「消費税」という言葉から逃げたのであろう。

記者から「消費税を上げるときは解散して民意を問うと言ってたじゃないですか！」と質問されると、語気を強めて、「そういう解釈はやめてほしい！社会保障を持続可能にするための方法を議論するんだ、消費税うんぬんじゃない」と怒りをあらわに。

申し訳ないが「詭弁」以外の表現が思いつかなかった。

会見で菅首相が何度も口にしていた「高齢化、年齢構成の変化に対応した政策が重要、消費税の国税分で、今の社会保障制度はまかないきれない、社会保障費は増えていく一方だ」それは分かる。かといって、与謝野氏という社会保障制度のスペシャリストを責任者にして、「与謝野大臣が消費税を上げないと無理だと言うから増税します。野党とも調整できました」というストーリーを作ればいいというものではない。（作るんだろうけれども）

「高福祉・高負担」「中福祉・中負担」「低福祉・低負担」さあ、どれがいいか国民全員で考えてください！その責任者が与謝野大臣！という内閣改造だそうだ。はっきりと「消費税をどうするか決めます！」と言えないものだろうか。

消費税増税の議論自体が悪いわけではない。BLOGOSでも今後消費税への意見はどんどん取り上げて行く。ユーザーの皆様も「国民的議論」に是非参加していただきたい。

ちなみに、菅首相は「デフレの正体-経済は「人口の波」で動く／藻谷浩介著」という本が参考になったと語っていた。