「板橋駅」が2つの再開発で進化中! 駅前整備でタワーマンションが続々誕生予定
JR埼京線板橋駅は、500メートル圏に東武東上線下板橋駅、都営三田線新板橋駅がある、3駅3線可能という交通利便性の高い場所です。その板橋駅前西口で2つの再開発が計画されています。どんな計画なのかを見ていきましょう。
3駅3線利用可能な便利な板橋駅
JR埼京線板橋駅は1885年に日本鉄道の駅として開業した歴史のある駅。1985年からは埼京線の運行が開始されています。
このあたりは江戸時代に中山道有数の宿場町として栄えた板橋宿のあったエリア。板橋宿は上宿、仲宿、平尾宿という3つの宿場の総称で、板橋駅付近は平尾宿といわれていました。当時から交通の要衝だったわけです。
JR埼京線で都心へ、日本全国へ
JR板橋駅自体が池袋駅から1駅(約3分)、赤羽駅からも2駅(約5分)と便利な駅に挟まれているうえに、駅から歩いて500メートルほどの場所に東武東上線下板橋駅、都営三田線新板橋駅があり、3駅3線が利用できます。駅としての認知度はそれほど高くはないものの、実は交通利便性は非常に高い街なのです。
たとえばJR埼京線を利用すれば池袋駅(約3分)、新宿駅(約9分)、渋谷駅(約15分)、恵比寿駅(約17分)などにダイレクトアクセスなのはもちろん、りんかい線と繋がっているので大井町駅、国際展示場駅や新木場駅に行くのも便利です。
また、JR大宮駅からは東北、山形、秋田、北海道、上越、北陸の各新幹線が利用できますから、埼京線1本だけでも交通利便性はかなりのものです。
都営三田線からの乗り換え路線も多数
加えて都営三田線は神保町駅、大手町駅、日比谷駅、内幸町駅などの都心部に直結の路線です。さらに巣鴨駅でJR山手線、春日駅で東京メトロ丸ノ内線・南北線、都営大江戸線、水道橋駅でJR中央・総武線(各駅停車)といった具合に、都心部を走る多くの路線と乗り換えられるようになっており、使いやすい路線です。目黒駅からは東急目黒線直通となっていますから、大岡山駅で東急大井町線、田園調布駅で東急東横線に乗り換えれば、横浜方面へもスムーズにアクセスできます。
東武東上線は都心にはアクセスしていませんが、沿線には商店街が充実している大山駅や散策が楽しい古都・川越駅、自然と親しめる景勝地・武蔵嵐山駅などがあり、生活、休日を豊かにしてくれます。
それに、複数路線が使えると、もし、どこかの路線で事故があっても他路線が使えますから、帰れなくなる、出かけられなくなる心配が少なく、安心です。
口コミにも利便性を評価する声が多数
実際、TownUで板橋の口コミを検索してみると、交通を中心に利便性を挙げる声が多数出てきます。いくつかご紹介しましょう。
埼京線一本で、池袋駅、新宿駅、恵比寿駅、大崎駅、その先のりんかい線まで行けるのがとてもべんりだと思う。駅前が少し綺麗になった。駅ナカにスポーツ施設が開設し、利用出来るようになった(45歳女性 2020年時点)
交通アクセスの良さ 日比谷-有楽町、銀座、大手町まで30分 銀座線を除きメトロに直結 横浜まで1時間 中山道、国道6号 治安の良さ(62歳男性 2021年時点)
交通の便が非常に良いと思います。どこへ行くにも池袋迄出れば、どこへでもすぐに行けて非常に便利です。ちょっとした買い物であれば、池袋でほとんど用事が事足りてしまうので、楽だと思います。新宿迄も二駅なので、申し分ありません。(53歳男性 2021年時点)
交通の利便性。複数の交通機関それぞれが都心部に20分以内で行ける。中山道沿い。複数の大学病院、他病院が多くある。ショッピング施設が多くある。教育機関も充実している。区役所は一駅、徒歩でも10分以内で行ける。生活環境も比較的穏やかで明るい。(66歳男性 2021年時点)
居住者の声の中にもあるように鉄道だけでなく、車利用時にも首都高速5号線、中山道(国道17号)などが利用できるのが便利なところ。さらに生活の利便性も高い場所であることが分かるでしょう。
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2011年の再開発以来、10余年ぶりの大規模開発
板橋駅は今、交通利便性の高いマンション適地として広く注目されるようになっています。そのきっかけとなったのは駅前にあった約2.0ヘクタールという広大なJR社宅跡地を利用して2011年に誕生した複合開発でした。23区内で駅から徒歩約2分という立地はそうそうあるものではありませんし、敷地内にスーパーや東京都認証保育園を新設した複合開発も話題になりました。
ただ、2011年のその物件以降、板橋駅周辺では目立った開発はなく、現在予定されている2つの再開発は10年以上ぶりの、本当に久しぶりの計画です。しかも、JR埼京線の西側の2ヶ所で計画があり、かつて話題になった物件よりも駅に近いという好条件。2つの再開発が連携しつつ進められていくという計画を順に見ていきましょう。
西口の目の前に38階建てのタワーマンション
まずは板橋駅西口のロータリーに接する約0.6ヘクタールのエリア。このエリアでは戦後、土地区画整理事業が行われたものの、その後、土地が細分化し、現在では小規模な店舗併用住宅が中心の地区となっています。多くの建物では老朽化が目立ち、耐震性に問題を抱えていることもあって、建替えることでより便利で安全、使いやすくしていこうという計画です。
その状況を受けて、2013年には板橋駅西口地区市街地再開発準備組合が発足、2019年には板橋駅西口地区市街地再開発事業に係る都市計画の決定および変更が行われており、現在、準備組合で事業の施行に向けての調査、検討が行われている状況です。
対象となっているのは板橋一丁目16番、18番、19番街区および17番街区の一部で、現在は3つの街区になっているものを、A街区、B街区の2街区に再編するという計画です。そのうち、駅のロータリーに面したA街区には地下2階・地上38階建てのタワーマンションが建設される予定で、高さは約150メートル。住宅のほか、店舗、事務所、公益施設、駐車場などが入るそうです。もう一方のB街区は高さ25メートル、6階建てのビルになる計画で用途は店舗、事務所です。事業協力者としては株式会社大京、西松建設株式会社が決まっています。
板橋駅西口地区再開発準備組合のホームページによれば、2022年1月以降で再開発組合設立の予定となっており、以降、東京都によると既存建物の解体を含む工事を2023年度にスタート、建物の完成は2026年度となるとされています。
板橋口では35階建てのタワーマンションが
もうひとつの板橋駅板橋口地区第一種市街地再開発事業は西口駅前ロータリーの南側に接する約0.4ヘクタールで、ここには地下3階、地上35階の複合施設が建設される計画です。2018年に野村不動産株式会社が事業協力者として選出されており、地下1階~地上4階に商業施設、4階~5階の一部に公益施設、5階から上が住宅となります。
2019年時点では2020年度の本体工事着工、2024年度の完成を目指していましたが、線路際という立地から地下掘削などの工事に充てられる時間に制限があることなど数々の支障があることが判明。計画が遅れており、2021年の時点では2023年度に本体工事に着工、2027年度の完成を目指すとされました。
再開発に合わせて駅前広場を整備
2つの計画は同じ西口駅前ロータリーに接しているため、板橋区ではこれらの開発と同時期に西口広場の再編を予定しています。この広場は約50年前に整備されたもので、施設が老朽化しているとともにバス停が駅から遠い場所にあることや、歩行者の安全性が確保されていない、にぎわい空間が不足しているなどの問題があり、再開発によって広場を拡幅、各種問題を解決しようというのです。
3駅の利用も分かりやすく
また、冒頭で3駅が利用できると説明しましたが、現状ではそれぞれの駅へのルートが分かりにくいという問題もあります。それもまた、再開発で道路を再編することで分かりやすく、使いやすいものにする計画です。
つまり、この2つの再開発計画は単に建物を更新、住宅などを供給するだけに留まらず、板橋駅西口を便利に、使いやすく、今の時代にあったものに変えようというものなのです。これにより、板橋駅周辺の魅力も大きくアップするはずです。
東口には2020年に新たな駅ビル
ちなみに東口側では2020年7月に新たな駅ビルがオープンしています。こちらは駅直結の5階建てで、ベーカリーなどの小売店、歯科医院、認可保育所に上階3フロアにスポーツジムが入っています。駅前の広場も2019年にバリアフリー化されており、東口は一足先に再生されたわけで、残すは西口。今後の進展が気になるところです。