一時は「最終日飛べないんじゃ…」というムードが漂いました。

最終運航日初便でトラブル

　2022年3月31日（木）をもって運航を終了する、映画『STAR WARS（スター・ウォーズ）』に登場するキャラクター「BB-8」を胴体にあしらった、ANA（全日空）の特別塗装機「BB-8 ANA JET（ボーイング777-300ER。JA789A）」。同機の最終運航日はまさに”波乱万丈”の1日となりました。


羽田空港を出発する「BB-8 ANA JET」（2022年3月31日、乗りものニュース編集部撮影）。

「BB-8 ANA JET」は2016年3月にデビューした特別塗装機で、機体に映画「スター・ウォーズ／フォースの覚醒」に登場するキャラクター「BB-8」をデザインしたもの。これまでおもに長距離国際線を担当してきました。

　運航最終日となる31日は当初、「ありがとうBB-8 ANA JETラストフライト」と称し、同機を用いた臨時便を、平時の国際線ではなく、羽田発着の国内線で4便運航予定でした。しかし、第1便のNH1423便（羽田→那覇）出発前、着陸装置の表示系統に不具合が生じたことから、安全を最優先し別機体（通常塗装のボーイング767）に振替を余儀なくすることに。折返し便となるNH1426便も、別機へ変更となっています。

　一時は「BB-8 ANA JET」が、東京発最終便のNH1413便（羽田→新千歳）、そしてその折り返し便、かつ旅客便ラストフライトとなる予定のNH1414便（新千歳→羽田）を担当できるのか――言い換えれば、最終運航日に全く飛べずに終わるのではないか、と心配もされました。しかし、ANAではNH1413便出発前には整備作業を終え、無事にフライトしました。

波乱万丈を経た東京発最終便、ANAが再チャレンジ！

　ANA「BB-8 ANA JET」の運航最終日の第1便であるNH1423便の出発前には、当初とあるサプライズが予定されていました。2022年3月現在「BB-8 ANA JET」を含め計3機ある、ANAの『スター・ウォーズ』塗装機を、駐機場にすべて並べるというものです。

　当該便の出発時、「BB-8 ANA JET」を挟むように、左舷側にボーイング787-9国際線仕様機に同映画のキャラクター「R2-D2」をあしらった「R2-D2 ANA JET（JA873A）」を、右舷側にボーイング777-200国内線仕様機に同映画のキャラクター「C-3PO」をあしらった「C-3PO ANA JET（JA743A）」を配置し、旅客を出迎える用意を進めていましたが、先出の機材トラブルにより、これは実現しませんでした。


羽田空港を出発する「BB-8 ANA JET」（2022年3月31日、乗りものニュース編集部撮影）。

　そのためANAは、東京発ラストフライトのNH1413便で急遽、この試みを再度実施することに。当日お昼前に「BB-8 ANA JET」の隣から別の場所に移動させていた「C-3PO ANA JET」を、再度「BB-8 ANA JET」の右舷側に配置。こちらの便では、3機揃いで同便の搭乗者を出迎えました。東京発最終便となる新千歳行きNH1413便は乗り換え客を待ったこともあって、定刻（16時40分）より1時間と少し遅れた17時56分に出発。同便の乗客は194人とのことです。

　なおANAによると、「BB-8 ANA JET」塗装をまとったボーイング777-300ER「JA789A」における、これまでの総飛行回数は5180回、総飛行時間は約5万4424時間とのことです（データは3月30日までのもの）。