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 以前、東松山市にある『五代目蝦夷』の焼肉丼を紹介したのですが、埼玉のデカ盛り通&山盛りファンの皆様より「五代目に行って、なんで二代目に行ってないの?」とご指摘を受けることに。埼玉でデカ盛りと言ったらまず名前があがるのは二代目。二代目を外して埼玉のデカ盛りは語れないとのこと。

 それなら、行くしかないでしょ二代目に! ということでいざ『二代目蝦夷』へ。場所は埼玉県川越市小堤。東武鉄道鶴ヶ島駅より徒歩約20分、近くには東洋大学の川越キャンパスがあります。ということは、東洋大学の腹ペコ若者たちが食べにくる店? 大学のキャンパスや寮の近くにあるデカ盛り店は外しナシ! 期待がさらに高まります。

店内。奥には小上がりの座敷席もある。カウンターの上にはフードファイターや野球選手など、有名人のサインが飾られている

 そして、この店を代表するデカ盛りメニューといえば、「唐揚げ焼肉丼」。大盛りゴハンの上に焼き肉と唐揚げをガンガンのせた山盛りの丼で、3kg級2400円、5kg級3600円、8kg級4900円。一番小さいボリュームでメニューに載っているのは約1.5kgで1300円。サラッと3kgとか5kgレベルのメニューがあるのに、この店の凄みを感じます。

 ちなみにこれは、『五代目蝦夷』でも注文できる二代目・五代目共通メニュー。ここでしか食べられないメニューかつ、完食できそうなものを探すと、「〇〇乗せチャーハン」を発見! メニューの写真も見るからにデカそうでいい感じです。

メニュー。手書きなのがいい味出しています。〇〇乗せチャーハンは現在4種類。どれも気になる!

 〇〇乗せチャーハン、つまり、チャーハンプラスおかず。現在は、「ギョウザ乗せチャーハン」、「からあげ乗せチャーハン」、「やき肉乗せチャーハン」、「チャーシュー乗せチャーハン」があり、いずれも1050円。値段もとっても良心的。これに「てんこ盛り」+200円を追加することにして、どの〇〇乗せにするか。店で一番人気の唐揚げにするか、ラーメンが美味しいと評判の店だからこそのチャーシューにするか。餃子も焼肉もゴハンが進むこと確実。悩む。

 ぐるぐる考えた結果、「チャーシュー乗せチャーハン」になんとか絞り込んで注文。今考えてみても謎思考に陥ったかも。ただ、せっかくレジェンドな店に来たんだから、選び抜いた一品を味わいたいっ! 果たしてどんなチャーハンなのか、期待して出てくるのを待ちます。

期待を裏切らない「チャーシュー乗せチャーハン(てんこ盛り)」約1.9kg!

「チャーシュー乗せチャーハン」1050円に、てんこ盛り+200円。スープつき。ゆで卵がうずらサイズに見えてくる

 目の前にやってきたのは、大皿に盛り付けられた山盛りチャーハン。チャーシューが花びらみたいできれい~。スープ、おちょこみたいに見えるけれど普通のお椀サイズです。期待を裏切らないサイズ感に感動しつつ、まずは計測です。

 直径34cmの皿に、高さ約9cm、重さは1877g(器の重さを除く)。味噌汁の129gを合わせたらほぼ2kg。これが1250円で食べられるのって素晴らしい。さすが『二代目蝦夷』!

店で作る自家製チャーシューはしっとり、程よい厚み。かかっているネギと油がいいアクセントに

「実は、チャーシューは脂身部分と赤身部分の2種類なんですよ」と話すのは、店主の岡安清純さん。改めて見てみると、脂身のある白とピンクのチャーシューが4枚。そして脂身のないチャーシューが4枚。「チャーハンは、にんじん、ナルト、タマネギ、長ネギ、卵、小口ネギのスタンダードなチャーハンですね。普通盛りだと600gですが、+200円のてんこ盛りにすると、1kg~1.3kgになるんですよ」。って、測ったら1877gだったけれど。このおおらかさがデカ盛り店の良さですね。

 味付けは塩コショウ、醤油。ほんのちょっとしっとり系のチャーハンは思わず「うまいっ」と声に出てしまいます。火力の強いコンロ、鉄のフライパンであおって作るチャーハンは正義! ナルトのムチッとコロコロ感とかいい感じです。ニンジンが多めなのもオレンジ色が映えていい感じ。チャーシューは脂身がある方はやはり、脂身のところの旨みが強く、赤みの方は肉の質感、ギュッとくる美味しさがいいっ。胃袋さえ許してくれれば、ずーっと食べ続けていたい美味しさです。

パラパラとしっとりの間ぐらい。「120%、本気で作っているチャーハンです。全力で愛を伝えています!」(店主)

 そもそも、なぜ大盛りを出すようになったんですか?「18歳の時に子供が産まれて、お金に困ったり苦労した時期があったんですが、悔しかったり悲しかったことがあっても、お腹いっぱいゴハンを食べたら幸せになれたんですね。だから今は恩返しの気持ち。食で何かできないか常に考えています。近くに東洋大学があるんですが、この子たちの笑顔を集められたら、と思って大盛りにしているんですよ」。

 食べにきたお客さんが大盛りで笑顔に、幸せになってもらうことが自分の使命だと語る店主。話題作りやイベントなどではなく、幸せになってもらいたい気持ちの大盛りです。「でもフードファイターの方が来ると、いい意味で負けたくない、という気持ちで作りますよ」。だからお店に、有名フードファイターの色紙がいっぱい貼ってあるんですね。大盛り愛。納得です。

「東京の『炭火やきとり萩』さんや、茨城県の『文福飯店』さんたちと、『デカ盛り戦隊Dレンジャー』を組んでいます。詳しくはSNSをチェック!」(店主のレッドきよちゃんこと岡安清純さん)

 デカ盛りを食べに来る人は、一人はもちろんですが、大学生が数人で食べにきて何品か注文し、シェアすることも多いそうで「テーブルに持っていった際、全員が思わず笑顔になるのを見ていると嬉しいですね」。確かに、チャーハンだけではなく、山盛りの唐揚げとか、植木鉢サイズですかって大きさの器で出てくるラーメンなど、出てきた瞬間、ワクワク感が思わず顔に出ちゃうのかもしれません。

 そして、もし食べ残した場合、「うちは脱プラスチックなので、タッパーを持参していただけるとありがたいです」とのこと。一応容器を1つ10円で買って持ち帰ることも可能ですが、残すかもしれないけれどデカ盛り食べたい! とか、昼は店で食べて残った分を夕食のおかずに、と想定するなら、タッパー持参がおすすめです。いや、おすすめというか、必ず持っていった方がいい! 

 それを聞いて、持ち帰り覚悟で「唐揚げ」(820円)を単品注文。唐揚げは、一個一個がでかい! 衣は薄めで外はカリッと、もちろん中はジューシー。生姜ニンニク醤油がしっかりきいている美味しさです。「すりおろし玉ねぎやパイナップルなどで作る特製ダレに漬け込んでいるんですよ」。そう言われると、どこかフルーティーな感じもする。おそらくですが、唐揚げ一個でゴハン1杯、いける気がします。

 次回来た際は、持ち帰り覚悟で、ロシアン佐藤さん命名「男気唐揚げ山脈定食」(4900円)に挑むか、「二代目蝦夷流まぜそば・男気」(5200円)にするか。巨大タッパー持参で限界まで食べまくりますよ~!

(撮影◎小嶋裕 取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:二代目蝦夷(にだいめえぞ)

住:埼玉県川越市小堤15-152
TEL:049-234-2166
営:11:30~15:00(L.O.) 、18:00~22:00(L.O.21:45)※まん防期間中は~21:00、15:00~18:00はテイクアウト、デリバリー対応
休:月曜