在宅ワークやリモート授業などで、おうち時間が長くなってきています。となると、家でごはんを食べる機会も増えることに。家で食べるごはんや自分がつくる料理がおいしければ、それはとっても幸せなことですよね。今回は、元二つ星レストランのシェフで、チャンネル登録数23万人超の人気YouTuber料理人・城二郎さんの、“おうちごはん”をおいしくするちょっとしたコツと、絶品ハヤシライスのレシピをご紹介します。

元二つ星シェフの、おうちごはんを格上げする簡単テク

フレンチ、ミシュランガイド、シェフ…と聞くと、とってもハードルが高いように思いますが、この本は違います。スーパーに売っている食材で、家にある調理道具で、フツーの主婦の料理テクでつくれるものばかり。

「家庭の料理もプロが作る料理も、おいしくなるポイントはそんなに大きな違いはありません」と城二郎さん。

各レシピごとに、“おいしくなるポイント”を写真つきで説明しています。やり方をただ説明するだけではなく、「なぜそうするとおいしくなるのか?」がちゃんと書いてあるのが特長。納得できるから「面倒だから、飛ばしちゃおう」がなくなり、プロの味が確実に再現できます。

プロが教える「格上げへのアプローチ」

どんな料理をつくるときにも共通する格上げのポイント4つをご紹介。ちょっと意識するだけで、あなたのつくる料理が格段においしくなります。

 

●アプローチ1:塩のタイミングは3回ある

塩をふるのは味つけのときだけではなく、大きく分けて(1)下処理、(2)味つけ、(3)仕上げの微調整の3回のタイミングがあります。とくに大事なのが「(1)の下処理」のタイミング。食材の臭みを消して、「素材感」を引き立たせます。

●アプローチ2:余熱の力を知る

火をつけたまま最後まで食材に火を入れるのではなく、火を止めて「余熱の力」に任せるのがポイント。肉はジューシーに、魚はふっくら仕上げることができます。

 

●アプローチ3:「ものたりない」と感じたら“うま味”を加える

味が薄くてものたりないと感じたら、塩味ではなく“うま味”をプラス。魚を発酵させたしょうゆの「いしり」、カタクチイワシの塩漬けをオリーブオイルに浸したアンチョビ、キノコ類、貝類などうま味成分を多く含む食材を加えると簡単においしさがアップします。

●アプローチ4:料理とは小さな気遣いの連続

魚の骨を取る、トマトの皮を湯むきする、野菜を同じ大きさに切る…など、食べる人のことを考えて、小さな気遣いをすることで料理が格段においしくなります。

大人のハヤシライス

この本にあるレシピを1つご紹介。市販のルウを使わずに、赤ワイン、ケチャップ、ウスターソースでつくる、子どもはもちろん、大人も大満足のハヤシライスです。

【材料(2人分)】

牛こま切れ肉 200g
塩 ひとつまみ
オリーブオイル 小さじ2
タマネギ 1/2個
ニンニク 1個
マッシュルーム 4個
小麦粉 大さじ1
赤ワイン 300ml
ケチャップ 大さじ2
ウスターソース 大さじ1
牛乳 70ml
顆粒コンソメで作っただし汁 150ml
塩・黒コショウ 各少々
温かいご飯 茶碗1杯分

【つくり方】

(1) 牛肉はひと口大に切り塩をふる。タマネギは約1cm幅の細切り、ニンニクはみじん切り、マッシュルームは約5mm厚さにスライスする。

 

(2) フライパンにオリーブオイルを熱し、肉を炒め軽く焼き色がついたらバットに取る。

 

<ココが格上げ!>

肉に火が入り過ぎると硬くなるので、いったんバットに取り出す。

(3) 同じフライパンにオリーブオイル(分量外)を足し、タマネギ、ニンニクを入れて中火で炒め、タマネギがしんなりしたら、マッシュルームを加えて、さらに炒める。

 

(4) (2)の肉をフライパンに戻し、小麦粉をふり全体にからめ、赤ワインを加えて中火で水分がほぼなくなるまで煮つめる。

 

<ココが格上げ!>

小麦粉を加えて混ぜ、ソースにとろみをつける。

 

赤ワインを加えて“大人のハヤシライス”に。アルコール分はしっかり飛ばすので、子どももOK。

 

(5) 肉をフライパンの端に寄せ、空いたスペースにケチャップとソースを入れて中火で炒める。

 

<ココが格上げ!>

ケチャップとソースは炒めることで水っぽさがなくなり、しっかりした味に。

(6) 牛乳とコンソメのだし汁を入れ全体を混ぜ合わせて10分ほど煮詰める。塩・コショウで味をととのえる。

 

(7) 器によそったご飯にかける。