新型コロナウイルス感染症の予防接種カードを偽造し、医療データベースに虚偽の接種記録を入力していたアメリカの女性看護師2人が詐欺の容疑で起訴されました。さらに、主犯とみられる看護師の夫でニューヨーク市警の警察官である男性も、事件に関与していたとして調査を受けています。

New York nurses charged with forging Covid vaccine cards to earn more than $1.5 million

https://www.cnbc.com/2022/01/29/long-island-nurses-charged-with-faking-covid-jabs-to-earn-more-than-1point5-million.html

LI nurse, NYPD husband probed in $900K fake vaccine card sales - New York Daily News

https://www.nydailynews.com/new-york/nyc-crime/ny-long-island-nurse-nypd-husband-fake-vaccine-cards-20220129-adkreafhbjdjpfv4pz6rj3pcby-story.html

NY pediatric nurse practitioner accused in phony COVID vaccine card scheme | Daily Mail Online

https://www.dailymail.co.uk/news/article-10454315/NY-pediatric-nurse-practitioner-accused-phony-COVID-vaccine-card-scheme.html

アメリカのニュースメディア・CBS New Yorkが2022年1月29日に、「ニューヨーク州の病院であるWild Child Pediatric Healthcareを経営しているジュリー・デブォーノ容疑者(49歳・左)と、同院の従業員のマリッサ・ウラロ容疑者(44歳・右)が、予防接種カードを偽造した疑いで起訴された」と報じました。



訴状によると両容疑者は、大人1人220ドル(約2万5000円)・子ども1人85ドル(約1万円)の手数料を取って予防接種カードを偽造し、州の予防接種情報システムに虚偽の記録を入力していたとのこと。これによる利益は、2021年11月から2022年1月の間で合計150万ドル(約1億7000万円)以上になったと見積もられています。

この件は、容疑者らが覆面警察官にワクチンを接種していないにもかかわらず予防接種カードを発行したことで明らかになりました。事件を発表した声明の中で、スコット・ランパート特別捜査官は「新型コロナウイルス感染症の予防接種カードを偽造し、州に虚偽の情報を報告したことは、新型コロナウイルス感染症の拡大を遅らせる努力を損ない、人々の健康と幸福を危険にさらす行いです」と述べて、犯行を非難しました。

デブォーノ容疑者の自宅からは現金90万ドル(約1億円)が押収されたほか、150万ドル以上の利益を記録した帳簿も見つかっています。



さらに、ニューヨークの地元紙・NY Daily Newsによると、デブォーノ容疑者の夫でニューヨーク市警のデリン・デブォーノ氏も、妻の不正なビジネスに関与したとして同市警の内務局の調査を受けているとのこと。同氏の具体的な関与の方法は記事作成時点では不明ですが、家宅捜索で押収された現金の一部はニューヨーク市警のヘルメットを入れるためのバッグの中に入っていたことが分かっています。

デブォーノ氏は2020年に、ニューヨーク市警の航空部隊に所属していた2017年に航空機の軌跡で男性器を描いたとして、5日間の休暇没収処分を受けたことがあります。



デブォーノ容疑者とウラロ容疑者はともに、罪状認否の審理で無罪を主張しました。ウラロ容疑者の弁護士であるマイケル・アルバー氏はNY Daily Newsに対し、「彼女は模範的なキャリアを歩んできた尊敬すべき准看護師です。検察側の捜査には欠陥があるため、事件は法的な問題を抱えています」と述べています。

一方、サフォーク郡警察署長のロドニー・ハリソン氏は声明の中で、「容疑者の2人は、私たち全員が公衆衛生を守るために尽力している中で予防接種カードがいかに重要かを、看護師としてよく認識すべきです」とコメントしました。