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他人とうまくコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、自己肯定感の欠如、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)が発売されました。同書の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けします。心がスーッと軽くなる珠玉のアドバイスにお付き合いください。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

自分以外の誰かならどうするか?
を想像してやってみる

「そんなことを言われてもマイナス思考は止められない!」という人のために、私がお勧めしたいのは、脳内に別人格をつくることです。

 別人格というと多重人格とかを想像されるかもしれませんが、そこまで大げさに考えなくても大丈夫です。

 自分にはできない(と決め付けてしまっている)ことを代理でやってもらうために、自分以外の誰かならどうするか? を想像するやり方です。

 難しく感じるかもしれませんが、これは皆さんが子どもの頃に何度もしたであろう「ごっこ遊び」と同じです。戦隊物ごっこ、プリキュアごっこなど、一度はしたことがあるのではないでしょうか。明確にキャラでなくてもいわゆる「おままごと」も似た遊びになります。

 転んでしまっても「痛くない! 何とかレンジャーはこんなことじゃ泣かない!」となりきれば実際、泣かずに済むこともあったでしょう。

 病院に行って注射を打たないといけないときに「プリキュアなら平気だもん!」と耐えられたこともあったでしょう。普段は絶対遊ばない年下の子だって、おままごとに参加していたら一緒に遊べたりします。

 人間は様々な「自分ではない別のもの(仕事や役割など)」になりきって遊ぶことで少しずつ思考の幅を広げられます。

 たとえば妹や弟が生まれ、自分の家族内での地位が変わってしまったとしても、「お姉ちゃん(お兄ちゃん)だから妹(弟)と遊んであげるんだ!」と自分に言い聞かせて、その役割に徐々に順応していきます。

 つまり「ごっこ遊び」や「自分の役割を言い聞かせる」ことで、人間は思考に背伸びをさせることができるようになるのです。

 なので、「ついネガティブな思考をしてしまう」人は、口に出さなくても構いませんから「ポジティブな思考をする人ごっこ」をして、疑似的にポジティブ思考になることは、ある程度可能なのです。別人格は、有名人や好きなキャラクターなど自分自身でイメージしやすいものを使うのもアリです。

 イメージの例を次にあげますので、参考にしてください。

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