HDD・SSDの使用時間と故障率の関係を示す「バスタブ曲線」に変化あり
運用しているストレージサーバーで使用しているHDDやSSDのデータを細かく分析・公開していることで知られるBackblazeが、ストレージの使用時間と故障率をグラフにしたときに現れる「バスタブ曲線」に変化があったことを報告しています。
Drive Failure Over Time: The Bathtub Curve Is Leaking
https://www.backblaze.com/blog/drive-failure-over-time-the-bathtub-curve-is-leaking/
以下のグラフは横が時間、縦が故障率を示しています。赤い点線は初期不良を表しており、使用開始から短い間に集中していて、時間が経過すると減っていきます。緑の実線はランダム障害と呼ばれるもので、使用時間にかかわらず一定の確率で発生します。黄色の点線は「摩耗故障」で、経過時間とともに現れてきます。この3つを合成したのが青い線「バスタブ曲線」で、両側が高く中央が低い形状から名付けられました。
Backblazeが実測したデータで作ったグラフがコレ。先ほどのグラフと同じく横が時間、縦が故障率を示していて、青が2013年のデータ、赤が2021年のデータです。「摩耗故障」にあたる部分の発生時期が遅くなっているのが如実に表れており、Backblazeは「バスタブの幅が広がった」と表現しています。
また、そもそもバスタブの手前の縁である初期不良の部分もかなり低くなっています。これは、メーカーによる出荷前テストの影響の可能性が考えられています。
Backblazeによると、2013年の調査ではストレージの4年後平均生存率は80%で、6年後平均生存率は50%でしたが、2021年には6年平均生存率は88%に延びていました。これは単にストレージの品質だけではなく、優れたサーバー、そして優れたチームによる熟練した運用によるものでもあるとBackblazeは述べています。