【業界に問う】“モチベーションのプロ”が考える「ゲームの楽しさを仕事に活かす方法」
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皆さん、毎日楽しんでいただいてありがとうございます!!!
ただ、これまであった通常のお題にくわえ、より専門ジャンルに限定したハイレベルなものも見てみたい…と思うようになりました。たとえば、あるジャンルでのトッププレイヤーが“最近、業界に問うてみたいテーマ”は何か?
今回は、チームマネジメントについてのベストセラー『THE TEAM』の著者であり、2020年にナレッジワーク社を創業した麻野耕司さんに、お話を聞いてみました。
天野:
ナレッジワーク社を立ち上げられてしばらく経ちますが…最近は麻野さんはどんなことをされてるんですか?
麻野さん:
ナレッジワークを創業して1年半、プロダクトステルス(非公開での開発)を続けていて、まだ「何をやってる」って出してないんですよね。競争戦略の観点からそうしてるんです。
なので今日は喋れること少ないんですけど。
もったいぶらないでください
麻野さん:
人類が数千年とらわれている「労働は苦役なり」って考え方あるじゃないですか。これを変えるっていうのが、ずっと変わらない僕のテーマなんですよね。
今、開発しているのは「仕事を通じて一人ひとりの能力や成果が向上する」ITツールです。単に業務の生産性が高められるだけではなく、楽しみながら働けるようなソフトウェアをつくることに挑戦したいと思っています。来年の4月にはツールだけでなく、そのためのコンセプトやフレームワークを発表する予定です。
それで僕がいろんな人にきいてみたいと思ったテーマが…
天野:
「ゲームから」…?
「人間が絶対やりたくないことが、ゲームならできる」
麻野さん:
僕のなかで「労働は苦役なり」の反対は何かっていうと、「ゲームのように仕事を楽しむ」ことだって気付いたんです。
僕、創業する前後のタイミングで、ゲームをすごいやるようになったんですよ。「フォートナイト」ってゲームを週に2、3日やってて。
ネットでつながってる100人が同時にプレイするんです。4人1チームの25チームが兵士として島に降り立つんですよ。銃とか武器をひろって戦って、最後まで生き残ったら勝ちっていうゲームなんですね。
天野:
やったことないけど、めっちゃ人気ですよね。
麻野さん:
夜な夜な世界中の人が熱狂してやってる。これマジですごいなって思って。
だって普通に考えたら戦場で殺したり殺されたりって、人間が絶対やりたくないことじゃないですか。
天野:
あ〜、はい。
麻野さん:
お金もらってもやりたくないことのはずなのに、ゲームにしたらお金払ってでも週3日2時間やる。「ゲームの力ってすごいな」って思ったんですよね。
それで、「フォートナイトをやるような感覚でみんなが働けたら、めちゃくちゃいい世の中になるんちゃうかな」って思ったんです。
そこから「ゲームのように仕事を楽しむためには、どういう要素が必要なんやろ?」って考えはじめて。
天野:
どういう要素が必要なんですか?
麻野さん:
…それはちょっとまだ言えないんですけど。
天野:
そこまで言ったんだから教えてくださいよ!!
「ダメだったらあとでカットしますからね」
「入力がない」「結果がすぐわかる」ゲームのように仕事を楽しむ方法とは?
麻野さん:
「ゲームの楽しい要素」を分解していって、仕事に取り入れよう…というのが基本的な考え方です。
たとえば表層のインターフェイスの部分から話すと、「仕事を楽しくするためには“入力”を減らすのが大事」と言えるかもしれない。
天野:
入力…?
麻野さん:
たとえば天野さんが僕に取材依頼のメッセージをくれたとき、文字をたくさん打ちましたよね? 企画書つくるときも、たくさん入力しましたよね?
天野:
はい。
麻野さん:
でも、あれを「ゲームでやらなあかん」ってなったら、めちゃくちゃ面倒くさくないですか?
天野:
たしかに! あ〜、仕事にはあるけどゲームにはない要素があるってことか。
麻野さん:
そういう「面倒くさい」が、仕事には多いしゲームにはほとんどないんですよ。基本的にはゲームはボタンを押していけばできる。
だから「面倒くさい入力を減らしたら、仕事がゲームに近づくんじゃないかな?」って。
麻野さん:
あとは…深層のメカニズムの部分を話すと、仕事って結果が分かるまでだいたい「1カ月」くらいかかりますよね。営業で“今月は目標達成した、しなかった”とか。それを「もっと早く区切ったほうがいい」と言えるかもしれない。
ゲームの決着がつく時間って、多くが1ゲーム5〜30分なんですよ。
天野:
つまり、結果がすぐわかる?
麻野さん:
そう。フォートナイトも短いときは5分で死にますし、優勝するときでも30分。これが「結果出るまでに30日かかる」だったら、全然おもんないと思うんですよ。
天野:
たしかに…でも仕事ってそうですね。
天野:
話がズレるかもしれないんですけど…麻野さんの『THE TEAM(ザ・チーム)』で、「○○タイプの人と話すときは経験を伝えよう」とか解説されてたじゃないですか。
天野:
でも実践しようと思っても、とっさにできないんですよね…。こういう悩みももしかして…
麻野さん:
それもゲームで説明できますね。
なんでもゲームでいける大喜利になってきた
麻野さん:
たとえばフォートナイトを構成している要素を考えると…
ひとつは「戦場」。これは仕事でいうと「業務の領域」ですね。もうひとつは「武器」。近い敵にはショットガンだし、遠い敵にはライフルが必要。仕事でいうと「知識の領域」になります。
天野:
はい。
麻野さん:
そして、武器をうまく使うために練習しなきゃいけない。これは「練習の領域」。最後には、自分の行動のスコアが出てくるようになってるんですよ。「あなたはこれくらいできてますよ」と。これが「分析の領域」です。
『THE TEAM』を読んで、天野さんはチームマネジメントのやり方を知ったわけですよね。仕事の武器、つまり「知識」を手に入れた。
天野:
あ〜、武器を手に入れただけだったのか…
麻野さん:
次にやらなきゃいけないのは、知識をうまく使いこなすための「練習」ですね。
最後に「天野さんのコミュニケーションをどう感じたか? アンケートとってみましょう」みたいなことで自分の「数字」がわかるといい。
それが簡単に繰り返せて、どんどんレベルアップできる。めちゃめちゃやりたくならないですか?
天野:
やりたい…これがゲーミフィケーションか…
ゲーム業界の著名CEOと、あの女優を指名する麻野さん
天野:
今日のお話をふまえて、「どうやったら仕事をゲームのように楽しめるか?」というテーマを、どなたに聞きたいですか?
麻野さん:
ゲームにくわしい人に聞いてみたいなって思ってるんですよね。たとえばgumi創業者で現Thirdverse CEOの国光宏尚さん。
それからアカツキCEOの香田哲朗さん。あとはミラティブCEO・赤川隼一さん。ゲーム実況配信の会社をやってるんですけど、会社のテーマが「エモ」やって言ってたんで、どんな回答をするか聞いてみたいなと。
天野:
赤川さんは一度取材させてもらったことがあって、そのときは「アバターがいて、自分の顔を出さないで配信できるという心理的ハードルの低さが大事」と言ってましたね。
麻野さん:
へ〜! たしかに、フォートナイトやってて不思議なのが、課金するとしたら“武器を買うとき”だと思うじゃないですか? でも、武器は買えないんですよ。
買えるのは、スキンっていう戦うときのコスチュームだけなんです。「何それ? そんなんで儲かるの?」って思うんですけど、なんかめちゃくちゃ買っちゃうんすよ。強さに関係ないのに。
天野:
アバター的存在のビジュアルについても聞いてみたいですね。
麻野さん:
その流れで聞きたいテーマがこれで…
麻野さん:
ぜひ、本田翼さんに聞きたいんですよ。
麻野さんは事前のヒアリングでも本田翼さんのお名前を連呼されていました
天野:
本田翼さんがゲーム好きだからってことですか…?
麻野さん:
そうです! ちゃんと文脈があるんですよ。サイバーエージェントの力を駆使すればいけるはずですよ?
天野:
5万%ムリだと思いますけどね。
麻野さん:
会社の力を使うのがムリでも、記事のなかには書いときましょうよ! そしたら何かの間違いで、本田翼さんが新R25ワイドショーにコメントしてくるかもしれないですよ?
何かの間違いを期待する麻野さん
天野:
わかりました…書いておきましょう。
「仕事を楽しむ」と「ゲームの話」が絡むと思ってなかったので、すごく面白かったです。ありがとうございました!
ということで、マネジメントに一家言あるビジネスパーソンの皆さま、ゲーム業界の皆さま、「ゲームから仕事に取り入れられること」および「ゲームをプレイしていて感動したモチベーション施策」をぜひ回答してください!
そして…本田翼さんおよびその関係者の皆さま…麻野さんからのラブコールに応えていただけるようでしたら、ぜひオフィシャルアカウントまでご連絡をお願いいたします!
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お待ちしております
〈取材・文=天野俊吉(@amanop)〉
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