9月、10月こそ寝具のお手入れに適した時期です(写真:takeuchi masato/PIXTA)

布団やカーペットの奥に潜んでいつのまにか増えているダニは、喘息やアトピー性皮膚炎などさまざまなアレルギーの原因になっています。小さなお子さんがいる家庭ではより心配なところではないでしょうか。

『暮らしが本当にラクになる! ベアーズ式家事事典』を監修した家事代行サービス「ベアーズ」の副社長・家事研究家の高橋ゆきさんに効果的なダニ対策法をお聞きしました。

一番の対策法は「水洗い」

喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの原因は、7割がダニと言われています。

1年を通して室内にいるダニですが、家庭での対策にはポイントがあります。

まず、簡単にダニとアレルギーについて整理しましょう。

●ダニが大量発生する時期 6〜8月ごろ(寿命は約3か月程度)
●ダニが多い箇所は、1位「寝具」、2位「カーペット」3位「ソファ」
●ダニアレルギーは、「生きているダニ」より「ダニの死骸、糞」が問題

ダニは1年中いるもので、完全な駆除は難しいのですが、1年を通して絶対に対策をしてほしい時期があります。

それは、夏場に発生したダニが寿命を迎える9月〜10月です。

ダニの死骸や糞は、粉々になりとても小さな粉末になるので目には見えませんが、いわゆるハウスダスト(ホコリやダニの死骸など1mm以下の目に見えにくいもの)となって私たちの体に入り込み、アレルギー症状を引き起こします。

考えてみるとぞっとする話ですが、9月、10月の寝具、カーペットにはたくさんのダニの死骸、糞が散らばっています。

ダニは、1グラムのホコリに1000〜2000匹いると言われていますので、家族の健康を守るためにも、この時期の掃除や対策は必須です。

実はダニの死骸もフンも水溶性のため、水で丸洗いするのが効果的です。
シーツ、カバーであれば90%以上、ダニアレルゲン(ダニの死骸、糞)を除去できます。

難しいのが、丸洗いできないベッドマットやお布団。

コインランドリーなどで丸洗いできるタイプのものであればいいのですが、そうでない場合はこまめに掃除機をかけましょう。

お布団専用でダニやハウスダストをよく除去してくれるタイプの掃除機などを使えると理想的です。

掃除機をかけるときのポイントは「週1回以上」、「ゆっくり丁寧にかける」こと。

しっかり掃除機をかけてダニアレルゲンを除去しましょう。

9月、10月こそ寝具のお手入れの時期なのです。

お布団を天日干しをするとスッキリして気持ちがいいのですが、ダニを減らす効果はあまり期待できません。

布団たたきで叩いてもダニは駆除できませんし、むしろダニアレルゲンなどをまき散らすことに。お布団の中に入り込んでいた生きたダニが表面に出てくることも十分に考えられますので、天日干しをした後に、掃除機をかけるとより清潔になります。

お布団の天日干しは、乾燥による長期のダニ駆除にはつながりますが、天日干しをすれば清潔になると考えていたら危険です。

もし、ダニアレルゲンではなく「生きたダニ」を駆除したいなら、スチームアイロンが効果的。ダニは60度以上の熱で死滅するからです。

洗濯表示を確認してスチームアイロンをかけましょう。かけ終わった後は、死骸などを残さないために掃除機がけが必要です。

ダニの餌、ハウスダストを減らそう

まず、毎日換気をすることです。換気をして湿気がこもるのを防ぎ、ダニが繁殖しにくい環境を作ってください。

特に寝室などは念入りに換気をしましょう。フケなどが落ちたままにならないように、できるだけこまめに掃除機をかけるようにしましょう。

『暮らしが本当にラクになる! ベアーズ式家事事典』でも、掃除の「基本のき」は換気!とご説明していますが、本当に換気は大切。

換気をするだけでも立派な掃除!と私たちベアーズはお伝えしているほど重要です。

換気のポイントは、窓を2か所開けること。

ハウスダストやホコリは、歩いているだけで空気中に舞い上がります。
特に9月、10月は、粉々になったダニの死骸などが空気中に散乱。

掃除機をかけている人が、空気中に舞ったハウスダストを吸い込まないためにも、窓を2か所開け、空気の通りをよくしましょう。


窓を2か所開けることで、効率的に室内がキレイになるので、時短にもつながります。

ダニの対策1つとってもそうですが、1年中ダニ対策をしなければと考えると疲れてしまいます。しかし、ダニが増える梅雨、夏時期に市販のダニスプレーを使う、9月、10月は寝具をよく洗うとポイントを押さえていけば、家事の悩みは減らすことができます。

「家事をちゃんとこなせていない」、「時間がないし、頑張れない」など悩みを抱えてしまったり自信をなくしている方もいらっしゃいますが、「家事は完璧を目指さない」ことが大切。

家事をやらなければ、と追い込まれてしまうと疲れてしまって仕方ありません。

本書『暮らしが本当にラクになる! ベアーズ式家事事典』では面倒な家事をラクにするテクニックから、重曹の便利な使い方、すぐ片付く収納の基本などをご紹介しています。コツをつかみ、ぜひ日々の家事をラクにしてください。