コロナ禍で大打撃を受けている、外食産業。東京都で4度めの緊急事態宣言が発令され、各地でもまん延防止等重点措置が延長されるなど、事態はますます深刻化しそうだ。

 本誌は、外食産業が受けたダメージを業態別、企業別に調査した。各業態のおもな上場企業を対象に、各社の決算から、売上高の前年比(伸び率)と営業利益を抜き出し、比較。

 ただし、決算月は企業で異なるため、たとえば7月決算と3月決算の企業では、コロナの影響を受けた期間が違うので、注意が必要だ。

 この記事では、減収減益で、軒並み大惨敗という結果になったファミレス業界についてまとめる。

◯「和食さと」(SRS HD)
売上伸び率マイナス2.1% 営業利益マイナス38億200万円
/決算期2021年3月

◯「サイゼリヤ」(サイゼリヤ)
売上伸び率マイナス19.0% 営業利益マイナス38億1500万円
/決算期2020年8月

◯「木曽路」「素材屋」(木曽路)
売上伸び率マイナス29.3% 営業利益マイナス42億1900万円
/決算期2021年3月

◯「ロイヤルホスト」(ロイヤルHD)
売上伸び率マイナス40.0% 営業利益マイナス192億6900万円
/決算期2020年12月

◯「ガスト」「バーミヤン」すかいらーくHD
売上伸び率マイナス23.2% 営業利益マイナス230億3100万円
/決算期2020年12月

 なお、大手の一角を占める「デニーズ」は、セブン&アイHDの一部としての決算データしかないため、上記には登場しないが、今年2月期の同社の決算資料では、既存店の売り上げが前年からマイナス29.7%となっており、厳しい状況は同様といえる。

「一人よりも、何人かで行くことが多いのがファミレス。なので、苦戦は仕方ありません。テイクアウトやデリバリーを強化しても、それではファミレスとしての価値はないわけで、さほど需要があるとは思えません」 (調達コンサルタントの坂口孝則氏)

 最近は、一人でも気軽に入れるよう「ぼっち席」を設ける店も登場している。「withコロナ」の時代には、おひとりさまがファミレスにとって「福の神」となるのかもしれない。

(週刊FLASH 2021年7月27日・8月3日合併号)