出産を控える、たんぽぽ白鳥久美子さん。女芸人仲間の存在が支えに
2018年に芸人のチェリー吉武さんと結婚した、たんぽぽの白鳥久美子さん。現在は妊娠中で、2021年の夏に出産予定です。
そこで白鳥さんに出産前の今の気持ちや、暮らし方の変化についてお話を伺いました。
白鳥久美子さん
――「結婚して以来、夫婦二人暮らしをマイペースに楽しんでいました」という白鳥さん。
「子どもは授かったら授かったでうれしいと思っていたけれど、二人でも充分楽しい日々が送れていたし、何よりも女芸人のお友達に子育て中の人が多かったので、彼女たちの子どもの“ゴッドおばさん”的な存在で関わる生き方でも、幸せだなと思っていました」
――そんな矢先に判明した妊娠でした。どんな心境ですか?
「安定期を過ぎ、臨月を目前にし…。自分でもようやく実感が湧いてきたところですね。
マタニティハイで脳内がお花畑になるのかもと想像したりもしてたんですが、そんなことはありませんでした(笑)。
最初の頃は私よりも、むしろ周りの女芸人仲間のほうがはしゃいでいたかも。まぁこちゃんは泣いて喜んでくれましたし、ニッチェの江上さんも一年前に出産したばかりなので、色々とメールをくれたりして。川村さんは『うれしい〜。でも、なんだか私、最近の白鳥さんを見て妊娠しているような気がしていた』と、一番不思議な反応でした。コンビならではの鋭さなんでしょうか」
――同世代や同期はもちろん、オアシズの光浦靖子さんや、清水ミチコさんといった先輩の方々の存在も、妊婦生活の支えになってくれていると言います。
「『おめでとう! 産まれてくる子はみんなで育てるから』と言われたときには、こんなに心強いことはないなと。怒るときは怒ってくれるだろうし、なんかすごいものも買い与えてくださりそうですし。最終的にはあそこにまかせときゃ絶対に大丈夫だろうと! 女芸人って母性の塊みたいな生き物で、みんな、その吹き出し口を常に求めてるんですよ(笑)。おかげで孤立した育児にはならない予感がしていて、改めて女芸人のコミュニティの懐の深さに感謝しています」
――39歳という年齢の初産で心配事はつきないように思えるものの、これまでの社会経験で培ってきた人間関係が心のセーフティネットとなったり、自分でも上手に気持ちを切り替えられているところは「大人の妊娠・出産」ならではなのかもしれません。
「そうかもしれないですね。病院でがっつり高齢出産と言われて、リスクについて考え出したらキリはないですが…。今は産んでから考えようと思っています。
お仕事もマイペースにやらせてもらっているので、あいている時間はなるべく歩いたり、ポイ活に勤しんでプチ稼ぎを楽しんでいます。赤ちゃんに必要なグッズも、役所から送られたリストを見て『えーっ! こんなに準備しなきゃいけないの?!』と、一瞬は焦ったんですけれども。まあそれも人それぞれなのかなと。必要以上のものは買っていません。
最近のいちばんの悩みは、体重が増えすぎちゃっていること。保健所で栄養指導を受けたんですが、甘いものはサツマイモや果物程度、とにかく野菜を食べろと言われて…。自分が鳥になったような気分を味わってます」
夫のチェリー吉武さんと(白鳥久美子さん公式ブログより)
――夫のチェリーさんとはどんなコミュニケーションを取っているのでしょうか。
「じつはチェリーさんのほうがそわそわしちゃって大変だったんですよ。『オレがちゃんと育てていかれるだろうか』って。昔から少しゴリラに似てるなと思っていたんですが、ゴリラって繊細な生き物なんですって。チェリーさん、見た目も中身もゴリラな男でした(笑)。
でも体力もあるし、去年、私が新型コロナウィルスに感染して1か月寝込んでいたときも、すべての家事を請け負って生活を回してくれましたし。いざとなればパワーを発揮できるタイプなので、あまり心配もしていないんですよね。
臨月が近づいてきた今、そわそわした感じも落ち着いてきて、なぜかごま豆腐とかつくってくれます。『精進料理で、子どものために精進します』って意味らしいです」
――ほのぼのとした夫婦生活を送っている白鳥さんですが、かつては『処女芸人』(扶桑社刊)という本を出したほど、自身にとって恋愛や、その先にある家族をもつことは遠い現実だったと振り返ります。
「仕事に熱中して、プライベートでは女芸人仲間と死ぬほど飲み倒して――。でも35歳ぐらいになった頃ですかね。自分のことだけを考え続ける人生に虚しさを感じたんです。もっと他者と深く関わる生き方をしていきたいなと…。
そんな頃、漫画家の東村アキコ先生と飲む機会があって。アキコ先生からのアドバイスも効きました。『白鳥はさ、結婚はできると思う』『でも狩り場を間違えてる』って。それまでの私は、お医者さんや自衛隊の方と合コンしたりしていて。医者のセレブ妻になる夢とか、国のために働く男を支える自分の姿を想像して、ちょっとうっとりしてたんですよ(笑)。
『違う。そこじゃない! もっと白鳥を頼ってくれて、それでいてでっかい夢を持ってる男だよ』とアキコ先生から厳しいジャッジが(笑)。そこで『あの〜私…気になる人がいて。チェリー吉武さんという芸人の先輩で、でもあまり売れてないんです』と言ったら、『それ! 白鳥の良さが活かせて、お互いに幸せになれるのはそういう人!』『白鳥が稼ぐ夫婦関係でもいいじゃない』と。
的確な助言をくれたアキコ先生と、実際にチェリーさんと私を繋いでくれた柴田理恵さんには本当に感謝してますね。チェリーさんのことはずっと気にはなっていたんですが、話しかける勇気が出ないまま年月が過ぎていたので」
――つき合ってからも、チェリーさんの温かい人柄に「家族になれる」と感じたそう。
「チェリーさんはご縁あって身寄りのない方と同居していたんですが、その方の看護と看取りを一人でしていたんです。その話を聞いて、『この人とだったら長く支え合っていけるかも』と思いました。
チェリーさんはいまだにその方を大切に思っていて『形見の品とともに、彼の故郷だった北海道の海をいつか見に行きたい』と言い、遺品もわが家にあるんですが、部屋が狭いうえに、とにかくものが多いので…『どこにしまったか、わからなくなってしまった』と言ってて、オイコラ〜! と(笑)」
――家族が一人増えることもあり、つい最近、家の片づけもしたのだそう。
「赤ちゃん用のスペースをつくって、グッズをおかないといけないですもんね。そう思って整理整頓をしたら、コントで使った小道具が死ぬほど出てきました。絶対に必要なものは手放せませんが、なんとなく置いてあったものは片づけてスッキリ。やっぱり掃除はいいですね。
ただ、チェリーさんにも『すべったネタの小道具、捨てていい?』と聞いたんだけど、『小道具は相方だから捨てたくないっ』と拒否。まあ、気持ちはわからなくもないので…。捨てきれなかった小道具で、家族のためにもヒットを飛ばしてきてくれることを願ってます!」
<撮影/林紘輝 取材・文/石井絵里>
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。著書に『処女芸人
』(扶桑社刊)がある
そこで白鳥さんに出産前の今の気持ちや、暮らし方の変化についてお話を伺いました。
白鳥久美子さん
もうすぐ出産。白鳥久美子さんインタビュー
――「結婚して以来、夫婦二人暮らしをマイペースに楽しんでいました」という白鳥さん。
「子どもは授かったら授かったでうれしいと思っていたけれど、二人でも充分楽しい日々が送れていたし、何よりも女芸人のお友達に子育て中の人が多かったので、彼女たちの子どもの“ゴッドおばさん”的な存在で関わる生き方でも、幸せだなと思っていました」
●女芸人って母性の塊みたいな生き物
――そんな矢先に判明した妊娠でした。どんな心境ですか?
「安定期を過ぎ、臨月を目前にし…。自分でもようやく実感が湧いてきたところですね。
マタニティハイで脳内がお花畑になるのかもと想像したりもしてたんですが、そんなことはありませんでした(笑)。
最初の頃は私よりも、むしろ周りの女芸人仲間のほうがはしゃいでいたかも。まぁこちゃんは泣いて喜んでくれましたし、ニッチェの江上さんも一年前に出産したばかりなので、色々とメールをくれたりして。川村さんは『うれしい〜。でも、なんだか私、最近の白鳥さんを見て妊娠しているような気がしていた』と、一番不思議な反応でした。コンビならではの鋭さなんでしょうか」
――同世代や同期はもちろん、オアシズの光浦靖子さんや、清水ミチコさんといった先輩の方々の存在も、妊婦生活の支えになってくれていると言います。
「『おめでとう! 産まれてくる子はみんなで育てるから』と言われたときには、こんなに心強いことはないなと。怒るときは怒ってくれるだろうし、なんかすごいものも買い与えてくださりそうですし。最終的にはあそこにまかせときゃ絶対に大丈夫だろうと! 女芸人って母性の塊みたいな生き物で、みんな、その吹き出し口を常に求めてるんですよ(笑)。おかげで孤立した育児にはならない予感がしていて、改めて女芸人のコミュニティの懐の深さに感謝しています」
●大人の妊娠・出産ならではのよさ
――39歳という年齢の初産で心配事はつきないように思えるものの、これまでの社会経験で培ってきた人間関係が心のセーフティネットとなったり、自分でも上手に気持ちを切り替えられているところは「大人の妊娠・出産」ならではなのかもしれません。
「そうかもしれないですね。病院でがっつり高齢出産と言われて、リスクについて考え出したらキリはないですが…。今は産んでから考えようと思っています。
お仕事もマイペースにやらせてもらっているので、あいている時間はなるべく歩いたり、ポイ活に勤しんでプチ稼ぎを楽しんでいます。赤ちゃんに必要なグッズも、役所から送られたリストを見て『えーっ! こんなに準備しなきゃいけないの?!』と、一瞬は焦ったんですけれども。まあそれも人それぞれなのかなと。必要以上のものは買っていません。
最近のいちばんの悩みは、体重が増えすぎちゃっていること。保健所で栄養指導を受けたんですが、甘いものはサツマイモや果物程度、とにかく野菜を食べろと言われて…。自分が鳥になったような気分を味わってます」
●夫の方がそわそわしています
夫のチェリー吉武さんと(白鳥久美子さん公式ブログより)
――夫のチェリーさんとはどんなコミュニケーションを取っているのでしょうか。
「じつはチェリーさんのほうがそわそわしちゃって大変だったんですよ。『オレがちゃんと育てていかれるだろうか』って。昔から少しゴリラに似てるなと思っていたんですが、ゴリラって繊細な生き物なんですって。チェリーさん、見た目も中身もゴリラな男でした(笑)。
でも体力もあるし、去年、私が新型コロナウィルスに感染して1か月寝込んでいたときも、すべての家事を請け負って生活を回してくれましたし。いざとなればパワーを発揮できるタイプなので、あまり心配もしていないんですよね。
臨月が近づいてきた今、そわそわした感じも落ち着いてきて、なぜかごま豆腐とかつくってくれます。『精進料理で、子どものために精進します』って意味らしいです」
●東村アキコさんのアドバイスで目が覚めた
――ほのぼのとした夫婦生活を送っている白鳥さんですが、かつては『処女芸人』(扶桑社刊)という本を出したほど、自身にとって恋愛や、その先にある家族をもつことは遠い現実だったと振り返ります。
「仕事に熱中して、プライベートでは女芸人仲間と死ぬほど飲み倒して――。でも35歳ぐらいになった頃ですかね。自分のことだけを考え続ける人生に虚しさを感じたんです。もっと他者と深く関わる生き方をしていきたいなと…。
そんな頃、漫画家の東村アキコ先生と飲む機会があって。アキコ先生からのアドバイスも効きました。『白鳥はさ、結婚はできると思う』『でも狩り場を間違えてる』って。それまでの私は、お医者さんや自衛隊の方と合コンしたりしていて。医者のセレブ妻になる夢とか、国のために働く男を支える自分の姿を想像して、ちょっとうっとりしてたんですよ(笑)。
『違う。そこじゃない! もっと白鳥を頼ってくれて、それでいてでっかい夢を持ってる男だよ』とアキコ先生から厳しいジャッジが(笑)。そこで『あの〜私…気になる人がいて。チェリー吉武さんという芸人の先輩で、でもあまり売れてないんです』と言ったら、『それ! 白鳥の良さが活かせて、お互いに幸せになれるのはそういう人!』『白鳥が稼ぐ夫婦関係でもいいじゃない』と。
的確な助言をくれたアキコ先生と、実際にチェリーさんと私を繋いでくれた柴田理恵さんには本当に感謝してますね。チェリーさんのことはずっと気にはなっていたんですが、話しかける勇気が出ないまま年月が過ぎていたので」
●家にものが多いのが最近の悩み
――つき合ってからも、チェリーさんの温かい人柄に「家族になれる」と感じたそう。
「チェリーさんはご縁あって身寄りのない方と同居していたんですが、その方の看護と看取りを一人でしていたんです。その話を聞いて、『この人とだったら長く支え合っていけるかも』と思いました。
チェリーさんはいまだにその方を大切に思っていて『形見の品とともに、彼の故郷だった北海道の海をいつか見に行きたい』と言い、遺品もわが家にあるんですが、部屋が狭いうえに、とにかくものが多いので…『どこにしまったか、わからなくなってしまった』と言ってて、オイコラ〜! と(笑)」
――家族が一人増えることもあり、つい最近、家の片づけもしたのだそう。
「赤ちゃん用のスペースをつくって、グッズをおかないといけないですもんね。そう思って整理整頓をしたら、コントで使った小道具が死ぬほど出てきました。絶対に必要なものは手放せませんが、なんとなく置いてあったものは片づけてスッキリ。やっぱり掃除はいいですね。
ただ、チェリーさんにも『すべったネタの小道具、捨てていい?』と聞いたんだけど、『小道具は相方だから捨てたくないっ』と拒否。まあ、気持ちはわからなくもないので…。捨てきれなかった小道具で、家族のためにもヒットを飛ばしてきてくれることを願ってます!」
<撮影/林紘輝 取材・文/石井絵里>
【白鳥久美子さん】
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。著書に『処女芸人
』(扶桑社刊)がある