なぜか家で漏らしてしまう3歳児。オムツを気に入っているせい?<古泉智浩の養子縁組やってみた>
52歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した6歳の長男・うーちゃん、里子の3歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、3歳のぽんこちゃんのトイレトレーニングについてのお話です。
苦戦していた3歳の里子のぽんこちゃんのトイレトレーニング
。
ぽんこちゃんはずいぶん前から保育園ではパンツで過ごし、トイレで用をすませることができています。朝着て行った洋服のまま夕方に帰宅すると、今日はおもらししなかったんだ、よかった〜と思います。
保育園から帰るときに一度トイレをすませて、それから自宅で2時間くらい経った頃「ぽんこちゃん、そろそろおしっこ出るんじゃないの?」と声を掛けます。
「おしっこでない」
しかし、そろそろ出るはずです。
「トイレ行こうよ。出るかもしれないよ」
「トイレいかない」
頑としてトイレの誘いに応じようとしません。そうして遊んでいると気まずそうに言います。
「おしっこでた」
パンツもズボンもびちょびちょです。夜ならそのままお風呂に入って、オムツを履かせます。
困るのは日曜日で、なるべくなら日中はパンツで過ごし、トイレに行く習慣を身に着けてほしいわけです。よし、今日はパンツで過ごしてもらおう。
「ぽんこちゃん、今日はパンツだから、パンツにおしっこしないんだよ。おしっこ出そうになったらなんて言うの?」
「おしっこでる」
「そう! うんちが出そうになったらなんて言うの?」
「うんちでる」
「そうそう! 頼んだよ」
ところがしばらくすると気まずそうな顔で言います。
「うんちでた」
「最悪だ!」
うんちの匂いがお尻からだたよっており、思わず天を仰ぎます。朝からうんちとおしっこでパンツ2枚、ズボン2枚を汚したときは、諦めてオムツを履かせます。せめてものお願いで「オムツだけど、オムツにおしっこしないで、おトイレでおしっこしようね」などと言います。
トイレトレーニング用のオムツを試してみました。普通の紙おむつはおしっこをしてもサラサラとした肌触りで不快感がないのですが、これはぐっちゃりとした不快な肌触りがあり、オムツのままおしっこをしたくなくなるという製品です。いつもは白いビッグサイズのオムツですが、ピンク色なので大喜びで履いてくれました。
さあ、これでおしっこをしたら気持ち悪がるはずです。
ところが、おしっこが出てもなんら不快そうにせず、パンパンにふくらんでいても平気でいます。全然気にならないようでした。その上、ピンクの色が気に入って、寝るときにまで履きたがるため困りました。寝るときは普通のオムツの方が吸水力があるため安心なのです。
保育園ではお友達の手前、そうしているのか分かりませんが、とにかくできるはずなのに、家ではトイレで用をたすことを拒みます。親を困らせることが楽しいのでしょうか。言いなりになるのがおもしろくないという反抗心なのでしょうか。単に甘えているだけなのでしょうか。
僕はぽんこちゃんを寝かせているんですが、一緒にベッドに入って部屋の明かりを消し、僕が先にウトウトし出すと途端にベッドからするりと降りて「おみずのんでくる」と言って、部屋にくっついているトイレに向かい、トイレの流しでコップで水を飲みます。
そうしてベッドに戻るとまたベッドから降りて「おしっこしてくる」と言いました。
え? と思いましたが自分からトイレで用をたそうとするのを妨げるようなことを言うわけにはいきません。
「パパはこないでね」
「わかったよ」
様子を見ていると本当にトイレでパジャマとオムツを下げて便座によじ登って腰かけました。じょろじょろというおしっこの音が聞こえます。すごい。
用がすむと、何事もなかったようにベッドに戻ってそのまま寝ました。
「おしっこが出そうになったら大人に教える」「大人がトイレに連れて行って用をたさせる」というプロセスをすっ飛ばして自力でトイレができるようになっていました。急に大人になったみたいで気持ちが追いつきません。本当はとっくに大人になっていたけど、こっちが気づいてなかっただけみたいな、変な気持ちです。
しかしすぐに毎回そのようにできるようになったわけではなく、油断しているとパンツとズボンを汚してしまうため、2回汚したらその日はオムツにするという方式にしました。もうすぐ日中のオムツを卒業すると思うとうれしくてたまりません。
漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門
』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました
』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69
)をチェック!
今回は、3歳のぽんこちゃんのトイレトレーニングについてのお話です。
なかなかトイレでおしっこができないぽんこちゃん。保育園ではできているはずなのに、なぜ…?
苦戦していた3歳の里子のぽんこちゃんのトイレトレーニング
。
ぽんこちゃんはずいぶん前から保育園ではパンツで過ごし、トイレで用をすませることができています。朝着て行った洋服のまま夕方に帰宅すると、今日はおもらししなかったんだ、よかった〜と思います。
「おしっこでない」
しかし、そろそろ出るはずです。
「トイレ行こうよ。出るかもしれないよ」
「トイレいかない」
頑としてトイレの誘いに応じようとしません。そうして遊んでいると気まずそうに言います。
「おしっこでた」
パンツもズボンもびちょびちょです。夜ならそのままお風呂に入って、オムツを履かせます。
困るのは日曜日で、なるべくなら日中はパンツで過ごし、トイレに行く習慣を身に着けてほしいわけです。よし、今日はパンツで過ごしてもらおう。
「ぽんこちゃん、今日はパンツだから、パンツにおしっこしないんだよ。おしっこ出そうになったらなんて言うの?」
「おしっこでる」
「そう! うんちが出そうになったらなんて言うの?」
「うんちでる」
「そうそう! 頼んだよ」
ところがしばらくすると気まずそうな顔で言います。
「うんちでた」
「最悪だ!」
うんちの匂いがお尻からだたよっており、思わず天を仰ぎます。朝からうんちとおしっこでパンツ2枚、ズボン2枚を汚したときは、諦めてオムツを履かせます。せめてものお願いで「オムツだけど、オムツにおしっこしないで、おトイレでおしっこしようね」などと言います。
●トイレトレーニング用のオムツをなぜか気に入ったぽんこちゃん
トイレトレーニング用のオムツを試してみました。普通の紙おむつはおしっこをしてもサラサラとした肌触りで不快感がないのですが、これはぐっちゃりとした不快な肌触りがあり、オムツのままおしっこをしたくなくなるという製品です。いつもは白いビッグサイズのオムツですが、ピンク色なので大喜びで履いてくれました。
さあ、これでおしっこをしたら気持ち悪がるはずです。
ところが、おしっこが出てもなんら不快そうにせず、パンパンにふくらんでいても平気でいます。全然気にならないようでした。その上、ピンクの色が気に入って、寝るときにまで履きたがるため困りました。寝るときは普通のオムツの方が吸水力があるため安心なのです。
保育園ではお友達の手前、そうしているのか分かりませんが、とにかくできるはずなのに、家ではトイレで用をたすことを拒みます。親を困らせることが楽しいのでしょうか。言いなりになるのがおもしろくないという反抗心なのでしょうか。単に甘えているだけなのでしょうか。
●ある夜のこと。寝る前にお水を飲んだぽんこちゃんは…
僕はぽんこちゃんを寝かせているんですが、一緒にベッドに入って部屋の明かりを消し、僕が先にウトウトし出すと途端にベッドからするりと降りて「おみずのんでくる」と言って、部屋にくっついているトイレに向かい、トイレの流しでコップで水を飲みます。
そうしてベッドに戻るとまたベッドから降りて「おしっこしてくる」と言いました。
え? と思いましたが自分からトイレで用をたそうとするのを妨げるようなことを言うわけにはいきません。
「パパはこないでね」
「わかったよ」
様子を見ていると本当にトイレでパジャマとオムツを下げて便座によじ登って腰かけました。じょろじょろというおしっこの音が聞こえます。すごい。
用がすむと、何事もなかったようにベッドに戻ってそのまま寝ました。
「おしっこが出そうになったら大人に教える」「大人がトイレに連れて行って用をたさせる」というプロセスをすっ飛ばして自力でトイレができるようになっていました。急に大人になったみたいで気持ちが追いつきません。本当はとっくに大人になっていたけど、こっちが気づいてなかっただけみたいな、変な気持ちです。
しかしすぐに毎回そのようにできるようになったわけではなく、油断しているとパンツとズボンを汚してしまうため、2回汚したらその日はオムツにするという方式にしました。もうすぐ日中のオムツを卒業すると思うとうれしくてたまりません。
【古泉智浩さん】
漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門
』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました
』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69
)をチェック!