XFN-ASIAによると、OECD(経済協力開発機構)は23日、世界経済見通し(エコノミック・アウトルック)を公表し、中国の金融・為替政策について、「国内需要を安定化させ、市場を介さない貸し出しの量的規制をなるべく避けるためには、金利政策を積極的に活用すべきで、それには、為替レートの変動の一層の柔軟化が必要」と指摘し、中国当局に一段の利上げと人民元の切り上げを促した。

  OECDは、中国人民銀行(中央銀行)が先月、政策金利の貸出金利を0.27%ポイント引き上げ、期間1年物金利を年5.85%としたことについて、「小幅にとどまった」と指摘し、昨年7月の人民元切り上げ以降の人民元レートの上昇のペースは、「非常に緩やかだ」としている。ただ、政策金利や人民元レートについて、具体的な数字を挙げることは避けた。

  一方、OECDは、「外国為替先物など新たなリスク管理手段の導入は、為替相場の一段の柔軟性を受け入れる準備が進んでいることを示している」と指摘し、人民元改革は一段と進むとの認識を示した。

  OECDは、中国の経済見通しについて、2006年のGDP(国内総生産)の伸び率を従来予想(昨年11月)の+9.4%から+9.7%に上方修正したほか、2007年を+9.5%と予想し、2004年の+10.1%と2005年の+9.9%をやや下回るものの、10%に近い成長を継続するとの見通しを示した。【了】