Epic GamesがGoogleを「独占禁止法違反」で今度はオーストラリアで訴える
2021年3月10日、人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」を開発するEpic Gamesが、オーストラリアの独占禁止法にあたる「連邦競争法」に違反した反競争的行為を行っているとして、Googleを裁判所に訴えたことが報じられています。
Epic Games files legal proceedings against Google in Australia - Unreal Engine
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https://cdn2.unrealengine.com/2021-03-10---epic-v-google---concise-statement---stamped-548550-1666459481-697-v0-1-f7cef16d58e7.pdf
Epic expands app store fight even further with new legal claim against Google in Australia - The Verge
https://www.theverge.com/2021/3/10/22323100/epic-google-australia-legal-claim-fortnite-play-store-antitrust-lawsuit
Epic Gamesは、モバイルアプリ版のフォートナイトで新たな支払い方式「EPICディレクトペイメント」を実装しました。App StoreやGoogle Playといった公式アプリストア経由の支払いの場合、売上の30%が手数料として徴収されてしまいます。Epic Gamesは「EPICディレクトペイメント」を導入することで、手数料として徴収されていた一部をユーザーに還元するとしていました。しかし、AppleやGoogleは公式ストアを経由しないアプリ内課金を認めていないため、規約違反としてモバイル版のフォートナイトを削除しています。
こういった状況を受け、Epic Gamesは「Googleが(EPICディレクトペイメント導入の)報復としてAndroidアプリに制限をかけGoogle Playストアでの支払い処理とアプリ配布の競争を制限している」と指摘し、「Googleが30%の手数料を求めるアプリ内決済サービスを強制することは、独占禁止を取り締まる連邦競争法に違反している」と主張。Googleに対する法的請求を2021年3月10日付けでオーストラリア連邦裁判所に提出したことを明らかにしました。
さらにEpic Gamesは、「Googleは、Google Playストア以外でダウンロードするアプリに対して警告を行い、ユーザーを過度に怖がらせている」と主張しています。
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは「プラットフォーム上に代替アプリストアが存在したり、サードパーティの開発者からアプリを直接ダウンロードできることで、Googleはオープンな場を提供しているというイメージがありますが、実際にはそういったケースはめったにありません。GoogleがAndroid上で課している障壁は現実のものです」と述べています。
なお、Epic Gamesは、同様の訴えをAppleに対しても起こしており、記事作成時点でアメリカ・イギリス・EUでAppleと法廷闘争を展開しています。
「フォートナイト」開発元のEpic GamesがAppleを提訴 - GIGAZINE
なお、専門家の意見には「App StoreやGoogle Playストアはアプリをユーザーに安全に配信するための仕組みであり、30%という手数料は特別に高いというわけではない」というものもあります。
Appleを訴えたEpic Gamesに勝ち目はあるのか、専門家の見解は? - GIGAZINE