コスプレする人が少ない魘夢にトライした川崎麻世。

写真拡大

鬼滅の刃ブームが、いまだ収まることなく続いています。

秋のハロウィンには、示し合わせたかのように芸能界でも鬼滅コスが続出。叶姉妹やなかやまきんに君(42)、GACKT様など、ハイクオリティなコスプレ姿に多くの話題が集まりました。

いっぽうで注目すべきは、このブームにあやかろうとした便乗芸能人コスプレイヤーの多さです。もちろん、ネタとして低クオリティコスプレを披露しているならまだ良いでしょう。しかし作品が大好きというわけではないのに“自分大好き感”全開でコスプレしている人を見るのは、ファンとしては複雑です。

そういう目線で見ないにしても、せっかくコスプレしたのに話題にも登らない(むしろ便乗を叩かれる)人も少なくありません。にわかだと叩かれてもコスプレする芸能人が後を絶たないのは、なぜでしょう。

でも一歩引いた目線でこういったブームを見ていると、便乗する身のこなしこそ実は芸能人としての必要な能力だったりもするのかも……と思えるのです。

芸能人のコスプレを見ていて感じるのが、「結局自分押しかよ」という印象です。

竹を咥えた自分可愛いでしょ? 剣を持った自分かっこいいでしょ? が勝りすぎて、作品への愛や再現性の高さを見ることができない人も多いもの……。

しかしこのブームに全力で便乗する軽やかな姿勢こそ、タレントにとって実はなくてはならない姿勢かもと思えてきます。

なぜならコスプレ姿を披露してにわかと批判されたとしても、話題の大きさという成果を獲得できる。そのため、ネガティブな声も結局は自身のプラスに繋がるのです。

絵を書き、コスプレ姿を披露し、そして作品に対してもっともらしい語りをしてみる。それがたとえ薄っぺらく、クオリティが低くても、怒られたとしても、自分の価値はよっぽどのことがない限り下がることはありません。

普通の人ならブームに対して何かしらのアウトプットを考えたとき、おそらく「にわかだと思われないか」「ファンに怒られないか」「きちんとしたものを出さなければ」といった守りの視点を持つもの。なるべく完璧な準備をして望みたいと思うことでしょう。

しかし芸能人のこの“にわかだろうがなんだろうが、適切な時に何でもいいから今できるアウトプットをする”という軽やかさは、かなり勇気のいることなのではないでしょうか。

とはいえコスプレ姿を披露したものの、話題にもならず損している芸能人もたくさんいます。個人的にはいろいろと思うこの3名を、せっかくなので再度話題に挙げたいと思います。

ーーなぜやった!? レアな敵役コスだけど、クオリティが低すぎる川崎麻世

彼が話題に上がるときといえば、もはや元妻・カイヤ(58)絡み……のイメージが強すぎる川崎麻世さん(57)。

今回、彼は敵役である下弦の鬼「魘夢(えんむ)」に扮したコスプレ写真を披露しています。しかし、このクオリティが低すぎてヤバい。

まず画像はほぼフル加工。トレードマークの手に浮き出た口は落書きレベル。「川崎麻世がご乱心?」と、思わず画面に向かって苦笑してしまいました。

カイヤなき後、話題をどこで獲得するか悩んでいるのか。あえてコスプレする人が少ない魘夢にトライしたのは良いものの、もう少しプロのモデル感が欲しかった……。

ーー二次元コスはマネする意味なし? ざわちん

数年前は、写真を上げれば必ずニュース記事になるほどだったものまねメイクタレントのざわちん(28)。今回は竈門炭治郎と竈門禰豆子兄妹のコスプレをそれぞれ披露したものの……あんまり話題にはなりませんでした。

そもそも彼女のメイクは実在する人物を真似るからこそ、価値があるもの。二次元キャラになってしまうと、コスプレイヤーと食い合う形に。そうなると、コスプレイヤー側のクオリティが勝ってしまうのかもしれません。

SNSタレントがボコボコ増える今の時代、ものまねメイクを披露する人も増えました。ブームが落ち着いた後の彼女の活路はどこにあるのか。鬼滅コスからはそんな迷走感や焦燥感のニオイを、感じなくもないのでした。

ーー結局“手越感”しかない鬼舞辻手越祐也

あっという間にテレビからYouTubeに主戦場を移し、現在も様々な活動をしている手越祐也さん(33)。今回は鬼舞辻無惨のコスプレを披露。クオリティは確かに低くはないものの、もう手越祐也感が強すぎて……。残念ながらあまり話題になることはありませんでした。

そもそも鬼舞辻無惨のコスプレはGACKT様が似合いすぎて、話題を全部刈り取って行かれた印象です。そこに果敢に挑む姿勢は素晴らしいのですが、やっぱり手越祐也は手越祐也なんだなーと思ってしまうクオリティ。とはいえ話題にしっかり乗らなくてはいけないのがYouTuberですから、新たな芸能人としての正しき姿を全力で頑張っているのだなと思ったのでした。

このようにコスプレ姿があまり話題にはならなかったものの、芸能人一人ひとりのチャレンジを見ると皆さんから“本音のニオイ”がするような気がします。

とりあえず筆者はめちゃくちゃ鬼滅の刃が好きなのに、今回は何も乗っかることができませんでした。芸能人の皆さんの果敢に話題に挑む姿勢には、こうしてみると感服しかありません!

(文:おおしまりえ)