井筒和幸監督、東京コミコン初参戦!8年ぶり新作への思い語る
映画『パッチギ!』『黄金を抱いて翔べ』などで知られる映画監督の井筒和幸が6日、オンライン開催中の「東京コミコン2020」の取材会に出席し、初参加となる東京コミコンや、8年ぶりとなる新作映画『無頼』(12月12日より全国順次公開)について語った。
井筒監督は、「東京コミコン2020」で行われた楽曲イベント「YANAGIMANショーケース vol.2」にゲスト出演。音楽プロデューサーのYANAGIMANとLINE LIVEがコラボレーションしたステージで、アメコミ作品にまつわるエピソードを披露した。「東京コミコン」初参加となった監督だが、「普段はたくさんの観客がいらっしゃるんでしょ? ステージに立った気分はないよ(笑)」と井筒節をさく烈。「いつもの会場の雰囲気を味わえてないから、来年も参加したい。主催者にもお願いしてきた」と早くも来年度のコミコン参加に意欲を示した。
そんな井筒監督は今週、『黄金を抱いて翔べ』(2012)以来8年ぶりとなる長編映画『無頼』の公開を控える。本作は、高度経済成長、オイルショックやバブル崩壊といった激動の戦後史を、己の信念を貫きながら生き抜いたアウトローたちの群像劇を通して描き出す。キャストには松本利夫(EXILE)、柳ゆり菜、中村達也、ラサール石井、小木茂光、升毅、木下ほうかといった実力派が揃った。
社会のはみ出し者たちを描いてきた井筒監督は、「僕らは『ゴッドファーザー』や『仁義なき戦い』を観て、刺激を受けて育ってきたので、欲にまみれた昭和で、アウトローたちがどうやって生き抜くかを映した」とコメント。「そういった昭和の世界を『ガキ帝国』(1981)以来、見つめてきたわけですから。ここでもう一度、アウトローの視点でその時代を描いた」と監督にとって本作が一つの集大成であると自信をのぞかせた。
また、本作を現代の若者に届けたいとも語った井筒監督。「若い人たちにとって、この映画は生きるためのヒントになると思う。平成になってから氷河世代と呼ばれて、欲がなくなっている。アウトローについて是非を問うつもりはありませんが、昭和の人々は欲望のかぎりを生きた人々。若者にもう少し外に出て、もう少し人と話してほしい。そういったヒントを受け取ってもらいたいですね」と力強く訴えていた。(編集部・倉本拓弥)