11月27日に横浜地裁小田原支部へ自己破産を申請していた、(株)丸う田代(TDB企業コード:200279947、資本金1200万円、神奈川県小田原市浜町3-6-13、代表田代勇生氏)は、12月1日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は加藤勝弁護士(神奈川県小田原市本町1-4-7、おだわら総合法律事務所、電話0465-21-3121)。

 当社は、1869年(明治2年)に創業、1951年(昭和26年)1月に法人改組した老舗の水産練製品製造販売業者。かまぼこを主力に、はんぺん、ちくわ等の水産練製品を自社工場で製造。塩辛など水産加工品の仕入販売も手がけ、ピーク時の92年3月期の年売上高は約25億6300万円を計上していた。過去には数度にわたり、全国蒲鉾品評会で当社製品が農林水産大臣賞や水産庁長官賞など数々の栄誉に輝き、品質を高く評価されるなど一定の知名度を有していた。

 しかし、その後は地元箱根や伊豆地区の観光土産としての販売が年々鈍化、卸売の販売も同業者が多く低迷していた。この間、借入金が年商を上回るようになり、債務超過で余裕のない資金繰りとなっていた。2020年3月期の年売上高は約14億5200万円にとどまり、約7200万円の当期純損失を計上。5期連続欠損で資金繰りに窮するようになり、複数の取引先への支払遅延や支払延期要請が表面化。対外信用が失墜するなか、新型コロナウイルス感染拡大下で直営店舗が臨時休業を余儀なくされたうえ、足下の売り上げも減少するなか、10月2日までに自己破産申請の準備に入り、11日には本店を閉店していた。

 申請時の負債は債権者約286名に対し約26億円(うち金融債務は約19億円)。

 なお、2020年の神奈川県内の倒産としては、新栄運輸(株)(負債約28億2700万円、10月民事再生法)に次いで、今年2番目の負債額となった。