「愛の不時着」北朝鮮兵士ピョ・チス役で愛されたヤン・ギョンウォン、日本ファンミーティング開催“信じられなくてブルブル震えて…”
2010年にミュージカル「ブロードウェイ42番街」でデビューし、ドラマ「愛の不時着」の北朝鮮兵士ピョ・チス役で大ブレイクを果たしたヤン・ギョンウォン。現在はソン・ジュンギ、オク・テギョンが出演するtvNドラマ「ヴィンチェンツォ」の撮影中。12月5日には日本で初となるオンラインファンミーティングが開催される。「愛の不時着」の撮影秘話やおうち時間の過ごし方、そして、ファンミーティングにかける意気込みを聞いた。
【PHOTO】ヤン・ギョンウォン「愛の不時着」の物語が続いていたら?“北朝鮮兵士のピョ・チスもいつか…”――現在は2021年放送予定のドラマ「ヴィンチェンツォ」の撮影中とのことですが、ひげは役のために伸ばしていらっしゃるんでしょうか?
ヤン・ギョンウォン:そうなんです。最初は自分でも見慣れなかったのですが……だいぶ慣れてきました。みなさんはまだ見慣れないかもしれません(笑)。
――「愛の不時着」が大ヒット、日本でも大ブームを巻き起こしています。出演後の反響はいかがですか? 何か変化はありましたか?
ヤン・ギョンウォン:こんなふうにインタビューを受けるようになったり、さまざまな変化がありました。個人のSNSはやっていないので、直接コミュニケーションしているわけではないのですが、多くの方々が関心を寄せてくださっていることを周辺の方々から聞いています。お手紙をいただいたり、所属事務所のアカウントにメッセージをいただいたりするようになって、とても嬉しく思っています。そして「愛の不時着」出演後、俳優として素晴らしい機会がたくさん訪れるようになったことにとても感謝しています。
――街中で気づかれることも増えたのではないでしょうか?
ヤン・ギョンウォン:「愛の不時着」の放送から数ヶ月間は、帽子をかぶってマスクをかぶっていても気づいてくださる方が多くて、感謝しつつも戸惑ったりしていました。ドラマが終わってから時間が経ったので、最近は当時ほどではありませんが、そうした変化がありましたね。
――「愛の不時着」にはオーディションを受けて出演することになったそうですが、北朝鮮兵士の役について、どのように演じるか迷いはありませんでしたか? 北朝鮮を描いたミュージカル「ロギス」にも出演されていますが、当時も軍人役だったのでしょうか?
ヤン・ギョンウォン:「ロギス」ではいろいろな役柄を兼ねていました。その中の一つが北朝鮮の軍人だったのですが、いかにも軍人というキャラクターではなくて、民間人と軍人の中間みたいな感じでした。今回の役作りでは、北朝鮮の軍人であるという点よりも、ピョ・チスという人物について考えることが多かったように思います。北朝鮮については私にはわからないことが多いですし、監修の先生から教えていただいた部分もありますが、「北朝鮮の軍人はこうだ!」というのではなく、ピョ・チスにとって中隊員の仲間はどれだけ大切な存在なのか? ピョ・チスはどんな人間になりたいと思っているのか? 恐れているものは何か? といった点を重視しました。軍人としての姿は台本にあらかじめ書かれていて、台詞にも溶け込んでいましたし、衣装などの視覚的な部分は演出部で準備されていたので、ピョ・チスの人柄を研究しました。
――日本でも北朝鮮の貝プルコギが話題になりました。食べ物や町並みの再現度も高く話題でしたが、どんなことが印象に残っていますか?
ヤン・ギョンウォン:貝もおいしかったし、ピクニックのシーンの蟹チゲも身がぎっしり詰まっていておいしかったです。撮影セットは、まるで実際に存在する村のようで、家の中も本物みたいに作られていました。でも、私たちが室内で撮影したシーンはリ・ジョンヒョク中隊長の家ぐらいかな? 居間や庭先以外は他の家での撮影はなかったと思うのですが、それにもかかわらず食器や家具がちゃんと置かれていて、まるで北朝鮮に実在する村を持ってきたかのようでした。私は北朝鮮に行ったことはありませんが、監修の先生の意見を参考にして作られたセットだったので、中に入ると本当に劇中の人物になったような気がして、役作りの助けになりました。とてもよかったです。私ももう一度行ってみたいんですが……。
ヒョンビンとの共演「主人公なのに、まさに気配りのアイコン!」
――ヒョンビンさん含め、第5中隊の兵士役の掛け合いが絶妙でした。撮影現場ではどのように過ごされていたのでしょうか?ヤン・ギョンウォン:撮影現場はとても楽しかったです。第5中隊はすごく仲がいいじゃないですか? みんな固く団結していて、実際にヤン・ギョンウォン、リュ・スビン、タン・ジュンサン、イ・シニョンがお互いを信じていたので、どんなシーンも思いきり自由に演じることができました。もちろん台詞やシチュエーションは決まっていますが、「俳優として、お互いに心からリスペクトし合っているんだな」という空気がありました。私が思いのままに演じるとみんなが受け入れてくれて、私も誰がどんな演技をしてもすべて受け入れる心構えができていて。そして、ヒョンビンさんは主人公でもあり役柄も中隊長で、とても荷が重いポジションなのに、現場の雰囲気を和ませようと常に努力していました。後輩がやりづらそうだったり困っていたりしたらすぐに察して、冗談を言って場を和ませたり、撮影中に後輩が言えないことを代わりに言ってくれたり。まさに気配りのアイコンです! 見た目もイケメンですが、心までカッコいい人なんだなぁと思いました。
――ムードメーカーはどなたでしたか?
ヤン・ギョンウォン:グァンボム役のイ・シニョンは口数が少なそうに見えますが、すごくおしゃべりなんです。よく笑うし。ウンドン(タン・ジュンサン)は写真を撮るのが大好きです。愛らしい子犬みたいで、いつもそばに置いておきたいような存在。ジュモク(ユ・スビン)もすごくよく笑う子で、いたずら好きです。全員がそれぞれのカラーで現場の雰囲気を明るくしてくれていました。とても感謝しています。
――今も交流はありますか?
ヤン・ギョンウォン:はい、ドラマの終了後、全員のスケジュールがとても忙しくなったので、みんな一緒に集まるのは難しいですが、嬉しいことです。2人で会ったり、電話をしたりしながら、ちょくちょく近況を尋ね合っていますね。すごく会いたいですが、コロナのこともあるので、今は集まるのは控えています。残念です。
――オ・マンソクさんやキム・ヨンミンさんもミュージカルや演劇などで活動されていますが、以前から舞台関係での交流はありましたか?
ヤン・ギョンウォン:マンソク兄さんやヨンミン兄さんは長年、舞台で活躍なさっている先輩なので、もちろん私はよく知っていました。まだ同じ舞台で共演したことはないのですが、これからご一緒できる機会があれば嬉しいです。兄さんたちもずっと舞台を続けていらっしゃいますし、私もそうしたいと思っているので、その日が来ることを期待しています。
――ピョ・チスは、ドラマの最後で中隊長に昇進しました。もし物語が続いていたら、今頃どんなふうに過ごしていると思いますか?
ヤン・ギョンウォン:最終回を撮るとき、誰に聞かれたわけでもないのですが、このことについて一人で考えてみたことがあるんです。村での食事のシーンで、ピョ・チスはあまり歓迎されていませんでした。目の前のおかずも全部持っていかれちゃったし(笑)。でも、これから親しくなって、女性同志のみなさんには何かとお世話になるんじゃないかと思います。中隊長になってからも、きっと事件や事故が絶えないはずです。それを中隊員の仲間が解決してくれて、自分は手柄を自慢しながら暮らして、もう少し歳月が流れた後で誰かに出会えたらいいですね。残りの人生を一緒に過ごす、ピョ・チスをリードできるような女性に……。いずれは除隊して平凡な人生に戻り、ホラ吹きな町内のおじさんとして生きるんです。家庭を持ち、愛にあふれたパパになって、韓国に行ったときの思い出は子供に話すことはできないけれど、いつも回想しながら……(笑)。フフフ。
日本ファンミーティング開催「思いがけないオファーに感無量」
――9月にはソン・イェジンさんのオンラインファンミーティングにサプライズ登場を果たしましたが、いかがでしたか?ヤン・ギョンウォン:想像していた以上に楽しかったです。実は、ご迷惑をおかけするんじゃないかと思って、プレッシャーを感じていたんです。イェジンさんのお役に立ちたいけれど、万が一、失敗したらどうしよう? って。歌も密かに練習して、トークのネタも準備したのですが、普段は寝つきがいいほうなのに前日は眠れませんでした。それで思ったんです。自分は意外と小心者なんだな、って(笑)。もちろんイェジンさんのファンミーティングではありますが、すごく緊張しました。でも、進行もスムーズで、イェジンさんもとても歓迎してくれて、参加者の皆さんにも喜んでいただけたようで、とても幸せでした。
――12月5日には、ヤン・ギョンウォンさんの初のオンラインファンミーティングが日本で開催されます。開催が決まった時のお気持ちは?
ヤン・ギョンウォン:感無量でした。本当に思いがけないオファーだったんです。だから最初はとても驚いて、だんだん心配になってきて……最近は心配もありますが、ワクワク感が大きくなってきました。同時に期待も大きくなって、参加してくださる方にとっても自分にとっても素敵な思い出になる時間を作りたいという一心で準備をしています。最初は信じられませんでした。ファンミーティング!? (震えながら)ブルブルブルブル……って。
――ファンミーティングの司会は、もちろん従姉のキム・テイさんですよね?
ヤン・ギョンウォン:はい、よかったです。頼れる人がいて。最初は家族と一緒に仕事をするという状況に慣れなくて、ソン・イェジンさんのファンミーティングのときもテイ姉さんが司会だったので、「わぁ、なんだか照れくさいな。どうしよう」と思っていたのですが、とても心強くて頼りになりました。だから今回も姉さんが司会をすると聞いて、ものすごく安心しました。
――ご家族のみなさんも喜んでいらっしゃるでしょうね。
ヤン・ギョンウォン:カカオトークの家族チャットルームがあるのですが、テイ姉さんからも私からもファンミーティングをすることになったという報告をアップしたので、両親がとても喜んでいます。これからも喜んでもらえるようなことをやっていきたいです。
――ソン・イェジンさんのファンミーティングのときのように、今回もヤン・ギョンウォンさんの歌を聴かせていただけるのでしょうか?
ヤン・ギョンウォン:ひとまず、歌は一生懸命に練習しているところです。お聴かせすることができたら嬉しいです。あのときはイェジンさんが好きな曲を周囲の方々に聞いてまわって準備をしました。今回のファンミーティングでは、どんな歌が参加者のみなさんへのプレゼントになるかなと考えて、準備をしています。(謙遜して)あまり期待しすぎないでくださいね(笑)。
「『カメラを止めるな』新世界が繰り広げられて面白かった」
――日本には行ったことがありますか? 次に行けるようになったら、どんなところに行きたいですか?ヤン・ギョンウォン:プライベートで4回ぐらい行きました。ディズニーランドに行ったり、建築を見に行ったり、東京にいる叔母の家にも遊びに行ったので、外国の中でも馴染みがある国です。それから、日本の海岸沿いの地方を2ヶ月かけてめぐったことがあります。クルーズ船で日本を一周するコースがあって、私はミュージカルのガラショーをする俳優として参加したんです。海の上で公演をして、夜の間に移動して、停泊したら降りて観光をして……というふうに、いろいろな地方都市に行きました。どこを訪問したのか正確にすべては覚えていないのですが、すごくきれいでのどかな街が多くて、とてもよかったです。大阪にももう一度行きたいし、沖縄や京都にもすごく行ってみたいです。
――好きな日本の食べ物はありますか?
ヤン・ギョンウォン:お寿司が大好きです。それから、長崎で食べた本場のちゃんぽんもとてもおいしかったです。長崎にはカステラがあるじゃないですか? お店で試食を勧めてくれるので、ずーっと食べ続けていました。プレーン味、チョコ味、あれこれ全部食べて、試食だけじゃ申し訳ないから、全種類買って実家にも送りました。店員さんがとても親切だったんです。これ食べなさい、こっちも食べてみてって(笑)。すごくおいしかったです。
――日本ではおうち時間が増え、韓国ドラマの人気が再燃しています。ヤン・ギョンウォンさんが最近見たオススメの作品は?
ヤン・ギョンウォン:tvNの「スタートアップ」というドラマがとても面白いです。本当に毎話、笑って泣いての繰り返しなんです。共感できるシーンがとても多いし、ジュモク(ユ・スビン)も出演しています。若い人々の挑戦や成長が主に描かれていますが、最近はスタートアップがブームですよね。専門的な情報もさりげなく出てきて、企業を立ち上げた友達も「すごくリアルだ」と言っていました。とても楽しく見ています。
――最近見た日本の作品は?
ヤン・ギョンウォン:『カメラを止めるな』という映画を観ました。仲のいい後輩が「途中でやめずに絶対最後まで見て」と言うので、「どういう意味だろう?」と思いながら我慢して見ていたら、新世界が繰り広げられてとても面白かったです。最近、周りの人におすすめしている映画の中の一つですね。あんな挑戦を韓国でもできたらいいなと思いました。そして、最近観た『万引き家族』も本当に素晴らしい映画でした。家族とは何だろう? あのような形もまた家族と言えるんだなと考えさせられました。出演俳優の方々も是枝裕和監督も素晴らしくて、シナリオもすごくよくて、日本映画のカラーもありますが、それだけではなく、人と暮らしていく中で誰もが抱き得る悩みが描かれた映画。本当にいい映画でした。ドラマは数ヶ月前に見たものなのですが、私は食べ物に興味があるので「グランメゾン東京」。日本料理ではありませんが、おいしそうな料理がたくさん出てきました。日常生活では接することのないような料理。大きなお皿にちょこっと盛られたような。料理の過程や味がうまく描写されていて、とても面白かったです。主人公もとても素敵でした。
――今後の目標についてお聞かせください。
ヤン・ギョンウォン:心構えはずっと変わっていません。遠い目標に向かって進む俳優としての人生、ヤン・ギョンウォンの人生は変わらないような気がします。俳優として、いい影響をもたらすことのできる人になりたいです。まずは絶え間なく努力をしていかなければならないし、欲張りすぎず、どんな作品や役を演じるときも、多くの人々が共感できる作品と新しい人物を誕生させたいです。そして、人々にいい影響を及ぼしたい。そんなふうに歩んでいけば、私の人生の目標に近づけるのではないだろうかと思います。怠けることなく、かといって急ぎすぎず、心身ともに健康に着実に歩んでいこう。私の身の回りのすべての人々が末永く健康に過ごせたらいいなと思っています。
――最後に、ファンミーティングを楽しみに待っている日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。
ヤン・ギョンウォン:私の生涯初めてのオンラインファンミーティングを日本のファンのみなさんと一緒に開催することになりました。12月5日。誠心誠意を尽くして、たくさんの方々と一緒に準備を進めています。みなさんの愛へのお返しとして差し上げられるものは何だろうか、悩みに悩みながら準備しています。ぜひ多くの方々にご参加いだたき、一緒に大切な思い出を作ることができることを祈っています。ぜひぜひお越しください。ありがとうございます。12月5日です! アンニョン〜!
取材:藤田麗子 / 撮影:SHIM KYUTAI
■イベント情報
YANG KYUNG WON 1st ONLINE FAN MEETING
⽇時:2020年12⽉5⽇(⼟) 19:00開始
料⾦:2,750 円(税込) ※別途各種⼿数料がかかります
主催:株式会社フラウ・インターナショナル
協⼒:HiSTORY D&C
イベント特設サイト:https://www.koari.net/2020_ykw
※チケットの購⼊・動画の視聴には電⼦チケット販売プラットフォームZAIKOへの登録が必要となります。