AFX通信によると、胡錦濤・中国国家首席がサウジアラビアを訪問した23日、中国は戦略石油備蓄の体制を構築するため、サウジアラビアに対して協力を求めた。拡大する国内経済に対応するため、中国ではエネルギー確保の取り組みを進めており、年内にも最初の施設の原油備蓄を開始し、2007−08年までに他の3つの施設で備蓄を完了させる計画が同国経済担当幹部から今年3月に明らかにされていた。胡首席の提案は、石油備蓄計画で原油を供給するサウジアラビアからの協力を取り付けるもので、備蓄体制構築を押し進める。計画自体は、昨年から緊急時に備える必要性から青写真が議論されていた。

  グローバル・インサイトのアナリスト、スティーブ・ネル氏は、「中国政府は国内の石油生産が需要に追いつかず、海外生産に依存する体質を危惧していた」と述べたうえで、石油備蓄体制を整えることで供給混乱に対応できると話していた。また、備蓄の供給は市場の消費量のなかで僅かな比率にとどまるため、市場への影響は限定的との見方を示している。 【了】