新型コロナウイルス感染症により、在宅勤務が増え、外食する機会が減った方が多くなっています。一方、増えたのが「家の飲み」です。自宅にいるとついついいつもより飲酒量が増えてしまうこともあるのではないでしょうか。今回は、コロナ太りを防ぐ肝臓にも優しいレシピをご紹介しましょう。



○外食からオンライン飲み会へ

感染予防に効果的ということで、外食の代わりに注目を浴びたのがオンライン飲み会です。帰りのことを気にする必要がなく、長時間にわたって飲むことができるため、ついつい飲酒量が増えがちです。これまでの生活リズムを崩してしまうと、飲み過ぎにつながってしまいますので、いつも通りの生活習慣を意識して、翌日に残らないように飲酒量を調整するようにしましょう。

○飲酒は免疫低下につながる!?

飲酒は適度に飲むとストレスの軽減に役立つなど体にとってよい影響があります。しかし、飲酒量が増えると、体にさまざまな悪影響が出ることもわかっています。その一つは、免疫力の低下です。

免疫力を高めるためには、生活習慣が関わっており、過度な飲酒や深酒は、免疫機能が低下するといわれています。翌日残るほどの量を飲まないことや、肝機能が落ちてしまうような長期間の深酒を続けるのは避けましょう。肝臓は免疫の臓器ともいわれ、肝硬変などの肝臓の病気にかかると、感染症を起こしやすくなることがわかっています。

アルコール量は、個人差がありますが、自分自身の飲酒量を把握し、家にいる時間が長くなったからといって、飲み過ぎていないか確認することが大切です。

○食べ過ぎ、飲み過ぎに注意

アルコールを飲むと、食欲がわき、つい食べ過ぎてしまう場合もあります。食欲を促進する脳細胞は、空腹によって刺激されるだけでなく、アルコールによって刺激されるという研究結果も出ています。夜にお酒といっしょに食事を取るときは、揚げ物など脂質が多いものはカロリーの取り過ぎになってしまいますから、焼き物やお刺身、枝豆といったたんぱく質を多く含みカロリーも抑えられる調理方法のメニューを選ぶようにしましょう。肝臓はアルコールを分解する、ウイルスを撃退する働きがあります。これらの働きは、たんぱく質が担っており、肝臓が傷ついた場合もたんぱく質が修復してくれます。アルコールを飲むときは、良質なたんぱく質を含む魚介類、大豆製品、豆類などを取り入れましょう。

また、肝臓はビタミン類を蓄える働きがあり、アルコールを飲むとたんぱく質の他にもビタミン類や亜鉛などのミネラル類が消費されます。お浸しやサラダなどお野菜類を補えるメニューも一緒に食べることをおすすめします。

ダイエットにもおすすめ! 肝臓に優しいレシピ

アルコールを飲んでも太らないと考える方もいますが、中性脂肪を合成するため、体重が増えなくても、内臓脂肪型肥満の原因となります。適量を守りながら、おつまみとなる食事から栄養をしっかり補いましょう。今回は、ダイエット中でもおすすめの肝臓に優しいレシピをご紹介します。

魚と野菜のカラフル炒め

<材料>  2人分

さばの水煮缶    1缶

ピーマン      1個

赤ピーマン     1個

塩昆布       大さじ1

オリーブ油     大さじ1/2

レタス       1枚

ミニトマト     4個

<作り方>

1:ピーマン、赤ピーマンは、横に細切りにする。レタスは流水で洗い一口大にちぎり、ミニトマトはヘタをとって流水で洗い、水けを切っておく。

2:フライパンにオリーブ油を中火で熱し、軽く汁けを切ったさばを入れて炒める。油がなじんだら、1のピーマンを入れて、塩昆布を加え、しんなりするまで炒める。

3:器にレタス、ミニトマトといっしょに2を盛り付けたらできあがり。

<ポイント>

魚のたんぱく質と野菜のビタミン類などをいっしょにとれるレシピです。缶詰を利用すると、調理の手間が減り、調理が苦手な人も取り入れやすくなります。また、味付けがしっかりしているので、魚が苦手な人も食べやすく、骨ごと食べられるのでカルシウム補給にもなります。栄養たっぷりのおかずをおつまみに、アルコールと上手に付き合いましょう。生活習慣を整えると、ダイエットにもつながります。

岡田明子 おかだあきこ 管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など この著者の記事一覧はこちら