51歳の父と6歳の養子の男の絆、ポケモンGOで深まる＜古泉智浩の養子縁組やってみた＞
51歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母（おばあちゃん）、里子から養子縁組した6歳の長男・うーちゃん、里子の2歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、うーちゃんがポケモンGOにハマったお話です。
おばあちゃんのスマホにはロックが掛かっていません。6才の養子のうーちゃんがスマホをあれこれいじっているうちに、自分で勝手に「ポケモンGO」のアプリをインストールしてしまいました。
ポケモンGOは街を歩き回って出現するポケモンを捕まえて遊ぶゲームで、保育園児を一人で外をうろつかせるわけにはいきません。
僕はうーちゃんがうちに来てからゲームを禁じておりましたが、こうなっては仕方がありません。僕も自分のスマホにインストールして一緒に遊ぶことにしました。
本当はゲームは6才の保育園児にはまだ早いのでやめてほしいのですが、あまりにうれしそうで、しかもゲームなどの娯楽を強く抑圧すると反動がひどいことを僕は自分の経験で知っています。
●ポケモンGOで古泉さんとうーちゃんの絆が深まる一方、ぽんこちゃんは…？
うちの近所には児童公園があって、そこがポケモンGOの「ジム」になっています。ジムは、赤、黄色、青の軍で互いに奪い合って占領できるようになっています。僕は赤で、うーちゃんは黄色でした。
ジムや「ポケストップ」という拠点の周りにはポケモンがたくさん出現します。児童公園のポケモンを自宅にいながらにして捕まえて遊ぶこともできます。
うちの裏の少し行った先には神社があって、ポケストップが3か所とジムが1つあります。毎朝6時に起きて神社に行って遊ぶことにしました。夕方も僕が仕事場のアパートから帰ってから行きます。
2歳の里子のぽんこちゃんに見つからないように、虫よけスプレーをかけてからこっそり家を抜け出します。
ぽんこちゃんに見つかると一緒に連れて行かないといけなくて、一緒に行くとスマホで遊んでいるわけにはいきません。
お兄ちゃんと僕がいつの間にかいなくなっているとぽんこちゃんは家で怒って大暴れするそうで、それはそれで問題です。
●ポケモンGOのおかげでうーちゃんがいい子に！
ポケモンGOで遊び始めてから、うーちゃんとはぐっと距離が近づきました。保育園からの帰り道、ママにどこかに連れて行けと言っていたのが、まっすぐ帰りたがるようになりました。
僕がアパートで仕事をしていると、
「パパ、何時に帰って来るの？ 早く帰って来て」
と鬼電がひっきりなしに掛かってきます。
お風呂でだらだら遊んで全然上がってくれないとき、
「今そうして遊んでいるのと、さっさと寝る支度をして寝る時間までポケモンGOをするのとどっちが楽しい？」
と聞くとささっと支度をしてくれます。
オモチャで全然遊ばないので部屋が散らかりません。家でテレビばかり見ているより、外を出歩いてくれるのも体力づくりになります。早寝早起きするようになって、就寝時のオムツが取れました。
●まさかのアカウント消去。悲しみに暮れるうーちゃんが訪れた場所は…
ところがそうして熱中していたある日、普段からうーちゃんは余計なことをするのですが、なにか魔が差したのでしょう、スマホからポケモンGOのアプリを自分で消してしまいました。
僕がアカウントをつくる作業をしたので、再インストールしてログインしようとしましたが、パスワードをまったく思い出すことができません。パスワードを忘れた場合、メールで再設定する通知が来るのですが、そのメールが全然届かず、完全にログインできなくなってしまいました。
気がつくと、家にうーちゃんがいません。一人で外出しないように言っているのにどこかに行ってしまい、ママと僕で泡を食って探し回ると、ママが駐車場にいるうーちゃんを発見しました。
「まちなか掲示板に行ってたんだ」
と言いました。
「まちなか掲示板」は、毎日ポケモンを捕まえに訪れていた場所です。ポケモンができなくなったことがあまりにショックで、楽しかった思い出の場所に行っていたようでした。
アカウントを失った夜はおねしょをしてしまいました。今は再びアカウントを新たにつくって、また1から始めています。今度は僕と同じ赤チームにしたので、協力してジムを占領することができます。
【古泉智浩さん】
漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門
』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました
』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター（＠koizumi69
）をチェック！
今回は、うーちゃんがポケモンGOにハマったお話です。
ゲームのおかげでうーちゃんがいい子に！そんなときに悲しい事件が…
おばあちゃんのスマホにはロックが掛かっていません。6才の養子のうーちゃんがスマホをあれこれいじっているうちに、自分で勝手に「ポケモンGO」のアプリをインストールしてしまいました。
僕はうーちゃんがうちに来てからゲームを禁じておりましたが、こうなっては仕方がありません。僕も自分のスマホにインストールして一緒に遊ぶことにしました。
本当はゲームは6才の保育園児にはまだ早いのでやめてほしいのですが、あまりにうれしそうで、しかもゲームなどの娯楽を強く抑圧すると反動がひどいことを僕は自分の経験で知っています。
●ポケモンGOで古泉さんとうーちゃんの絆が深まる一方、ぽんこちゃんは…？
うちの近所には児童公園があって、そこがポケモンGOの「ジム」になっています。ジムは、赤、黄色、青の軍で互いに奪い合って占領できるようになっています。僕は赤で、うーちゃんは黄色でした。
ジムや「ポケストップ」という拠点の周りにはポケモンがたくさん出現します。児童公園のポケモンを自宅にいながらにして捕まえて遊ぶこともできます。
うちの裏の少し行った先には神社があって、ポケストップが3か所とジムが1つあります。毎朝6時に起きて神社に行って遊ぶことにしました。夕方も僕が仕事場のアパートから帰ってから行きます。
2歳の里子のぽんこちゃんに見つからないように、虫よけスプレーをかけてからこっそり家を抜け出します。
ぽんこちゃんに見つかると一緒に連れて行かないといけなくて、一緒に行くとスマホで遊んでいるわけにはいきません。
お兄ちゃんと僕がいつの間にかいなくなっているとぽんこちゃんは家で怒って大暴れするそうで、それはそれで問題です。
●ポケモンGOのおかげでうーちゃんがいい子に！
ポケモンGOで遊び始めてから、うーちゃんとはぐっと距離が近づきました。保育園からの帰り道、ママにどこかに連れて行けと言っていたのが、まっすぐ帰りたがるようになりました。
僕がアパートで仕事をしていると、
「パパ、何時に帰って来るの？ 早く帰って来て」
と鬼電がひっきりなしに掛かってきます。
お風呂でだらだら遊んで全然上がってくれないとき、
「今そうして遊んでいるのと、さっさと寝る支度をして寝る時間までポケモンGOをするのとどっちが楽しい？」
と聞くとささっと支度をしてくれます。
オモチャで全然遊ばないので部屋が散らかりません。家でテレビばかり見ているより、外を出歩いてくれるのも体力づくりになります。早寝早起きするようになって、就寝時のオムツが取れました。
●まさかのアカウント消去。悲しみに暮れるうーちゃんが訪れた場所は…
ところがそうして熱中していたある日、普段からうーちゃんは余計なことをするのですが、なにか魔が差したのでしょう、スマホからポケモンGOのアプリを自分で消してしまいました。
僕がアカウントをつくる作業をしたので、再インストールしてログインしようとしましたが、パスワードをまったく思い出すことができません。パスワードを忘れた場合、メールで再設定する通知が来るのですが、そのメールが全然届かず、完全にログインできなくなってしまいました。
気がつくと、家にうーちゃんがいません。一人で外出しないように言っているのにどこかに行ってしまい、ママと僕で泡を食って探し回ると、ママが駐車場にいるうーちゃんを発見しました。
「まちなか掲示板に行ってたんだ」
と言いました。
「まちなか掲示板」は、毎日ポケモンを捕まえに訪れていた場所です。ポケモンができなくなったことがあまりにショックで、楽しかった思い出の場所に行っていたようでした。
アカウントを失った夜はおねしょをしてしまいました。今は再びアカウントを新たにつくって、また1から始めています。今度は僕と同じ赤チームにしたので、協力してジムを占領することができます。
【古泉智浩さん】
漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門
』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました
』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター（＠koizumi69
）をチェック！
