マーティン・ヌグエン【写真:Getty Images】

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ベトナム人の両親を持つヌグエンが憤り「多くの憎悪が見知らぬ人間から…」

 世界中で感染が拡大する新型コロナウイルス。蔓延に伴い、海外でのアジア人に対する差別が度々報じられているが、格闘家のマーティン・ヌグエン(オーストラリア)は怒りをあらわにしているようだ。オーストラリアに移住したベトナム人の両親を持つヌグエンの言葉を香港英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が伝えている。

 ヌグエンは格闘技ONEチャンピオンシップ・フェザー級のタイトル保持者。同紙によると、シドニーで生まれ育った31歳で、同国に移民したベトナム人の両親を持つという。4月にインドネシアで予定されていた防衛戦の開催がなくなり、母子とともに自己隔離でオーストラリアに戻っているという。

 記事では、米国、オーストラリアでの新型コロナウイルスに関連するアジア人差別を非難するヌグエンのコメントを以下のように伝えている。

「多くの憎悪が見知らぬ人間から寄せられる。ひどく耐えがたいことだ。人間によるものとは思えない」

 ヌグエンが実際に被害を受けたか否かは記事では触れられていないが、「病気に関係して特定の人種に対し憎悪の感情を表すことが至る所で起きている。正しいことではない。完璧に間違っている。人々がそういうことに関わっていることに怒りを覚えるんだ」と強い憤りを感じているようだ。

 アジア人に対する偏見に怒りを隠さないヌグエンだが、「でも、それは自分がコントロールできないことでもある。自分にできることは注意を喚起し、その輪に加わらないこと。それ以上のことはできないよ」と、同時にできることに限界があることへの虚無感も感じているようだ。(THE ANSWER編集部)