新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その流行初期では「それほど危険性は高くない」と見積もられていたため、危険性を軽視したニュースが多数報じられてきました。政治家・著名人によるCOVID-19の危険性を軽視した発言が「Saluting the Heroes of the Coronavirus Pandumbic(新型コロナウイルスパンデミックを広めたヒーローたちに乾杯!)」と題されたムービーでまとめられており、記事作成時点で280万再生を超えるほど注目を集めています。

Saluting the Heroes of the Coronavirus Pandumbic | The Daily Show - YouTube

右派・タカ派の代表的ラジオパーソナリティーであるラッシュ・リンボー氏は「絶対の確信があります。新型コロナウイルスは普通の風邪のようなものですよ、皆さん。この手のものはマイケル・クライトンの小説『アンドロメダ病原体』みたいに『感染したら死ぬぞ!』と騒がれるのが関の山です」と2020年2月24日にコメント。



3月8日、元陸軍州兵でFox Newsで司会を務めるピート・ヘグセス氏は「新型コロナウイルスについて学べば学ぶほど、私の関心が失われていくのを感じます。あまりにも誇張が多いんです」と述べました。



3月9日に「左翼メディアは新型コロナウイルスに対する恐怖心を煽っています」と語ったのは、CNNテレビの有名司会者ルー・ドブス氏。



保守系ニュース番組Fox Nationの司会者トミ・ラーレン氏は3月10日、「クルーズ船の中で乗客数十名が新型コロナウイルスに感染したというだけのことが、世界の終わりを示す兆候になり得ますか?私はヘロイン用注射器の処理問題のほうがよっぽど気がかりなんですが、多分私だけでしょうね」とコメント。



「新型コロナウイルスはインフルエンザのような単なるウイルスです。新型コロナウイルスははるかに危険だと主張する報道は、現実を反映していません」と3月7日に述べたのは、裁判官や検事も勤めた経歴を持つ保守派論客ジェニー・ピロ氏。



3月6日、ニューヨーク大学ランゴーンメディカルセンターの准教授でもあり、FOX Newsの医学系記者でもあるマーク・シーゲル氏は「新型コロナウイルスはインフルエンザと比較されるべきです。最悪の、本当に最悪のシナリオであっても、その危険性はインフルエンザにようやく並ぶといったところです」とコメント。シーゲル氏は鳥インフルエンザに関する著作「Bird Flu: Everything You Need to Know About the Next Pandemic(鳥インフルエンザ:次のパンデミックについてあなたが知っておくべき全て)」でも知られています。



自身の名を冠したトークショーが存在したことでも知られる大物司会者ジェラルド・リベラ氏は、「本当に危険なのは、新型コロナウイルスではなく、昔ながらのインフルエンザです。アメリカ国内でインフルエンザの死者は出続けていますが、新型コロナウイルスでの死者はいまだ出ていません」と2月28日に発言。



3月9日、新型コロナウイルスに関する番組の冒頭でFox Newsのキャスターであるローラ・イングラム氏は「事実は極めて安心できるものですが、あなたがまだ知らないだけです。それではご覧ください」とコメントしていました。



「私は新型コロナウイルスを恐れてはいません。恐れるべき人なんて一人もいませんよ」と3月3日に語ったのは政治評論家のジェシー・ワターズ氏。



3月11日、保守系ロビー活動家の古老、マット・シュラップ氏は「感染するのがむしろ困難」と断言。



アルコールや薬物などの中毒に関する著名専門家ドリュー・ピンスキー氏は「我々が今考えているより安全で、致死率も低くなっていくと考えられます」と3月2日にコメントしていました。



「状況を知ったならば、それほど怖くありませんよ」と3月10日に語ったのはFox Newsの司会者エド・ヘンリー氏。



「今こそが飛行機に乗るのに最適なタイミングです。飛行機はガラガラで、足を伸ばせますよ」と3月13日にFox Newsのパーソナリティーであるエインズリー・エアハート氏は述べて、新型コロナウイルスの流行のさなかの旅行を推奨。



「あなたや家族が健康なら、遊びに行ったりレストランで食事したりするのに最適な時期です。どこもすいていますよ」と共和党の現職政治家デビン・ヌネス氏は公言。



3月4日、共和党のマット・ゲッツ氏はガスマスクをかぶってアメリカ合衆国議会議事堂に登場。コロナウイルスの流行に対する関心を嘲りました。



3月11日、共和党のジェームズ・インホーフ氏は「どのような予防策を講じていますか?」と尋ねた記者に「握手でもしましょうか?」と返答。



トランプ政権のマイク・ペンス副大統領は3月10日、「この仕事において、握手は業務の一環です。トランプ大統領は握手を続けると思いますし、私も続けます」と答えました。



トランプ政権下で国家経済会議委員長を務めるラリー・クドロー氏は「封じ込めています。封じ込めているんです。完全に阻止できているとは言いませんが、ほぼほぼ完璧な状況です」と2月25日に発言。



トランプ大統領の大統領顧問であるケリーアン・コンウェイ氏も「封じ込め政策は機能しています」と発言。



著名保守系論者ショーン・ハニティー氏は2月27日「国内の死者はゼロです。ゼロなんですよ」と強調していました。



そして、トランプ大統領は、2月26日には「これはインフルエンザです。インフルエンザのようなものです」、2月27日には「ある日突然消え失せるでしょうね。奇跡みたいに」と発言していました。



しかし、トランプ大統領は3月18日、「私は世間でパンデミックと呼ばれるようになるずっと以前から、これはパンデミックだと感じていました。真剣に受け止めていましたよ」とかつての主張から一転した発言をしています。



なお、今ではCOVID-19はインフルエンザよりも危険だと考えられています。

「新型コロナウイルス感染症はインフルエンザよりも恐ろしい」理由をムービーで解説 - GIGAZINE