食料品買い占めでお困りの東京都民、北海道では逆に余っているようですよ
首都・東京では、ロックダウン(都市封鎖)の可能性もあると聞いた人々が、スーパーに行列をつくり、日用品や食料品を買い占めているという。
一方、北海道では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、イベント中止や観光客減少による売上の低迷で、過剰在庫を抱えて困っている企業が続出している。
そうした状況を受けて、札幌商工会議所は2020年3月10日、新型コロナ経済対策掲示板「緊急在庫処分SOS!」を開設した。
公式ツイッターの投稿によれば、「売上低迷や過剰在庫を抱えてしまった道内食品関連企業の、売上の回復、販路の確保を支援するため、各企業の販売情報等を掲載する」掲示板だという。
開設当初は、掲示板ページにアクセスが殺到する事態になったというが、現在の状況はどうなのだろうか。Jタウンネット編集部は27日、札幌商工会議所に取材した。
「SNSで拡散されているみたい」
海鮮福袋【全12種】(画像提供:さっぽろ朝市高水、NetOne)
Jタウンネットの取材に、電話で答えてくれたのは、札幌商工会議所の担当者だ。
「現在、掲示板に登録されている企業は、160社以上に及びます。
約3分の1が札幌市内の企業ですが、3分の2は北海道内の企業です。水産品・水産加工品がいちばん多く、約50社。肉類・肉加工品、パン・菓子・スイーツ、加工品その他が約30社前後。乳製品・卵等、農産品・農産加工品、麺類と続きます。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北海道では緊急事態宣言が発令されるなど、多大なる影響が出ております。食品業界では、物産展などのイベント中止による過剰在庫や、休校による学校給食の停止、飲食店の来店客数の減少による食品ロスの問題が大きくなっています。観光客が減ったままなのも厳しいですね」
十勝ハーブ牛 サーロインステーキ(画像提供:ノベルズ食品)
ただ掲示板「緊急在庫処分SOS!」へのアクセスは日ごとに増えており、とくに26日ごろからは激増と言ってもいいという。「なんだかSNSで拡散されているみたいですね」と担当者も嬉しそうだ。
「在庫を抱えて困っている北海道の企業のお役に立てれば何よりです」
スーパーに行っても、食料品がない、とお嘆きの東京都民は、一度、札幌商工会議所の掲示板「緊急在庫処分SOS!」をのぞいてみるといいかもしれない。なにしろ北海道には、食料品がたっぷり、在庫を抱えて困っているほどなのだ。