窪田正孝、朝ドラ後の成長と達成感が楽しみ
3月30日より放送がスタートするNHKの連続テレビ小説「エール」で、主人公の古山裕一を演じる窪田正孝。朝ドラに対する思い、そして演じる作曲家への思いについて語った。
連続テレビ小説102作目となる「エール」は、「君の名は」「鐘の鳴る丘」「長崎の鐘」「イヨマンテの夜」など、数々のヒット歌謡曲を生み出した作曲家・古関裕而と、妻で歌手としても活躍した金子をモデルに、昭和という激動の時代を音楽とともに生きた夫婦の物語を描き出す物語。窪田は主人公の古山裕一を演じ、その妻の音役を二階堂ふみが務める。
朝ドラの主演を男性が務めるのは、2014年度後期の連続テレビ小説「マッサン」以来およそ6年ぶりだが、窪田は「この朝ドラの顔は(二階堂)ふみちゃん。彼女が輝ける瞬間をつくれたらと思います」と意気込む。一方で、朝ドラの主演には親族が喜んでいるそうで、「プレッシャーはありますが、ワクワクもありますし、親戚や家族を喜ばせたいな、と。それができなければ、視聴者の皆さんを喜ばせることだってできないですから」と力強く語った。
また、著名な作曲家をモデルとした物語ということで、「古関さんには敵が誰もいない。古関さんを知っている方で古関さんの悪口を誰ひとり言わない。それこそがすべてだと思いますし、役づくりにおいても肝だと思っています」と語る窪田。「古関さんは無邪気な方だと聞いているので、お人柄と一致しているのかなと思います。天才ほど音楽に向き合って作曲しているときは、無になるのかなと。そんなところにも挑戦しています」
そして、作曲家を演じるにあたり、楽器の練習は必須。窪田は最初にハーモニカを教わり、続いて指揮、譜面の書き方、オルガンなどを学んだという。「自分が椅子に座っていると、前に立つ先生が次々に変わっていく感じで。クランクインの少し前から、空き時間があれば練習させてもらい、技術があるように見せないといけないので苦労しました」と振り返りつつ「これから作曲のシーンも増えてきます。指揮は難しいですが、演奏者は皆さんプロなので、僕に合わせてくれるという気持ち良さがあって、個人的には指揮が好きです」と笑顔を見せた。
クランクインは、昨年9月17日。1年にわたって撮影は続くというが、気負いはないようだ。「基本的に土日は休みですし、月曜から金曜にNHKに通ってスタジオで撮る。1年間というスパンでの撮影はなかなかないですが、定期的に通うのは会社員のような気持ちになりますし、リズムが決まっている方が楽なので、助かっています。1年かけて一つの役を掘り下げられるのが朝ドラのいいところ。朝ドラを経験した方に話を聞くと『朝ドラを経験すると、どの現場もすごく楽になるよ』と言っていただいて、1年後はきっと達成感に満たされるんじゃないかなと思います」と真っすぐなまなざしで語った。(取材・文:壬生智裕)
連続テレビ小説「エール」は3月30日あさ8時よりNHK総合ほかにて放送スタート