ボルダリングのコツ10選! 初心者から中級者になろう
ボルダリングを数回経験した方から多い質問の一つとして
「ボルダリングを上手くなるコツはありますか?」
というものが挙げられます。
ボルダリングはとても繊細なスポーツで、さまざまな要素を注意していないとなかなか上達しないのです。またボルダリングジムに通い始めて数回目だと、教えてくれるクライマーが少ないので、無駄な体力を使っている場合が多いです。
そこで今回はボルダリングのコツをいくつか紹介していきます。基本的なことですが、意外とできていない方が多いのでぜひ最後まで読んでいただき、いくつできているか数えてみましょう。
オブザベーションとは、ボルダリングのルートを事前に確認することで、クライミング界隈では オブザベ と訳す場合がほとんどです。
基本中の基本なのですが、オブザベをしているビギナークライマーはゼロに等しく、とりあえず登り始めてから考えている方が多くいます。オブザベをしないと、どこに次のホールドがあるかわからず、壁に長時間いなければいけないので体力を消耗してしまうのです。
ここで多くいただく質問が
「オブザベはしたのですが、登り始めると頭が真っ白になり忘れてしまいます」
「オブザベの仕方が良くわからないのですが、どうしたらいいですか?」
という以上の2つです。これらの悩みを解決していくべく、少し掘り下げていきます。
オブザベの方法は、ルートのホールドを覚えて、できれば登り方も考えてください。ボルダリングを始めて数回目だと登り方を想像するのは非常に困難なので、まずはホールドの場所を覚えましょう。
また、大きいホールドだけに着目してオブザベをするやり方もあります。ルートの中間ぐらいで大きいホールドがある場合、その周辺がルートの中でも難しいポイントになることが多いです。そのため大きいホールドの周辺だけオブザベをしておけば、一番疲れるポイントを素早く超えることができます。
【登り始めて頭が真っ白にならないために】
登り始めると、地上にいた時とまったく別の風景に感じてしまうため、オブザベをしても忘れてしまうことがあります。この状況を防ぐために、まずは手で使いそうな明らかに大きいホールドだけに着目して覚えましょう。
これを行うことにより覚える情報が少なくなるので、忘れにくくなります。慣れてきたら覚えるホールドを徐々に増やし、完璧に覚えられるようにしましょう。
取りたいホールドがあるサイドの足を高めに上げる
ボルダリングはランニングやテニスなどのスポーツとは違い、 手足を出す順番が逆 です。例えばランニングの場合左足と右手を前に出して進みますが、ボルダリングは右足を上げた時は右足を出すのがセオリーです。
そのため初めてボルダリングを体験した方の多くが、ボルダリングのセオリーとは逆の動きをしてしまい、体力をより多く消耗しています。初めは少し慣れないかもしれませんが、まずは進行方向と同じ足を高めに置くということを試してみてください。
次のホールドに行こうという気持ちが先行してしまうと、手に意識が行きがちになります。足を良く見ないで踏むと、上手く立ち上がることができず、落ちる原因にも繋がります。そのため、次のホールドに進む前に一度冷静になり、足が十分にフットホールドを捉えているか確認してみてください。
大きいホールドでも踏む場所一つで難易度が変わるため、強いクライマーほどフットホールドを良く見て踏んでいます。
強傾斜でできるだけ足を外さないように意識する
強傾斜では足が離れた瞬間に体重の負荷が腕に集中するため、非常に早く消耗してしまいます。足をできるだけ離さないために、お尻の穴を絞るイメージで登ることをおすすめしています。お尻の穴に力を入れると体幹が上手く使えるようになり、傾斜が強くても足に力が入るからです。
つま先を良く使う
多くの初心者の方は土踏まずを使う傾向がありますが、土踏まずは一番足の中で力が入りづらい場所です。それに比べてつま先は一番力が入りやすい場所なので、積極的につま先を使いましょう。普段の生活をしている上でつま先を意識する機会が少ないため、初めは不安に感じると思いますが、慣れていくと徐々に力が伝えられるようになります。
また、グレードが上がっていくと1cmほどの大きさのホールドを踏むことも増えてくるので、早いうちに習得することをおすすめしています。
つま先の感覚を養うために、スラブや垂壁で一番簡単なルートの足をできるだけ小さいホールドを踏んで登ることが非常に効果的な練習方法で、私もボルダリングを始めたときに良く実践していました。
腕はできるだけ伸ばしたまま
初めてボルダリングをした方の多くが、腕を曲げ続けて登っています。その理由は、壁から体が離れると恐怖心が増すからです。ただ、腕を曲げたままだと腕周辺の筋肉が常に緊張している状態になり、高さの恐怖心もあるため余計に消耗してしまいます。
これを防ぐために、腕をできるだけ脱力して、 腰を落とした体勢 を作ってみてください。初めは恐怖心があると思うので、スタートホールド周辺で脱力の練習をしてみましょう。登るときは脱力した体を引きつけて次のホールドを取り、また脱力というように、登りながら脱力と緊張を繰り返すと上手く登れるようになります。
遠いホールドを取りにいくときに、腕の引きつけだけでは力が足りず届かないことも良くある話。そのようなときに活躍する技術が体を振って取りに行くムーブです。体を振ることにより、腕の限界距離まで伸ばすことができ、遠いホールドも掴めます。
手で引き寄せと脱力を繰り返し、振りを作るのが一番簡単な方法です。慣れてきたら腕は一切曲げずに腰と足の連動だけで振りを作る練習をしましょう。初めは難しいので、真横か真上に大きく動くムーブを覚えてから、斜めに距離を出せるように練習することをおすすめしています。
手にばかり意識が行きがちですが、先に足を動かさないと次のホールドに届かなかったり、扉のように体が開いて落ちてしまったりします。特にトラバース課題といって横移動するルートで顕著に現れます。これを解消するために、 常に自分の重心がどこにあるのかを意識しましょう 。重心よりかなり遠くに離れた位置に次取るホールドがある場合(仮に右側とする)、先に右側に足を運んでホールドを掴みに行きましょう。
足の踏み替えをする
足の踏み替えも意外と大事なポイントで、小さいフットホールドでも左足から右足にスイッチできる練習をしておきましょう。中級レベルぐらいのスラブのルートになると、つま先しか踏めていないホールドで足を踏み替えなければいけないシーンが多くなるからです。
練習方法として、スラブで手を使わずに壁を移動するノーハンドクライミングをおすすめしています。
装備を揃える
レンタルシューズは壁を傷つけないために、足の裏のゴムが滑りやすく、丸みを帯びた形状になっており、非常にフットスタンスに乗りづらいです。レンタルチョークも質が悪く安いチョークを使っていることが多いので、シューズとチョークは自前のもを使いましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ボルダリング上達のコツと練習方法がわかったかと思います。
この中でできていないものがあれば、積極的に練習して中級クライマーを目指しましょう。