■ホイールベースを60mm延長し、前席シートを持ち上げたミニバン風に進化

2020年2月25日、日産自動車は、新型ルークスを発表しました(発売は2020年3月19日)。今回のフルモデルチェンジにより、車名は日産デイズ・ルークスから日産ルークスに変更されています。

同モデルは、軽自動車で最も人気のセグメントである軽スーパーハイトワゴンに分類され、日産自動車と三菱自動車工業の合弁会社NMKVのマネジメントの下、日産が企画、開発を行いました。生産は、日産デイズと同じように三菱自動車が受け持ちます。

軽スーパーハイトワゴンの新型日産ルークスが登場した

先代となる日産デイズ・ルークスは、便利で乗降性の良いオートスライドドアや、前方の状況をモニターし、車両や歩行者との衝突回避・衝突による被害軽減を支援する「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」などが好評を得て、2009年の初代モデルの発売以来、累計で約61万2000台を販売してきました。

ミニバン並の室内高1400mmによる広いキャビンが自慢

新型ルークスのプラットフォームは日産デイズと同じで、大人4人がゆったりと過ごせるクラストップレベルの広い室内を実現しています。座った際の膝まわりのスペースも十分に確保されており、後席ニールームは驚きの795mmです。また、後席の室内高はミニバン並みの1400mmなので、小さな子どもであれば立ったまま着替えることもできます。

日産ルークスのインパネ

後席は最大320mmスライドさせることができます。前方にスライドさせると、運転席に座ったまま後席に座っている子どもに手が届くなど、子どものお世話がしやすくなっているのが自慢ポイントの一つ。また、先代よりも前席のシートのヒップポイントが60mm高くなったことにより、広い視界が確保されている点も注目です。

■ハンズフリーオートスライドドアを用意

ラゲッジも広々。荷室床面の長さは675mmもあり、48Lのスーツケースを同時に4つ積載することができるそうです。キャビンスペースを考え抜き、乗る人はゆったりと、荷物もたくさん積める広い室内空間を提供します。

後席は最大320mmスライドが可能

乗降性にも配慮されています。後席スライドドアの開口幅は、650mmを確保し、楽に乗り降りができます。このスライドドアには、セレナで好評の片足を車体の下にかざすだけで自動で開閉する機構が用意されています。これにより、荷物で両手が塞がっていたり、子どもを抱っこしていても楽にドアを開閉することができます。さらに、小さな子どもや年配の方の乗り降りをサポートする、助手席側スライドドア部の「オートステップ」をオプション設定するなど、具体的な使用シーンを想定し、便利で快適な使い勝手の良いクルマに仕上げられています。

27インチの自転車も搭載できる

運転支援機能では、日産デイズに軽自動車で初搭載された運転支援技術「プロパイロット」がさらに進化し、新型ルークスに搭載されています。高速道路での長距離運転、渋滞という2大ストレスを軽減するのはもちろん、新たにミリ波レーダーが追加採用されたことにより、より遠くの先行車の状況を検知し、スムースな制御が可能になったとしています。

先進安全装備の「プロパイロット」を搭載する

エンジンは、日産デイズと同様に「BR06」エンジンが搭載され、新型ルークスに合わせた最適なセッティングが施されています。
また、前型車よりもエンジンの骨格を高剛性化したことで、エンジン音の静粛性を向上したそう。加えて、音源となるエンジンまわりやドアまわりに収音材を効果的に配置することにより、静かな室内空間を実現。さらに、疲れを軽減する効果のある「ゼログラビティシート」を採用したことで、ロングドライブ時の疲れも軽減します。

夜間の安全性も強化

新型ルークスには、全方位の先進安全技術も搭載されています。先述したミリ波レーダーの追加により、前方を走行する2台前の車両を検知し、急な減速などにより、 自車の回避操作が必要と判断した場合には、警報によってドライバーに注意を促す「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」を軽自動車として初採用しました。

SRSニーエアバッグシステム(運転席)を用意

さらに、対向車がいても自動でハイビームの照射範囲を切り替えてハイビームを維持できる機構を備えた「アダプティブLEDヘッドライトシステム」や、前方の車両進入禁止標識、最高速度標識、一時停止標識の3つの標識を検知する「標識検知機能」「インテリジェント DA(ふらつき警報)」「先行車発進お知らせ」などが搭載されています。そして先代で好評だった「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」は、ミリ波レーダーの採用により、夜間での性能が向上したそうです。

また、脚部の保護効果を高めるSRSニーエアバッグシステム(運転席)や前後、側面からの衝突を考慮した高強度安全ボディにより、事故の際の衝撃を緩和します。「ハイウェイスター」シリーズには、事故の際の自動通報はもちろん、あおり運転や急病などの緊急事態にも手動で通報できる「SOSコール」が標準搭載されています。

「ハイウェイスター」のエクステリアは、堂々とし、より大きく見えるワイド感と高い質感で、作り込まれた存在感を放つとしています。一方の「スタンダード」シリーズは、上品で洗練されたモダンでシンプルなスタイルを追求。

ハイウェイスターとスタンダードシリーズを設定する

ハイウェイスターシリーズのインテリアは、洗練された空間と、直感的な使い勝手で、きれいに楽に使えて、さらにディテールにもこだわり、クラスを超える品質に仕上げたそう。スタンダードシリーズは、明るいグレージュの内装色により包まれるようなリラックス感あふれるキャビンになっています。オプションインテリアも用意されていて、ブラックとモカをベースとしたスタイリッシュなコーディネーションを実現。内外装は、上質感の追求がひとつのテーマになっているようです。

オプションインテリア

設定されるボディカラーは、2トーンが5色、1トーンが12色と多彩なバリエーションを誇っています。また、今回、スタンダードシリーズの「セレニティゴールド」、ハイウェイスターシリーズの、「アメジストパープル」と「アトランティックブルー」の3色は新色となり、軽自動車のクラスを超えた質感にこだわったそうです。

価格帯は、2WDの直列3気筒NAエンジンが1,415,700円〜1,843,600円。2WDのターボ仕様「ハイウェイスター G ターボ プロパイロットエディション」が1,932,700円。4WDのNAエンジン仕様が1,549,900円〜1,977,800円。4WDのターボ仕様「ハイウェイスター G ターボ プロパイロットエディション」が2,066,900円です。

写真はAUTECH仕様

また、「AUTECH」仕様は2WDが1,747,900円、4WDが1,882,100円。助手席スライドアップシート仕様が1,801,000円〜2,071,000円。「送迎タイプ」の2WDが1,470,700円〜1,634,600円。4WDが1,6049,00円〜1,768,800円です。

(塚田勝弘)

新型「日産ルークス」登場! 最新プロパイロットと驚異の後席スライド量でN-BOXとスペーシアに真向勝負【新車】(http://clicccar.com/2020/02/25/956936/)