CDを聴こうと思ってケースを開けたら、ディスクの表面がボロボロになっていた――

  

そんな悲惨な状況を訴えるツイートが話題になっている。いったい何があったというのか。


スポンジのせいでCDがボロボロに...(画像はrokuno kouichi@RokunoKouichiさん提供)

「30年くらい前の、DGのCD、2枚組以上の場合、薄いスポンジが挟んであったのですが、このスポンジが経年劣化でボロボロになり、さらに一緒に入っていたCDがみな、なぜか剥離を起こし再生できなくなるという現象が起こっています。取り急ぎ確認の上、スポンジを捨てた方が良いと思われます」

ボロボロになったスポンジとCDの画像と共に、そう投稿したのはツイッターユーザーのrokuno kouichi(@RokunoKouichi)さんだ。DGは世界で最も長い歴史を持つクラシック音楽のレコード・レーベルで「イエロー・レーベル」とも呼ばれる「ドイツ・グラモフォン」のことだ。

大切にとっておいたCDが、まさかこんな形で聴けなくなってしまうとは...。音楽好きならば悲鳴を上げたくなるような出来事だ。

ツイッターでは、同様の被害にあったとの報告が複数寄せられている。

「私も数年前に同様のこと気づきました。1980年代後半に買ったものに多かったですね」
「二枚組以上のオペラやら交響曲やら高いものばかりやられました!全て買い直し」
「うちにあったCDもスポンジの劣化でやられたことありますねぇ。CDが経年劣化するのは有名だけど、まさか一緒に入っていたスポンジの劣化でやられるなんて想像すらしてなかったので」

なかには再生はできるものもあるようだが、スポンジがこびりついて取れないなどの問題があるようだ。

レコード会社に聞くと...

投稿主のrokuno kouichiさんによれば、このCDを購入したのは30年ほど前。10年ぶりくらいにケースを開けたところ、写真のような状況になっていたという。CDの表面がボロボロに剥がれている状態だ。

こうした事態が起きるのはなぜなのか。

ドイツ・グラモフォンはユニバーサルミュージックグループの傘下にあることから、Jタウンネットは2019年12月23日、ユニバーサルミュージックの広報担当者に話を聞いた。

「弊社製品に限らず、(スポンジの)経年劣化による加水分解などによるCDへの張り付きや、信号の読み取りに支障がでる現象を、国内の製造メーカーの調査において確認したしました。CDの保存状況にもよりますが、数年経過したころからスポンジが劣化することがあるようです」

スポンジ劣化がCDに影響を与えることについて、担当者はこのように話す。スポンジ劣化のスピードは環境によって変わるようだ。また、同社の製品に限ったことではないようなので、古いCDを持っている人は要注意だ。

投稿主のような被害にあわないためにはどうしたら良いか。担当者はその対策を、

「長期にわたって作品を大切にしていただくためには、スポンジが入っている商品については、早めに取り除いていただければ幸いです」

としている。

今となっては買い直しのきかない盤もあることだろう。少しでもCDを長持ちさせたい人は、すぐに確認した方が良さそうだ。