博多から博多南までは新幹線の特定特急券と合わせて300円!

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博多には、300円で新幹線に乗れる区間があるらしい。

【写真】車内はほぼ貸し切り状態…繰り返しますが料金300円ですよ!

なにそれ!お金をかけなくてもちょっとした旅行気分が味わえるやんけ!ということで先日、博多出張のついでに利用してみた。

その区間とは、山陽新幹線の博多駅から、南に約9kmのところにある車両基地「博多総合車両所」までの回送線を旅客線化した「博多南線」。1990年に開業した博多南駅までを新幹線用の設備で結んでおり、運賃200円と特定特急券100円の計300円で新幹線車両に乗れてしまうのだ。

博多駅の券売機で切符を買い、意気揚々と新幹線の改札を抜ける。周りの旅行者らしき人たちに「皆さんの切符、何千円?何万円?ワタシ300円」と心の中で話し掛けながらホームに上がり、待つことしばし。はい、来ました!ひかりレールスター!

驚くほど乗客は少なく、しかも皆さん、「ちょっと外に出てきました」程度のテンションで、やけに身軽。明らかに新幹線に乗る雰囲気ではないところが面白い。

車内は全席自由。「さあ行くぞ!博多南へ!」と独りで旅行気分を盛り上げつつ、車窓からの眺めを楽しんでいると、大量の新幹線車両がずらりと並んでいる光景が見えてきた。なるほどこれが車両基地か、と夢中で写真を撮っているうちに、あっという間に到着。さすが新幹線!ちなみに博多―博多南の所要時間は8分ほどです。

新幹線用とは思えない簡素なホームと改札を抜けると、そこは那珂川市だった。駅周辺にはマンションや大きなスーパー、歯医者、居酒屋などが点在しており、どことなく小綺麗な雰囲気。ちょうどお昼どきだったので、少し歩いて目についたラーメン屋へ。出張で博多入りした前日から数えて3杯目のとんこつラーメンを食べる。何を隠そう私はとんこつラーメンが大好きなのだ。

素敵な名前の通りなどを鑑賞しつつ小一時間ぶらぶらして駅に戻り、駅員さんに話し掛けてみた。

「ここって新幹線しか止まらないんですか?」

「そうです」

「新大阪まで乗り換えなしで行けますか?」

「こだまなので5時間くらいかかります。博多駅で乗り換えた方がいいですよ」

「デスヨネー」

車両基地周辺が市街化されるにつれ、「回送線に乗せてほしい」という住民からの要望が相次ぐようになり、今のような仕組みになったらしい。もともと、博多南駅から博多駅のさらに「先」へ新幹線で行くことはあまり想定されていないのだ。先ほどの新幹線で乗り合わせた乗客の大半が「普段着」っぽい雰囲気だったのは、新幹線というよりむしろ在来線感覚で利用している地元住民ばかりだったから、というわけですね。

博多駅までの帰りも、もちろん300円。この料金で新幹線のわくわく感と、知らない街に降り立つ非日常感が味わえるなら安いもの。博多旅行のついでなどに、いかがでしょうか。「やいコラ、博多までの旅費が300円どころやないやんけ!」という声が聞こえてきそうですが、それはそれ、これはこれ。

(まいどなニュース・黒川 裕生)