台風被害を受けやすい駐車場の共通点 すぐできる 冠水/強風からウチのクルマを守るベストな方法
台風の被害を受けやすい駐車場とは?text:Kumiko Kato(加藤久美子)
シャッター付きで冠水する構造でもない、しっかりとしたガレージが自宅に備わっていれば、大雨や台風による飛来物で被害を受ける確率は低いだろう。
しかし、屋根があっても風の影響を受けやすい駐車場や広々とした遮るものがほとんどない露天の駐車場では、強風で飛ばされてきた看板やごみ箱などの「飛来物」がぶつかってくることでクルマがダメージを受ける危険もある。
また、地下や半地下のような駐車場でも、想定を超える大雨ともなれば排水が間に合わず、冠水する恐れもある。
JAFでも以下のように警告している。
「駐車場や車庫が周囲より低い位置にある場合は、高い位置に一時的に移動させるなど、安全を確保しておきましょう」
「また、すでに大雨が降っている最中に駐車場や車庫の様子を確認する際は、安全を確保した上で行うこと」
「豪雨の中で確認することにならないよう、あらかじめ保管場所の地形的条件は把握しておきましょう」(JAFユーザーテストより)。
これまでの大雨や台風の時はどうだったか?
今回は先の台風15号よりも巨大な台風が接近、上陸する可能性も高い。この記事を書いている今は10月11日(金)の夕方だ。
今からできる対策にはどのようなものがあるだろうか?
手っ取り早くクルマを守る方法
冠水の可能性があり、飛来物でクルマが傷つく危険がある……。このような駐車場にクルマを停めている場合、どんな対策を施せばいいのだろうか?
前述のJAFからのアドバイスでは冠水被害の予防には「クルマを高い位置に一時的に移動させる」ことを推奨している。
風雨を受けぬ駐車場の例。高い位置と言ってもすぐには思い浮かばない、高台はあるけど……と思っていたら、車高かなり低めのマツダRX-7(FD)に乗っている友人がこんなアドバイスをくれた。
「うちの駐車場は豪雨だと冠水するから、台風による大雨の予報が出るときは、近所の立体駐車場に置きに行ってるよ」と。
友人いわく、仲間うちでは普通にやっていることらしい。「車両保険に入っていれば、冠水や飛来物など自然災害で被害を受けた場合でも対応できるが、今は1等級ダウンになったので、できれば保険は使いたくないし傷つくのも嫌なので予防のために」ということだった。
立体駐車場といえばスーパーやショッピングモールの駐車場が思い浮かぶが、最近では有料で1泊の駐車ができるところも増えている。
数千円で24時間、安心して駐車できるなら高いものではない。周囲がしっかりガードされているところなら、飛来物の影響を受ける可能性も低そうだ。
カバーも有効 飛ばされなぬよう固定
飛来物対策にはボディカバーを掛けることもある程度は有効だ。
また段ボールでクルマの周囲を覆うことや、古い毛布やタオルケットなどでガードして、その上からボディカバーをかぶせれば傷つき防止力はさらに高まる。
古い毛布やタオルケットなどでガードして、その上からボディカバーをかぶせれば傷つき防止に。カバーが風でバタつくことで、ボディ表面に擦り傷ができることもある程度は防いでくれそうだ。
(古いクルマで塗装面が弱いクルマなど、ガムテープの粘着力でクリア層がはがれる場合があるので要注意! 筆者のクルマもクリア層がはがれたことがある。ガムテープを使うときはガラス面に限っている)
その際に大切なことは、カバーを飛ばされないようしっかり括り付けておくこと。カバーが飛んでしまえば元も子もない。
また、当然のことだが風が強くなってからではこの作業はなかなか厳しくなる。風の影響がまだ少ないうちにカバーを掛ける対策は行っておきたい。
ご近所さんに迷惑はNG 周辺のチェックも
自分のクルマを守ることはもちろん大事だが、近隣のクルマにキズを付けないように配慮することも大切だ。
つまり自ら、「飛来物」による加害者になってはいけないということである。
愛車のみならず、近隣のクルマへの配慮も必要。 撮影:加藤博人台風15号の際には、物干し竿が飛んで行く例が多かったようで、Twitterでトレンド入りしていた。物干し竿のような、空気抵抗が低そうなものでも風にあおられて落下することもある。
マンション高層階のベランダから落下したような場合、そこにクルマがあればボディに大きなダメージを与えてしまう危険もある。
物干し竿は外して部屋の中に入れておくことをお勧めする。また、カーポートの屋根が風で破損し強風で飛ばされるケースも想定される。駐車場においてあるゴミ箱や洗車道具が隣人のクルマにとって凶器となる場合もある。
風雨が強まる前に、これらのものも片付けておきたい。
「そんなの当然、いつもやってるよ!」というクルマ民度の高い読者の皆様には不要な情報かもしれないが、今回の台風19号は台風15号の10倍とも。(予報によると15号は約12万km平方メートル、19号は約140万km平方メートル)広範囲で長期間、大荒れの期間が続く恐れが大きい。
いつもより範囲を広げて台風対策を講じておくことをお勧めする。