【ワシントン=山内竜介】米中両国が10日から、閣僚級の貿易協議を始めるのを前に米国のトランプ大統領は9日、記者団に対し、貿易摩擦で中国経済が大きな打撃を受けていると指摘し、「私以上に、中国は合意をしたがっている」と述べた。

 合意に向けて「絶好の機会だ」と話した。ただ、一方で、「(米国にとって)正しい取引ならば、合意をしたい」と強硬姿勢も崩さなかった。

 米中の閣僚級協議は、7月末に上海で開いて以来で、米国側からは米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、ムニューシン財務長官、中国側からは劉鶴リウフォー副首相が参加する。両国の溝は深く、貿易摩擦が緩和に向かうかは予断を許さない。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版は9日、中国が米国産農産品の購入拡大を提案すると報じた。一方、ロイター通信は同日、米国が新疆ウイグル自治区での人権問題への制裁として、中国の28機関・企業を輸出規制リストに追加すると発表したことへの反発から、中国は協議の大きな進展を期待していないとの見方を伝えた。

 米国は15日に対中制裁関税を最大30%に引き上げる予定だ。今回の協議で歩み寄りがなければ、貿易摩擦が一段と深刻化する可能性がある。