ピッチの外で選手たちに檄を飛ばすクロップが、そのスタンスを貫く理由を語った。 (C) Getty Images

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 指揮官たちのピッチサイドでの振る舞いは、まさに十人十色。そこで見せる“パフォーマンス”には、監督としての個性が見て取れる。

 リバプールを率いるドイツ人監督のユルゲン・クロップは、より分かりやすくキャラクターを表に出すひとりだ。

 現地時間9月23日に行なわれた2019年のFIFA年間表彰式「ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ」で、男子の最優秀監督に選ばれた「熱血漢」は、自分が抱いた感情を隠そうとはせず、試合中も大声でチームを鼓舞。自軍にゴールが生まれた際には、サイドラインを駆け回って喜びを表現することもある。

 自身のキャリアで初めて最優秀監督賞を手にしたクロップは、ピッチサイドで見せる自らの振る舞いをどう捉えているのか。英サッカー専門誌『Four Four Two』のインタビューにおいて、こう語っている。

「サイドラインでの振る舞い方については考えたことすらない。それは、ただ、起きることで、あれこそが自分なんだ。人々が自分について言っていることには興味はない。でも、私があまりに活発だから、戦術家だと思われていないのは知っているよ」

 さらに「自分は感情的な部類のタイプだ」と自らを分析したクロップは、プレミアリーグで火花を散らしているマンチェスター・シティの指揮官、ジョゼップ・グアルディオラとの興味深い比較も展開した。

「ペップも活発だけど、私ほどじゃない。彼は叫んでいる時によりかっこいい感じに見える。常にパーフェクトな見た目だよね。体型、服装、全てが完璧なのさ。でも、私が叫ぶと、まるでシリアルキラー(殺人鬼)のようになる。しかし、あれが、私の顔だ。赤ちゃんを見る時も全く同じ表情で、『とってもかわいいでちゅね』って挨拶する。まぁ、たいていの赤ちゃんはわめき始めてしまうんだけどね(笑)」

 では、なぜクロップは、感情的に振る舞うのか? その理由については、次のように明かしている。

「私は選手たちに何度か言ったことがある。『私は君たちに全ての力を注ぐ』とね。彼らには本当に頑張ってもらいたいんだ。全力を出してもらいたい。だから必要があれば、尻を蹴り上げることもあるだろうし、チームにダメだと感じることがあれば、怒鳴ることもある。状況に対応せずに『あぁ…チャンスを逃してしまった』と思って終わるよりも、私は攻撃的に怒り、チームを鼓舞する方が良いんだ」

 時にチームへの怒りを爆発させ、エモーショナルな振る舞いを見せるクロップ。だが、その感情をむき出しにするのにも明確な理由があった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部