やはり高い静粛性はエンジン車にはない大きなメリット

 エンジンを搭載しないことで排出ガスがゼロ、という点でエコな面が注目を集めがちな電気自動車。その一方で充電時間の問題や航続距離、バッテリーの劣化などネガティブな点もクローズアップされがちであるが、今回はそんな電気自動車のいいところをご紹介しよう。

1)レイアウトの自由度が高い

 内燃機関であるエンジンを搭載する車両に比べて、部品点数が少ないという利点がある。そのため、じつはかなり自由度の高いクルマ作りが可能となっている。たとえば日産が発表したリーフNISMO RCの先代モデルは、リーフのコンポートをキャビン後方にほぼそのまま搭載したMRレイアウトだったし、現行のリーフNISMO RCもリーフ用のモーターをそのまま前後に搭載したモデルなのだ。

 また、その自由度の高さから、クラシックカーをベースにコンバートEV化する動きもみられるようになってきており、エンジン不動のクラシックカーに新たな命を吹き込む活動として注目を集めている。

2)静粛性が高い

 当然といえば当然だが、騒音を発する源となるエンジンがないので、静粛性が極めて高い。そのため、通常ではあまり気にならなかった風切り音やタイヤのロードノイズがとてつもなく大きく感じてしまうほどだ。

 また、エンジンがないことで振動が伝わってこないという点もメリットと言えるだろう。ドライブトレインから発生した振動はステアリングやシフトノブを伝ってきてしまうが、そもそもエンジンがない電気自動車ではその心配もない。さらにほとんどの電気自動車は1速固定のため、変速ショックも皆無となっている。

エンジン車以上のパフォーマンスを見せることも!

3)加速性能が高い

 ゼロから瞬時に最大トルクを発生させることができるモーターの特性上、下手な内燃機関搭載車両よりも鋭い加速性能を持っている。スポーツ走行とは無縁だったとしても、危険回避のためにやむを得ず急加速をするときなどにも役に立つはずだ(基本的に危険回避はブレーキ操作が原則ではあるが)。

4)非常用電源になる

 自然災害の多い日本において、いざというときのインフラの確保は重要なポイントだ。その点、大容量のバッテリーを持つ電気自動車はいざというときのライフラインとなってくれるはず。近隣の地区の電気が回復しているようなシチュエーションであれば、そこまで自走で向かい、充電して戻ってくるという方法もできる。もちろん、これは電気自動車が1台あれば完結する方法だ。

 ほかにも避難場所に指定されるような広い空間に電気自動車を何台か搬入し、ドアを解放して暖房をONにすれば、室内空間を温めることもできる。これはエンジンを搭載しない電気自動車だからできる方法と言えるだろう。