(左から)ロビーニョ、フォルラン、シェフチェンコ、ベロン【写真:Getty Images】

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ロビーニョ、シェフチェンコ、ベロン… 世界的ビッグネームがプレミアでは不発

 世界最高峰リーグの一つに数えられるイングランド・プレミアリーグは、そのレベルの高さゆえ、他国で結果を残したスター選手でも苦しむことは決して少なくない。

 英サッカー専門誌「フォー・フォー・トゥー」は、「プレミアリーグに順応できなかった11人の偉大な代表選手」と題し、スター選手たちが苦悩した時代をプレーバックした。

 真っ先に名前が挙がっているのが、日本のファンにも馴染み深い元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランだ。2010年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)で得点王に輝いた稀代の点取り屋だが、プレミアリーグで結果を残せなかったことは有名だ。

 スペインのビジャレアルやアトレチコ・マドリードでゴールを量産したフォルランだが、01年から04年に在籍したマンチェスター・ユナイテッドでは63試合出場で10得点に終わり、さしたるインパクトを残せないまま退団した過去がある。日本のセレッソ大阪など世界各国でプレーしたが、特にプレミアリーグでは苦しんだ。

 マンチェスター・シティ時代の元ブラジル代表FWロビーニョ、チェルシー時代の元ウクライナ代表FWアンドリー・シェフチェンコの両ストライカーもプレミアでは輝けなかった選手の代表格で、フォルランに続いて名を連ねた。ロビーニョはレアル・マドリードで、シェフチェンコはACミランで活躍した後にイングランドへ渡ったが、それまでの評判に見合う活躍は披露できず、“期待外れ”との烙印を押された。現在、トルコリーグのイスタンブール・バシャクシェヒルFKでチーム内得点王のロビーニョ自身、「マンチェスター・シティはキャリアで唯一、タイトルを獲得できなかったクラブ」と回想している。

 シェフチェンコとディナモ・キエフで同僚だった元ウクライナ代表FWセルゲイ・レブロフも、2000-01シーズンから2年間トットナムでプレーも、通算59試合10得点と満足な成績は残せなかった。その後トルコのフェネルバフチェを経て、04-05シーズンにウェストハムに加入しプレミアリーグに再挑戦したが、27試合でわずか1ゴールと散々な結果に終わった。同胞シェフチェンコと同じく、プレミアの水は肌に合わなかったようだ。

 01年に当時のイングランド史上最高額の2800万ポンド(約41億円)でラツィオからマンチェスター・ユナイテッドに移籍した元アルゼンチン代表MFフアン・セバスティアン・ベロンも、プレミアリーグに適応できず苦しんだ一人。イタリア時代の活躍とのコントラストがあまりに大きく、ユナイテッドでのプレーはわずか2年で終了。03年夏にはチェルシーへ移籍するもやはり定着はできず、さらに1年後にはインテルへ渡った。

近年の代表的な“失敗例”はファルカオ マンUとチェルシーで輝き放てず

 近年の例としては、コロンビア代表FWラダメル・ファルカオが選出されている。2010年、11年にポルトとアトレチコ・マドリードで2年連続ヨーロッパリーグ優勝と得点王を獲得するなど、当時のベストストライカーの一人に数えられており、14年に期限付き移籍でマンチェスター・ユナイテッドに加入。しかし、負傷もあって鳴かず飛ばずに終わり、翌年にはチェルシーへレンタルに出されるも、やはり結果は残せなかった。

 その他には、コスタリカ代表で120試合出場25得点のMFブライアン・ルイス(2011〜14年にフルハム所属)、元スウェーデン代表MFトマス・ブロリン(1995〜97年にリーズ所属)、元ブラジル代表DFロッキ・ジュニオール(2003〜04年にリーズ所属)、元デンマーク代表FWヨン・ダール・トマソン(1997〜98年にニューカッスル所属)、元アメリカ代表FWジョジー・アルティドール(2009〜10年にハル・シティ、13〜15年にサンダーランド所属)といった選手が取り上げられている。

 いずれも各国を代表する実力者で、欧州トップリーグで活躍した実績を持つ11人だが、彼らはプレミアリーグだけは“攻略”することができなかった。(Football ZONE web編集部)