あの「松倉さん」がなぜ... 元フジアナ逮捕、後輩たちに広がるショック
元フジテレビアナウンサーで住職の兵庫県姫路市、松倉悦郎容疑者(73)が2019年2月11日、同県姫路署に器物損壊容疑で現行犯逮捕された。
1968年(昭43年)、故・逸見政孝さんの同期として入社。「バラエティーの逸見」「スポーツ中継の松倉」と同局の「2枚看板」として活躍したが、17年前に退社、僧侶に転身した当時、話題になった。
同期・逸見さんの死も仏門入りのきっかけに
逮捕容疑は、19年2月11日午後0時55分ごろ、姫路市内の民家の駐車場にとまっていた市内の男性が所有する乗用車のボンネットに「かぎ」で線状に約30センチにわたる傷をつけた疑い。現在は、容疑を認めている。同様被害が約50件あるといい、同署では、余罪についても調べている。
姫路署によると、松倉容疑者は今月13日、「逃亡の恐れがない」ということで釈放されたという。ただし、同署によると「捜査は継続中」とのこと。犯罪が認められた場合、検察から起訴されることになる。
アナウンサー時代、プロ野球中継などで知られたほか、72〜75年には「3時のあなた」のサブ司会、78〜80年には「小川宏ショー」のアシスタントを務めるなど、人気番組にも出演した。逸見さんが93年に亡くなった際、葬儀では弔辞も読んだ。逸見さんとは早大文学部演劇学科でも同期で、30年来の親友の最期も看取ったそうだ。逸見さんが亡くなったことが、仏門入りのきっかけだったという。
フジテレビ在職中の93年、僧侶養成学校の通信制に入学し94年末に得度。妻の実家である善教寺(姫路市)での僧侶としての名は「結城思聞(ゆうき・しもん)」で06年に住職に就任していた。
後輩のためにスイート貸し切りも
早大OBの松倉さんは、実は大のラグビーファンでもあった。記者が大学現役選手だった90年代、松倉さんは、後輩の元フジテレビアナ八木亜希子さん、近藤サトさんらをグラウンドに「お忍び」で連れてきてくれた。そのたびにテンションが上がり、普段以上に張り切ってプレーしていたことを、よく覚えている。
また、我が早大ラグビー部1996年度の代には、特別な支援をしてくれた。我々は大学選手権決勝でライバル明治大に敗れ、準優勝に終わった。しかし松倉さんは「お疲れさん。よう頑張った」とねぎらってくれ、4年生約35名のために、都内有名ホテルのスイートルームを数部屋、貸し切ってくれた。
箍(たが)の外れた我々は「飲めや歌え」のドンチャン騒ぎ。挙句の果て、松倉さんが寝るはずだったベッドを同期が占領してしまい、松倉さんが床に寝る...というハプニングを起こしてしまった。
我が同期にも取材したところ、
「本当に残念な事件。お世話になった分、ショックも大きいです。同時期に起こった他の50件の傷が松倉さんと関係ないことを祈るばかりです。しかし、どうしちゃったのかねえ...。OBになってからも、姫路に何度も招待してもらって、酔っぱらって『粗相』をしてしまい、高級羽毛布団を捨てなくちゃいけない羽目になっても、奥さんとほほ笑みながら『仕方がないヤツだな。まだビール、あるぞ!』と、笑い飛ばしてくれるおおらかな方でした」
テレビという派手な世界で活躍されながら、盟友だった逸見さんの死...というショックを受け、仏門へと入った松倉さん。その落差がどこかで積み重なってしまったのかな...と考える。
松倉さん。お世話になった分、何かあったら、いつでもご相談ください。微力ながら、我々も応援しております。ただ「罪は罪」として重く受け止め、しっかりと償ってください。そしてまた、バカ騒ぎしましょうよ。いつでも待っていますから!
(J-CASTニュース編集部 山田大介)