湘南ベルマーレのみなさん、また湘南ベルマーレを応援しているみなさん、ルヴァンカップ優勝おめでとうございます。僕がベルマーレにいたのは2000年の1年間だけでしたが、今回の優勝は本当にうれしく思います。

海外移籍を目指したものの不調に終わり、所属チームがなかったときに声をかけてくれたのがベルマーレでした。その意味でもすごく感謝していますし、チームは離れましたがずっと応援しています。

僕が入ったときのベルマーレはちょうどJ2に降格し、メインスポンサーが撤退して市民クラブとしてスタートしたばかりでした。練習環境などは本当に厳しいものでしたが、みんなが一丸となって夢を追いかけていたのを覚えています。

今回のベルマーレの成功は他の多くのチームにも夢を与えたと思います。ビッグクラブとは言えない規模ですし、代表選手がいるわけでもないのですが、しっかりとしたコンセプトを持ち、監督に長期政権を任せて栄冠を勝ち取りました。

真壁潔会長がずっと地元に根づくという考えで育ててきたこともクラブをいい方向に導きましたし、今回実を結んだと思います。昇格しては降格してきたエレベーターチームではありますが、決して挫けなかったというのは、大いに評価されるべきでしょう。

そしてベルマーレで育った遠藤航、永木亮太などが日本代表に選ばれたり、多くの選手が他のチームに引き抜かれて主力になっていることを考えると、そこには日本サッカーが強くなるいくつかのヒントがあるとも思います。

キャリアの最初をベルマーレでスタートした選手は、もしかしたら他のチームのスカウトから漏れていたのかもしれません。ですが、その選手たちはしっかりと鍛え上げられることで大きく成長しました。ということは、日本サッカー界にはまだ原石がたくさん眠っていて、正しい方向さえわかれば、もっと伸ばしていけるのかもしれないのです。

ルヴァンカップ優勝で注目を集めている今こそ、ベルマーレを手本にするクラブが増えてほしいと思います。もっとも、ベルマーレは今季まだ残留争いの真っ最中。この優勝で気を抜かず。最後までベルマーレらしく走り続けてほしいと願っています。