ホンダのバイクにまたがる豊田章男会長

写真拡大

 「自らが動くことで注目を集め、バイクに情熱を傾けている多くの方々をプロモートし、楽しさを知ってもらうことが大事」。日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は、東京・秋葉原で開いたイベント「バイクの日スマイル・オン2018」でこう語った。

 スマイル・オン2018当日はホンダやヤマハ発動機、川崎重工業、スズキの国内2輪車メーカーが最新モデルを展示し、会場は家族連れなどが訪れた。ホンダの担当者は「若者の集まる秋葉原でバイクの魅力を発信できる良い機会」と2輪販売の好機と捉える。

 自工会によると、17年の2輪車の国内販売台数は35万7264台。最盛期に比べると10分の1程度に落ち込んでいるが、明るい兆しもある。自工会の二輪車特別委員会の日高祥博委員長(ヤマハ発動機社長)は「趣味向けの排気量250ccクラスのスポーツバイクは若い人が増えている」と指摘する。

 また、自工会の統計では、17年の同126ccから同250ccまでの軽2輪車販売台数は、前年比42・3%増の5万7451台。同251cc以上の小型2輪車も増加した。若い頃にバイクに乗り、40―50代で再び乗り始める「リターンライダー」も増えているという。原付2種免許(AT小型2輪)の取得が最短2日となった道路交通法施行規則の改正も「より気軽に免許が取れるようになり、追い風だ」(村上茂スズキ二輪事業本部二輪日本課課長代理)とみる。

 豊田会長は2輪車と4輪車の“融合”にも期待を示す。「(2輪業界には)自信を持ってほしい。バイク4大メーカーがある日本で盛り上げたい気持ちは私だけでない」とエール。20年の東京五輪・パラリンピックも見据え、2輪車の新たな魅力発信にも尽力する。