初先発で初勝利を挙げたエンゼルス・大谷翔平【写真:西山和明】

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投手デビュー戦は6回3失点で勝利投手「全球団が争奪戦を繰り広げた理由を証明」

 エンゼルス大谷翔平投手は1日(日本時間2日)、敵地でのアスレチックス戦で投手としてメジャー初先発初勝利を飾った。6回を投げて1被弾を含む3安打6奪三振1四球3失点(自責3)。オープン戦では防御率27.00と乱調だった日本人右腕に対して、懐疑的な見方を強めていた米国メディアだが、「美しいスプリット」「全球団が争奪戦を繰り広げた理由を証明した」と“掌返し”で称賛モードに入った。

 3月29日(同30日)の開幕戦には「8番・DH」で打者としてデビューしていた大谷。球団によれば、開幕戦に野手で出場し、その10日以内に投手として先発する二刀流は、1919年のベーブ・ルース以来99年ぶりの出来事。23歳の若武者はメジャーの歴史に名を刻んだ。

 初回は圧巻だった。先頭セミアンからスプリットで空振り三振を奪うと、2死から3番オルソンへの初球で最速160キロを計測。2回にチャップマンに3ランを浴びたが、そこで崩れなかった。

 米「ヤフースポーツ」は「ショウヘイ・オオタニがエンゼルスデビューで力強い先発試合。序盤のホームランから立ち直った」と速報した。オープン戦では苦しんだ大谷について、記事では「ショウヘイ・オオタニのメジャー初先発での(投げ始めてから)束の間の瞬間においては、批評家が正しいかに見えた」と指摘。2回の3失点を不安視していたことに触れながら、「しかし、オオタニは崩れなかった。その代わりに、自分自身を取り戻した。メジャーリーグのピッチャーとしてのデビューでA’s(アスレチックス)を完璧にシャットダウンさせた」と称賛している。

スポーツ専門誌は及第点「複雑な結果」、被弾のスライダーは「最大のミス」

 そして、「この23歳は、今オフシーズンに全球団が争奪戦を展開した理由を初回に証明した」と、立ち上がりの3者凡退の投球をクローズアップ。主砲オルソンを空振り三振に仕留めた決め球について、「美しきスプリット」とまで絶賛した。

 一方、米スポーツ専門誌「スポーティングニュース」電子版は「エンゼルスのショウヘイ・オオタニは堅実なMLB投手デビューで、序盤のミスを解決した」と速報した。記事では「ベーブ・ルース以来となる球界で最も高名な打者兼投手はMLBレギュラーシーズン初戦で複雑な結果を残した」と分析。初回に160キロの直球を投げ込んだ大谷について、2回にチャップマンに3ランを浴びたスライダーを「最大のミス」と指摘。3回以降は隙を見せず、最後の打者15人中14人を凡退に仕留めた無双ぶりを紹介した。

 今季開幕をマイナーで迎えるべきという厳しい声も出ていたが、そんな地元メディアの懐疑的な見方を吹き飛ばすデビュー。メジャーの先発投手の基準の一つとされるクオリティースタート(6回以上を投げ、自責3以下)でスタートを切った。(Full-Count編集部)